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第71話 フラグ(本日1本目)

いつもご覧頂きありがとうございます。

PVが60,000を、ユニークアクセスが12,000を超えました。

また、評価ポイント、ブックマーク、いいねをいただきありがとうございました。

たくさんの方々に読んでいただき感謝の気持ちでいっぱいです。



 楓ちゃんのフラグの呪文?の直後から感じた何かの気配に対して僕達は急遽出迎えの態勢を整える!


「総員戦闘態勢!!

 チャロンとアカネちゃんと僕は剣で、亜季ちゃんは距離をとって弓で迎え打つぞ!

 楓ちゃんは亜季ちゃんと一緒に!」


 と僕は剣を抜くと『ガサガサ』と音のする方向に向かって身構える!


 いったい何が出てくるのか?


 僕は異世界初の剣での近接戦闘(実戦)の予感に緊張を隠せない!

 直後に5mほど先の草むらから、白い毛の動物がゆっくりと現れた。


 何処かで見たことのあるようなそれは、


「い、犬?」


 と思わず声が出る。


 元の世界でいうところのホワイトシェパードの成犬のような出で立ちのそれは、僕達の前までヨタヨタと歩いてくると力なく伏せる。

 かなり弱っているように見えるぞ。


「な、なんだろう?、この生き物は?」


「これはもしかしたら、白魔狼の子供かもしれません。」


 とチャロンが言う。


「白魔狼?」


「狼の魔物の一種ですね。

 大人になると体長2mくらいまで大きくなりますよ。

 森の奥深くに住むのが通常ですが、こんな人里近くまで出てくるのは珍しいですね。」


「なるほど。見た感じではかなり弱っているようだし、何かあったのかな?

 ちょっと目利きで調べて見るか。」


 と、戦闘態勢を維持したまま「目利き」スキルで白い犬っぽい動物を確認する。


 すると、いつものウィンドウ上には次のように表示された。


・種族✕✕✕:年齢6ヶ月 

       性別 雌

       かなりの空腹、体力の限界近く。

       今にも倒れそうな状態。


「うーん、種族は分からないけど、年齢はまだ6ヶ月だって。

 きっとまだ子供だね。あと、空腹で体力の限界らしいよ。

 今にも倒れそうらしい。」


 と皆に教える。


「危険は無さそうだ、というか、早く助けてあげないと生命にかかわりそうだね。

 皆、戦闘態勢を解いて、処置を手伝ってくれるかな?

 まずは回復魔法をかけてあげよう。」


 というと、僕は白魔狼?の額に手をあてて回復魔法をかける。


 かなり憔悴していたのか、回復魔法と同時にかなりの魔力を持っていかれた気がする。


「ついでに治癒魔法もかけておこう。何か病気とか怪我があるかもしれないしね。」


 そう言うと、「治癒」「治療」「解毒」の3点セットを続けてかける。


「あとは全身の毛が汚れているから、「汚れ除去」の魔法をかけておこう。」


 と、魔法でキレイにしてあげる。

 うん、随分と調子が良くなるはずだ。


 ぐったりと座り込んでいた白魔狼?の子供は、一連の魔法をかけられるのを気だるげに見ていたが、ひと通りの処置が終わると体力が回復したのに気づいたらしく、おもむろに立ち上がると尻尾を振りながら僕に近づくと頭をこすりつけてきた。

 

 どうやら感謝の意を示しているらしい。


 その後は鼻をヒクヒクさせると、かまどの上に乗っているリス肉を物欲しそうに見ている・・。


 体力が回復して食欲が湧いてきたらしい。


「お腹が空いて何か食べたいのかな?

 リス肉が焼ける頃合いだからあげてみるか。

 チャロン、悪いけど1つとってくれるかい?」


「はい! これをどうぞ!

 いい感じで焼けて食べ頃ですよ!」


 と、リス焼きを一本渡してくれる。


 おお!確かに、いい感じに焼けて美味しそうだ!


