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第15話~第18話

**********

第15話 世は情け

(ローズ・キャッツ)



馬車がガラガラと音を立てながら石畳の道を走っています。


キャッツ「モグモグ……んで、あんたさ、いいわけ?私の縄解いちゃって」


ローズ「ええ、キャッツさんの箱も、私の箱も、同じ場所、お城を指してたから、多分、一緒に行った方がいいと思って……ごめんなさい、一度は縛ってしまって」


キャッツ「……それはいいわよ、ご飯もらえたしね。一応言っとくけど、私は貴重なお宝と、ついでに食べ物を狙うトレジャーハンター・キャッツよ。泥棒じゃないの」


ローズ「はい」


キャッツ「……いや……あんたの名前は?」


ローズ「あ!そうか!ローズです、よろしく」


キャッツ「……ローズの屋敷に忍び込んだのは、宝の地図があるって聞いたから、写しを作りに行ったの。トレジャーハンターとして立派な仕事よ」


ローズ「へぇー!すごい」


キャッツ「す、すごい?……まぁいいか。で、この馬車でお城まで運んでくれるわけね?」


ローズ「はい!」


キャッツ「敬語やめてね。キャッツでいいよ」




**********

第16話 ことわざ

(ローズ・キャッツ)



走る馬車のなか


キャッツ「でもさー、ローズは怖くなかったの?」


ローズ「なにが?」


キャッツ「私が忍び込んだときよ。強盗が目の前にいるようなものでしょ?」


ローズ「護身術の本も読んでたから、なんとかなると思っちゃった(笑)」


キャッツ「すごいのね、本の中身覚えてるなんて、頭いいんだ」


ローズ「んー?そうかなー?あ、でもあのときは、あの状況にピッタリのことわざも思い出してたよ!」


キャッツ「なにそれ?」


ローズ「えっと、『盗っ人にも三分の理』?」


キャッツ「…………ピッタリなの?」


ローズ「え?違った?『盗っ人猛々しい』?」


キャッツ「……ひどくなってない?」


ローズ「『盗っ人にも五分の魂』!」


キャッツ「それ虫よね?」





**********

第17話 広い世界を

(マリア・リーフ)



先輩「シスターマリア、迷ってるの?光の示す先に行くべきか」


マリア「はい。あの光からは『行け』と言われた気がしました。でも…」


先輩「……この孤児院のことが、心配なのね」


マリア「…………」


先輩「あなたはいつだって周りのことを気にしてくれてたわね。でも、今日からはあなたのことを考えてちょうだい」


マリア「先輩……でも、城に行って、何があるのか……」


先輩「そうね、わからないわね。でも、どうか広い世界を見て、そして、無事に戻ってきて。あなたが感じたことは、きっと子ども達の世界を広げてくれるわ」


マリア「…………はい。ありがとうございます」


ドンドンッ


リーフ「す、すいませーん」


マリア「?」


リーフ「あの……なにか……食べるものを」




**********

第18話 森の外

(マリア・リーフ)



リーフ「ほんと……ごめんなさい……お腹へって……」


マリア「あら!大変、ちょっと待っててね?嫌いなものある?アレルギーは?」


リーフ「えっと……動物食べません」


マリア「わかったわ!」


10分後


リーフ「ふう……ありがとう、ごちそうさまでした」


先輩「あなた、エルフよね?森の外に出るなんて、どうかしたの?」


リーフ「えっと、この箱から光が出て、それがお城を指したので、行くことに」


マリア「え、私と同じ?」


リーフ「そうなの?じゃあ一緒に行こうよ!」


マリア「ふふっ、そうね。あなた、お城まで着けるか心配だから、ついていくわ」


リーフ「知らなかったんだって!森の外がこんなに食べ物少ないなんて!」


マリア「エルフは普段、森で木の実や果物を食べているのよね……そうか、自生してる植物が食べられるかどうか調べられるわね。孤児院の食費も、楽になる……」


リーフ「え……もしかして、私で実験しようとしてる?」


マリア「先輩!子どもたちのために!広い世界を見てきます!」


先輩「そういう方法で見てこないでちょうだい」


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