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第145話 未来に向けて

第145話 未来に向けて

**********

ジャンヌ:騎士団長

フィスト:近衛兵長

サリー:魔法使い

マリン:海の冒険者

ブラド:吸血鬼の姫

ローズ:貴族令嬢

キャッツ:トレジャーハンター

マリア:シスター

リーフ:エルフ

**********



ヌシ『世界樹よりも……大切なもの……?』


マリア「今この瞬間から先の、未来です」


リーフ「動物たちにとって、この世界樹は心のよりどころです。晴れの日も雨の日も、嵐の日も、ずっとこの大森林の中心で、揺らぐことなく、立っていたんです。大切じゃないわけ、ありません!」


マリア「だけど、この木を守り続けるよりも大切なことがあります。それは、次の命と、そのための住処を守り続けることです」


キャッツ「動物たちにとってはさ、とにかく自分と、自分の子どもの命が大切なわけ」


サリー「そして、それはそれで正しいんだと思います」


ローズ「みんながみんな、自分を大切にするから、森全体も保たれてるんでしょ?」


マリン「世界樹が一番大事だからって、そのために手放していい命なんてないわよ」


マリア「動物たちの、この沈黙が、その主張です」


ヌシ『……そうか。そうなのだな。私は森に住むひとりひとりを見ることを忘れていたのか』


ジャンヌ「……もういいのかな?」


フィスト「そうみたいね」


ジャンヌとフィストのふたりは同時に武器を鞘に収めました。

サリーも、術を解いたようで、体から発していた光が徐々に消えていきました。


ヌシ『森の民たちよ……済まなかったな。年老いた私の凝り固まった考えが、お前たちに迷惑をかけた……私にヌシの資格はなかったようだ』


マリア「それは違うわ」


ヌシ『?』


マリア「ヌシが代々どんな風に選ばれるかなんて、私たちは知りません。でも、この大森林の歴史の中で、何代ものヌシが選ばれ続けてきたわけでしょ?その方法で選ばれたあなたが、ヌシの資格なし、なんて思わないわ」


ブラド「それこそ、悠久の歴史に対する冒涜ちゃうの?」


リーフ「動物たちも、みんな言っていました。『ヌシが考えを少し変えてくれたら』って。誰も『あのヌシがいなくなってくれたら』なんて言わなかったわ」


ヌシ『……』


サリー「動物たちも必死だったんです。じゃなきゃ、世界樹が切り倒されるのを、黙って見ているなんて、できません」


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