 僕は肉を串から外すと、白魔狼?の側においてあげる。


「食べてもいいぞ。」


 と声をかけながら頭を撫でてあげると、白魔狼?は嬉しそうにガブリとかぶりつくとペロリとたいらげてしまった。


 よっぽどお腹が空いていたのかな?

 よし、もっと肉を準備してあげよう。


「もう危険はなさそうだから皆もBBQを食べるといいよ、

 僕はこの子にソーセージでも焼いてあげるよ。まだ足りないみたいだからね。」


 と言って、アイテムボックスからソーセージを5本取り出すと、それらを串に刺してかまどの火であぶる。


 肉食獣だし生肉でも平気だろうから軽く炙ればいいだろう。


 僕の横では女子達がムシャムシャとリス肉を食べながら、


「意外に美味しい!」

「肉にコクがあります!」

「もっと食べたいです!」


 と絶賛していた。

 彼女達の食いしん坊スタイルにはブレがないな(汗)


 ソーセージを炙り終えると串から外して、


「ほら、おかわりだぞ!」


 と顔の前においてあげる。


 白魔狼?は再びペロリとたいらげると、満足した様子で顔を僕の手に擦り付けてきたのでワシワシと頭と体を撫でてあげる。


 うん、こうやって見てるとただの犬だね。

 かわいいもんだ。

 毛もモフモフで気持ちいいし、心なしか癒やされるね。


 ワシワシと撫でてモフモフ感を楽しんでいると、白魔狼?から何か温かい魔力の流れが伝わってきた。


 うん?体力も回復してお腹いっぱいになったから、お礼でも言っているのかな?


 それは良かったね、と思いつつ僕も手のひらに少し魔力を流しながら優しく撫でてあげる。


 白魔狼?はうれしそうに尻尾をふりながら顔を僕の手に擦り付けてくる。


 その様子を見ていたチャロンが


「白魔狼にしては大人しい子ですね。

 気高い魔物で人になつくって聞いたことがないのですが。

 私も撫でていいですか?」


 と、ワシワシモフモフする。


 白魔狼?はチャロンの撫でテクに目を細めながらウットリとしている。

 ちなみに尻尾はブンブンである。


 どうやらとても気持ちいいらしい。


 てゆうかさすがチャロン。

 コヨーテ族の獣人だけあって、同じ系統の獣を魅了する撫でテクを熟知している!


「私も撫でてみたいです!」


 と、動物好きの楓ちゃんも参戦する。


「わぁ〜!毛がフワフワでモフモフで気持ちいいです!」


 と楓ちゃんもご満悦である。


「うーん、元気になったのはいいけど、この子はどうすればいいかな?

 森に帰るのだろうか?」


 と呟くと、横から楓ちゃんが、


「タク先輩!!この子に私のパートナーにならないか聞いてみてもいいですか?

 かっこいいし、強そうだし、モフモフだし理想的なパートナー候補ですよ!」


「ああ、いいんじゃないかな?

 まだ子供だけど確かに見た目もかっこいいし、狼だったら強さも問題なさそうだ。

 それにモフモフだしね。」


 うん、モフモフはある意味正義である。


「わかりました!早速聞いてみます!」


 楓ちゃんは白魔狼?の額に手を当てると魔力を流しながら「私のパートナーになってくれる?」と問いかける。


 まあ、楓ちゃんはテイマースキル持ちだし、白魔狼?も子供だし、きっとうまく行くだろう、と思っていたら白魔狼?が「キューン・・」と悲しそうな声を出しながら横を向く・・。


 すると楓ちゃんが、


「タク先輩、残念ながらこの子は既にタク先輩と契約を交わしたので他の人のパートナーにはなれないって言ってますね・・。

 どうやら回復魔法をかけてくれたり、食べ物をくれたりしたことをとても恩に着ているらしく、タク先輩についていくって言ってます。」


「ええ!僕は契約を交わした覚えはないんだけど??」


「契約は心が通い合えば相手方から申込みすることも可能ですから。

 さっきの治療の後に撫でてる間に、魔力の流れを感じたりしなかったですか?」


「ああ、そう言えばこの子から魔力の流れを感じたので、お礼を言ってくれているのかと思って僕も魔力を流しながら撫で返したよ。」


「あ、それですね。そのやり取りで契約が完了したと思いますよ。

 さっきみたいにタク先輩の「目利き」スキルで確認すればこの子との契約状態がわかるかもしれませんよ。」


「それもそうだね。ちょっと確認してみるよ。」


 と言うと、僕は再度「目利き」で白魔狼?の状態を確認する。

 

