第10話 スキル説明の続き?
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お風呂から出て部屋に戻って部屋着に着替える。
当然、替えの下着等はないので、下着を部屋内のお風呂でささっと手洗いする。
ムクロジの泡が大活躍である。
その他の着替えは明日以降に支給をお願いしよう。
部屋着に着替えて(当然下着レス)、ベッドに横たわって今日の出来事を振り替える。
「ああ、大変な一日だった・・。」
と思わず声がもれる。
「あ、そうだ。寝る前にもう一度ステータスを確認してみよう。ステータス。」
と、僕はステータスボード?を手元に開く。
書いてあることは儀式の際に確認した内容と同じだが、気になる点を1つ発見した。
ボードの一番下部に「↓」の文字が書いてあるのだ。
「これは何かな?」と呟きながらその「↓」に触れてみると、なんと、次のページが現れた。
どうやらステータスボードは1枚だけじゃなかったらしい。
2ページ目には次のように書かれていた。
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(補足説明)
・「お手伝い」のスキルは自分が見て、触れて、感じて、聞いて、あるいは自分に対して行使された他者のスキルの初級版または簡易版をサブスキルとして取得することができる。
・取得したサブスキルは、訓練あるいは使い込むことによりオリジナルのレベルまで向上できる。
(向上のスピードは使用頻度及びスキルの種類による。レアスキルほど時間がかかる傾向がある。)
(サブスキル)
・【鑑定系】:「目利き」(⇨New)
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なんとビックリ!
これは驚きの情報である。
鑑定魔術士はきっと2ページ目の情報を見れなかったのだろう。
慌てていたのか、スキルの限界なのかはわからないが・・。
それはともかく、この補足説明が正しければ、僕はお手伝いをすることで他者のスキルを見たり体験したりすれば、そのスキルを劣化コピーできるということでは?
お手伝いスキルの使いよう、鍛えようによっては、マルチタスク勇者?になることも可能では?
しかもサブスキルとして既に「目利き」を取得しているようである。
これはきっと「鑑定」スキルの簡易版に違いない。
試しにいま着ている部屋着を「目利き」してみよう。
「目利き」
と、部屋着の袖をみながら呟いてみると、部屋着の袖に四角い吹き出しのようなものが洗われて、
・王城別館の部屋着。綿100%。
ここでしか着れない。
と表示された!
マジで目利きできた!すげー!
もしかして「お手伝い」スキルはめっちゃ優秀?
と歓喜してしまった。
思わず大声が出そうになったが、両手で口を押さえて我慢した。
ドアの向こうで誰かが聞いてるかもしれないしね。
ひとしきり喜んだあと、ふと冷静になって考える。
実は「お手伝い」スキルは超レアなのでは?
儀式の際の演出?を考慮すると、聖女(見習い)以上に超レアの可能性もある。
王国史上初とかいってたしね。
もしかしたら超レアスキルを持つ追加の勇者とは僕のことかもしれないぞ。
しかしながら、鑑定魔術士は2ページ目の補足説明を見ることができなかった。
彼が見れないということは、王城内の他のスタッフ達も見れないに違いない。
きっと召喚勇者の鑑定を任されるくらいだから、最上級の鑑定魔術士だろうからね。
もしこの補足説明の内容を知られると、スキルの能力を探求するためにモルモット状態にされる恐れがある。
また、いろんなスキルを取得させられていいように奴隷のようにこき使われたり、王族や貴族政争の駒にされてしまう恐れがある。
今のところ、クレア王女以下、この王城のスタッフ達は僕たちに親切ではあるが、実際のところはわからない。
もしかしたら召喚勇者をこき使おうとしている悪い人たちかもしれないしね。
幸いにもクレア王女は僕のスキルを役立たずだと思っているようだし、わざわざ自分から補足説明について申し出る必要はない。
「ここは黙って様子見が一番だな・・。とりあえず明日から1ヶ月の間は訓練期間が与えられるみたいだしね。」
とつぶやきながら、明日以降の行動方針を決定した。
悩んでもどうしようもないしね。
そんなことを考えていたら、今日の疲れとベッドの柔らかさが僕を眠りの世界へと誘いはじめた。
当然ながらそれに抗う元気も理由もあるはずが無く、僕はほどなく眠りについた。
おやすみなさい、異世界。
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