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30話 攻略開始

 皐月、タクヤ、ヤユイ、ミツルを連れて俺達は病院に来ている。

 そこにはSSSクラスの色のゲートがあり、その前には院長が立っていた。

 流石にここで戦う訳にはいかない。


 他にも雪姫達も居た。

 相手が当選者を操作出来ると思うが、相手の能力的に俺達は誘われてる感がある。

 フードを深く被り、認識阻害を使っているから雪姫達にバレる心配はないだろう。


 しかし、注意しないといけないのは歩き方の癖だ。

 歩き方の癖等の日頃の動きで人を判別して来る人も世の中には居るからな。


「お集まり感謝致します! 打倒SSSダンジョンの為にSSSクラスのモンスターとの戦闘経験、そしてアイテムをここで蓄えてください! それでは、皆様頑張ってください!」


『おおおおおおお!』


 歓声と共に金栗はダンジョンに入り、その他の人も入って行く。

 当然俺達も入る。

 他の人達は探索で攻略が遅れるだろうが、俺が狙うのは最深部のボス部屋だ。

 それ以外に価値が無い。


「ヤユイ、先頭を頼む」


 ヤユイはレンジャーとしての役目がある。

 罠を察知して瞬時に破壊する事が出来るだろう。

 背後の警戒はタクヤに任せて、人形達を使ってさらに先の方の警戒とモンスターを倒して貰う。


「よし、行くか」


 あいつの能力で俺達の事がどこまで知られているかは分からないが、流石に『あの事件』やそれに関する事は知らないだろうな。

 俺が両親の下に帰った経緯は流石に知っていると思うが。


 俺は管理者になってからダンジョン内で生活していた。

 秋のサポートの下、成長した俺は3歳の時に両親の所に帰った。

 その事は大いに話題を生み、様々なニュースに取り上げられた。

 質問されても適当にはぐらかしていた。

 まだその時の俺達のダンジョンはSクラスで、東京タワー不法ダンジョンと言う名前で広まっていた。


 そんな過去を思い出しながら先に進んでいる。

 別れ道もきちんと正しい道が分かるので難なく進む。


「にしても、正規ルートに罠仕掛け過ぎだろ」


「⋯⋯」


 ハンドガンで銃弾を放って罠を破壊しながら進んでいるが本当に罠が多い。

 俺達のスピードに付いて来れるアドベンチャーラーは居ないようで安心した。


「タクヤ、モンスターは居るか?」


「この先にも全然居ませんね。気配も感じません」


「分かった」


 俺達だけに対するやり方かもしれんが、あいつはモンスターを配置するのでは無く、場合によって呼び出すスタイルを取るようだ。

 臨機応変で来るモンスターは正直面倒臭い。

 背後から奇襲されたりと、結構色々とやられるのだ。

 しかし、あまり使われない手法である。


 何故なら、そんな不規則なモノでは人気が出ず、いずれ過疎化してしまうからだ。

 管理者は挑戦者を望む。ダンジョンエナジーを得るには挑戦者の感情の起伏が必要だから。

 質は皆同じなので数が欲しい。

 ならば当然人気があった方が良いに決まっている。


 だから、俺達だけにその方法を取る可能性は十分にある。

 いや、他のダンジョンとここは比べちゃあかんな。

 多分、俺よりも速くここまでクラスを上げたんだ。

 方法は分からんが、それは賞賛に値する。

 さらに、今後とも継続するならそんな手法を取っても、SSSと言う目移りするタイトルがある。


 俺は身元不明な為に不確定要素があるからこそ沢山の人は来ない。

 物好きな人くらいだ。


「ギャララララララ!」


「ムカデ!」


 天井からムカデが三体程落ちて来る。

 それも相当な大きさだ。


 俺達はバックステップを大きく踏み、それを回避する。

 タクヤが攻撃しようとするが、タクヤの人形達が動くよりも速くミツルが動いた。

 諜報員のまとめ役だ。

 咄嗟の判断力は順応力はウチのダンジョンでもトップクラスと言っていい。

 そして、魔力も薄いムカデ程度ではミツルの相手には成らない。


「ムカデは嫌いです」


 目に見えない手を多分、手刀にしてムカデを切り裂いて行く。

 血飛沫等は無く、黒い粒子の塵となってダンジョンに沈む。

 ダンジョンエナジーを使えば復活が可能だ。


 俺達は先に進むが、このムカデを気に大量のモンスターが出現した。


「天音、この空間、大量の罠がある」


「おーけー。ヤユイは罠破壊を優先して」


「御意」


 開けた空間に出たと思ったら一気に大量のモンスターが出現した。

 管理ダンジョンでは珍しい光景の、魔物集団劇(モンスターパレード)と呼ばれる現象だ。

 対策の余地は無いが、モンスターパレードで出現するモンスターはクラスが低いとされている。

 しかし、俺達の周りに居るのは最低はSで最高がSSSだ。


 一番奥に居る人型の3人がそれくらいのオーラを出している。

 ウチのダンジョンでは中の下くらいの実力だろうか。

 大した脅威は無いが、多いのは無駄に体力が奪われるから嫌になる。


「備えあれば憂いなし。良く言ったもんだな。スペルカード、天雷雷鳴撃、発動」


 スペルカードが激しい光を放ち、天井に雷雲を生成。

 モンスターに向かって青白い雷が降り注ぐ。

 轟音と激しい光を放ちながら大量のモンスターを撃沈させて行く。


「タクヤ、ミツルはあの3人に実力の違いを見せに行け。皐月は俺に寄って来るモンスターを潰せ」


 俺はスペルカードの操作をする。

 意識をきちんと向けてないと暴走しそうだ。

 マリカと一緒に作ったスペルカードは本当に強力だな。

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