 すると、


・種族✕✕✕:年齢6ヶ月 

       性別 雌

       気力、体力とも充実している。

       タクの従魔


 あ!、本当に僕の従魔になっているぞ!


「うん・・、楓ちゃんの言うとおり契約しちゃってたみたいだ・・。

 状態が「タクの従魔」になっているよ・・。」


「良かったですね!こんないい子がそばにいればきっと旅の途中で役にたってくれますよ。

 私も早くパートナーを見つけたいな〜。」

 

 と、楓ちゃんが言うけれど、僕はどうしたものかと思案する。

 急に従魔ができたと言われてもビックリするよね・・。


「こんな簡単に従魔ができていいのかな?」


「タクさん。突然のことで私もビックリしましたけど、魔物が自分から従魔になるのはなかなかないことですよ。

 しかも相手は白魔狼ですからね。

 白魔狼を従えるなんてなかなかできることではないですよ。

 それこそ伝説の勇者様くらいでないと、できないかもしれません。

 是非この子を連れて帰ってあげてください。

 きっとタクさんの役に立ってくれますよ。

 お世話は私が一緒にするので大丈夫ですよ!」


 と、チャロンもお勧めしてくる。


「そうだね。せっかくこの子からオファーしてくれたんだから、一緒に連れて帰ってあげようか。」

 

 と、白魔狼?の頭をやさしく撫でる。

 白魔狼?はうれしそうにモフモフな尻尾を振る。


「タクさん!一緒に連れて行くなら名前を付けてあげましょう!

 女の子みたいですから可愛い名前がいいですね。」


「確かにそうだね。従魔なのに名無しでは可哀想だ。

 女の子らしい名前と言えば・・・、「スノー」なんてどうかな?

 元の世界で「雪」を表す言葉だよ。

 この子は真っ白だしイメージもぴったりだと思うんだよね。」


「いいですね!じゃあ、今からスノーちゃんと呼びましょう!」


 と、チャロンが「かわいい名前をもらって良かったね。」とスノーをやさしく撫でる。


 スノーも嬉しそうに尻尾を振る。


 ふう、突然の従魔発生イベントだったけど、楓ちゃんが立てたフラグイベントを無事に終えることができて良かったよ・・・。


 ちょっと早いけど今日はこれくらいにしておこうかな?

 まだ野外訓練初日だしね。


「皆、今日はこれくらいにしておこうか?

 まだ日が高いけど、初日だからあまり無理をする必要もないしね。

 ちょっと早いけど街に戻って冒険者ギルドで買い取りとかの手続きをしよう。」


「そうですね。矢の補充もしないといけませんし、初日から無理をする必要はないでしょう。」


 と亜希ちゃんも賛成する。

 

 亜季ちゃんはアンゴルモアゾーンから戻ってきてからはずっと大人しい。

 ゾーンに入って疲れたのであろうか?、はたまた、ゾーンに入っていたことを忘れたいのだろうか?

 

 いずれにしてもそれを聞く勇気は僕にはない。

 僕は虎の尾を踏んでアンゴルモアされる愚をおかすようなことはしたくない・・。


「じゃあ、火のあと始末をして、片付けてから帰ろう。」


「「「「はい!」」」」 


 と、僕達はリス肉BBQをした場所の片付けをしたあと、装備を担いで帰る準備をする。


 ああ、そういえば僕だけリス肉BBQを食べられなかったな・・。

 まあ、また明日以降もきっとBBQすることになるからいいか。


「みんな準備はいいかな?

