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6話 ギルドにて

朝になり、起きて宿を出ると俺は東の街へ出ていた。

東の街まで言葉の通りひとっ飛び...なのだが。

やはり先日から気になっていたことがある。

それが、魔力は底を付かないのか?だ。

もし魔力が底をついてしまっては戦闘中、"最強"魔法すら使えずに殺されるのがオチだろう。

いつか魔力について調べておかねば...

宿のおばちゃんにでも聞いてみるか。

そう考えている間に東の街に着くと、俺は商店に立ち寄らず反対方向のギルドへ向かった。

ギルドに入って見ると中は冒険者が数人ぽつ、ぽつといるくらいだったがこれが昼間になると大変混む。

それにしても商売をやったからか自分が詐欺をしていない事に違和感を覚える。

いや、別に俺は悪人ではないのだよ。

ただただ詐欺を働いていたと言っても、暴力団に「拳銃」と重さも見た目もまったく同じものを300くらい作って売ったくらいしか大規模な事はやってない。

その暴力団、ニュースで

「遂に〇〇組逮捕。モデルガンを大量に所持しており、「騙しやがったなあの野郎ぉぉぉお!」と意味不明な供述を繰り返しております」

って報道されてたなぁ。

懐かしい。

にしても騙されるなんて不運な目にあったもんだ。

誰に騙されなんだろうな?

ギルドの受付に行くと受付嬢らしき人物が、


「こんにちは。新規の方ですか?ギルド冒険者登録はここで、ギルド採掘師登録は右側のカウンターで、ギルド職員面接は左側のカウンターで、ギルド商人登録、ギルド漁師登録、ギルド農家登録は二階にて受け付けております」


と丁寧に対応してくれた。

当然今回俺がやりに来たのは冒険者登録。

稼ぐ場所はもう見つけたが、それでも異世界って言ったらやっぱり冒険者じゃん?

じゃけん冒険者登録して儲けるんや。

と、言うわけで冒険者登録を済まして貰った。

こういう場合は使わない58000Fの方から登録料は払う。

今回は5000Fの消費だったが、身分証明書の様なものを作ってもらえた。

これでギルドの依頼が受けれる様になったんだとか。

冒険者登録の横に大きな棚がありその中から好きな依頼の書類を取り出して、冒険者用カウンターに見せれば後はクエスト条件を満たすだけらしい。

ところで身分証明書の裏に「当ギルドでは命、怪我に関する保証、手当の一切を行いません」と書いてあるんだがこれはつまりそういう事..だろう。

冒険者にランクがあってもおかしくはない、と思っていたが特にそう言った事はない様だ。

まあ死んでも怪我しても関知しないんだからそりゃあランクつける必要は無いだろう。

だから一番手短で、戦闘っぽい「ブラッドウルフの大牙を4本集める」を受けることにした。

その時、久々にウィンドウが開き「ブラッドウルフの大牙...ブラッドウルフのリーダー格が所持している2本の牙。ほかの個体より大きな牙で、刺した物の血を吸う能力がある。ブラッドウルフをブラッドウルフたらしめる部位」と表示された。

成る程、つまりブラッドウルフの群れを2グループ倒せばいいわけだ。

初めこそ不意打ちで死にかけたが道中ではどうって事は無かったし問題ないだろう。


「これでお願いします」

「はい...はい、分かりました。あ、当ギルドでは命、怪我には一切の関知をしませんので」

「重ねて言いますね、苦情でも来るんですか?」

「いえ、新米冒険者が身の丈に合わない依頼で死んだところをもう100は見ましたので。」

「それは大変ですね。やはり一番の死因は身の丈に合わない依頼ですか」

「そうですね。一応ですが、考え直します?」

「いえ、必要ありません。特に死ぬ予定も無いですし、仲間もいっぱいいるので」

「検討を祈ります」


嘘だ。

仲間なんていない。

俺はぼっちじゃ無いけど。

これは次素材を持ってきた時用の布石ですしおすし。

別に悔しかったわけじゃありませんし。

さて、気をとりなおして依頼だ。

この牙だが、何かに加工すれば俺としてもいい武器になるんじゃないかと期待をしていたりする。

するとまたウィンドウが開き「ブラッドウルフの大牙の加工...有名なもので言えばドレインランス。マイナーな物だと吸収の腕輪」

「ドレインランス...ブラッドウルフの大牙を素材として含んでおり、血を吸うと使い手の傷を癒し、魔力を回復させる事ができる。加工しやすい為そこそこの値段で市場に出回っている」

「吸収の腕輪...魔力を注ぐと、周囲数mの魔力を持つものから常に吸い取り続ける魔道具。イメージ次第で血液を吸い取り体を癒す事も可能。加工が難しく、まず市場には出回らない」

と一斉に説明された。

成る程、吸収系の武具が作れるってわけだ。

なら吸収の腕輪でも作ってみるとするか。

とはいえまだ得ても無いのでは話にならない。

とにかく今は外壁に出るとしよう。

あの門番さんと話ができるといいのだが...

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