3話 戦闘後
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一仕事終えて気がついたのだが、何故か右腕が元に戻っていた。
俺の右腕は確かに食いちぎられ、今まさに俺の目の前に落ちているのだが、確かに俺の右腕はあった。
さすっても感覚はある。
別に問題もなく動くようだ。
そこで俺はようやく目の前のウィンドウに気がつく。
そこには「鉱化...神より与えられし最強魔法」
と表示されていた。
正直「なんだその雑な説明!?」と思ったがその後すぐ新しいウィンドウが表示された。
「不具合が発生しました。原因:神による封印」
そう、要はこれは神様が表示出来ないように制限をかけているという事だ。
しかしこれを表示させない理由がよくわからない。
ミルファランス様は俺がこの最強スキルを言いふらすような者だとでも思ったのだろうか。
確かに"最強"ということはこれを凌駕するものはこの世界には無いということになる。
ミルファランス様は神の力でこの世界を変えることを拒んでいるのだろうか。
その時、上から紙のようなものが落ちてきた。
内容はこうだ。
荒川君へ
間違えて封印魔法も最強魔法につけちゃった(^^)
ミルファランスより
.......。
軽い。
軽すぎる。
ミスだとしてももう少しやり方ってものがあるだろう!?
それに封印魔法をかけたのがミルファランス様なら取り除いてよ...
と、今度は頭の上に矢が飛んできた。
「敵襲かっ!?」
と、その矢を躱すと、そこには紙が結んであった。
嫌な気配を感じつつ開いてみると...
やはりあった。
今度は宛名すらない。
封印魔法って私が取ろうとすると呪術の類だから解術をその封印魔法用に作るのに300年くらいかかるの。ごめんね?テヘペロ
こんな内容だった。
テヘペロって口で言うのかよ...
擬音を口に出す女は地雷。
じっちゃんが言ってた。
ちなみにばあちゃんは地r...ガフッ
心臓を握られるかのような苦しみに襲われていると、ある事にふと気がついた。
ミルファランス様、この手紙の為に俺を殺しかけなかったか...?
そう、気配を察知できたからいいものの、あれに気が付かなければ脳天が貫かれていた。
そして、一応、と矢を回収するとウィンドウが大量に一斉に開いた。
「金剛石の鏃...この世界で最も硬い極硬石に最上位防御魔法"金剛"を100〜120回重ねがけしたものを鏃としたもの。最高位魔法を数十発撃ってようやくかすり傷1つ程度の代物」
「大魔法樹の棒...森亜人族に昔から祀られている巨大樹で、中には大量の魔力を秘めている。触れればそのものの耐性限界までに魔力を流れこませる。枝の末端に行けば行くほど魔力は多く蓄積されており、この場合は最端の代物」
「不死鳥の羽...Sランク魔獣フェンリルの羽。触れれば跳躍力は数十倍となり、走る速度も格段に上がる。なお、触れている間はどれだけ砕けようと再生する」
ここまで一斉に、だ。
てかフェンリルって魔狼とかじゃなかったのかよ。不死鳥ってフェニックスじゃないのかよ。
というかこれだけのものをわざわざ手紙用に使ったのかよ...
神様からしたら簡単かも知らんが俺からしたら一大事である。
とにかく恩恵を受けてみようとフェンリルの羽に触れると、急に世界が遅くなった。
と、思っていたのだが正確には俺が超絶加速していたらしい。
これは緊急脱出用に使えそうだ。
興奮する心を抑えながら鏃に触れたが、変化は特になかった。
少し体が曲がりにくい、というのが2秒ほどで治ってそれ以降何もない。
まぁ鏃は触れても効果ないしね。
そして元から触れていた大魔法樹の棒だが、触れるとさっきまで体の中で枯渇していた何かが途端に癒されていたことから魔力を回復したのだろう。
これは魔力回復用に切り分けておくか。
さて、俺には街の方向が分からない。
なぜならミルファランス様から別れる寸前記憶に「右へ進み続けてください。そこに街があります。」と刻みこまれたがどこが右か分からないのでは話にならない。
まあとりあえず進んでみるか。
俺は直進し、とにかく前へと進んでいった。
そたらが街の方向だと気がつき喜んだのは数時間後のことである。