 無事に家に帰るまでが冒険だよ。

 気をつけて帰ろうね。」


 と言うと、僕達は王都へ続く街道に向かって歩き始める。


◆◇


 草原エリアから王都の街に繋がる街道に到着した。

 時間的に街の方向に向かう馬車が多いね。

 皆、夕方までに王都の街に入って、宿を取ったりするのだろう。


 僕達も後は王都の街に向かう人々に混じって歩いて帰るだけである。


 このまま行けば冒険初日は無事に終わりそうだね。

 でも僕は、それを口に出すとフラグが立ってしまうことを知っているので余計なことは言わない。


 さっき突然僕の従魔となったスノーはすっかり女子メンバーとも仲良くなって、女子メンバーに声をかけられながら僕達と一緒に歩いている。


 特にチャロンにはとても懐いており、よく言うことを聞いてチャロンの側で大人しく歩いている。

 チャロンもスノーもフワフワの尻尾なので、まるで姉妹かのようである。


 僕はふと、


「そういえばだけど、そもそもスノーって王都の街に入れてもらえるのかな?

 従魔とはいえ魔物だから城門で街に入るのを拒否されたりしない?」


「ああ、そう言えばそうですね。従魔は冒険者ギルドで登録が必要ですから。

 まあでも、さっき知り合ったばかりだと言えば問題ないと思いますよ。

 こんなに大人しくていい子ですからね。

 念の為に革紐か何かで首輪でもしておいてあげましょうか?

 ちゃんと従えてますよって証拠になりますしね。」


 とチャロンが言う。


「なるほど。じゃあ、革紐でとりあえずの首輪を作っておくか。

 スノー、ちょっとこっちにおいで。」


 とスノーを側に呼び寄せると、アイテムボックスの中に入れておいた革紐を取り出してスノーの首にゆるく巻いてあげる。


「スノーは女の子だから可愛らしく巻いてあげるかな。」


 というと、革紐をリボンタイのイメージで巻いてあげる。


 ん、なかなかいい感じだね。

 仮の首輪なら十分な感じだ。


 チャロンが

「かわいい首輪でよかったね。」と声をかける。


 何故か亜季ちゃんが

「私も欲しい・・。まさか魔物に先を越されるなんて・・。」


 とよく分からないことを呟いている。

 うん?そんなに革紐が欲しかったのかな?


「さあ、これでいいかな。街に向かって帰ろう。

 大丈夫だと思うけど、念のため周囲の警戒を忘れずにね。」


 と、皆に声をかける。


「はい!おまかせください!

 「気配察知」スキルで周囲の警戒をしておきますね。」

 

 と、アカネちゃんが言う。

 うん、さすがは斥候職。自分の立ち位置をよく理解している。

 冒険者パーティーに斥候職を加える理由がよくわかるね。


 僕とチャロンと亜季ちゃんも弓をいつでも使えるように即応態勢をとりつつ歩いていく。


 そんな僕達を見て、何を思ったか楓ちゃんが唐突に、


「大丈夫ですよ!タク先輩とみんな!

 この付近の草原と森の近くでは小動物とか鳥しか獲れなかったじゃないですか。

 もう街も近いから危ない動物なんて出てこないですよ!」


 と皆に声をかける。


 僕達は、

「楓ちゃん、・・」、「カエデさん・・、」「「楓・・・」」、「バウ・・」、


「「「「それはフラグを立てちゃう呪文だから!(ですよ!)(バウ!」」」」


 と激しくツッコむ!


 その直後、僕達の後方から「ブモォ〜!!」という鳴き声とともに、黒い何かが爆走してくる!

 

「あ、あれは暴れ黒牛ですよ、タクさん!

 どうやら暴走モードに入っているようです!」


「暴走モード?」


「はい!たまにああやって暴走して手に負えなくなるなるのが、暴れ黒牛の名前の由来ですね!」


 どうやら楓ちゃんのフラグの呪文が見事に発動したようだ・・。

 

 さてさて、どうしたものやら・・・。


最後までご覧いただきありがとうございました。


感想などいただけると励みになります。


引き続きよろしくお願いいたします。

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楓のフラグ立て笑える スローライフ風で良いなあ…
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