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24話 対峙

ボクは、あの美しくて美味しそうでとても惹きつけられる”魂”を食べてから、体に異変が起き始めていることに気がついた。


まず、一つ目。

体が、少し震えてきた。

この言葉だけでも異常性は十二分に伝わると思うが、実はその震えというのは手が震える、などの部分的なものではない。

体全体が、まるで衝撃波に当てられてピリピリと感じるように揺れ続けている。


二つ目。

人間の擬態化が少しずつ溶けてきた。

解けてきた、ではなく溶けてきた。

それが違和感である理由は、擬態化がスキルだからだ。

そう、擬態化はスキルだ。

だから魔力が切れたとしても、擬態が解けるはずがない。

そもそも、擬態が解けるときは一瞬で元に戻るはずなのだが今回は違った。

ドロリ、ドロリと飴が唾液に溶かされるかのように形を崩していっているのだ。

普通ではありえない擬態の崩れ方だ。


三つ目。

さっき言った「溶ける」最中溶けた体の一部が増えているのだ。

気のせいかもしれないが、溶けた元の面積の1.2倍くらいになっている気がする。

というか、1.5倍くらいに増えていると言っても過言ではないかもしれない。


これらのことが、ボクの身体に今一斉に襲いかかっているのだが、抵抗しようとしてもどうも溶けた部分の体はボクの意思とは無関係に動いているようにも見える。

しかも何故か頭の中に霧がかかったように意識が朦朧とし始めた。

不味いな、このままじゃあ...

ボクの中の——が————になるかも————-

—目だ、考——こと———来ない——————-


————ここで、ボクの意識は途絶えた。


———

目の前にいるものを理解するのに、俺は2秒程の時間を要した。

その間、目の前の化け物は体を震えさせて、悶えながら体を大きくしているようだった。

まず、分かったことがある。

こいつはミルファランス様の書類にあった「死神」であるという事。

次に、「死神」は”魂”を喰らい尽くす悪魔であること。

最後に、目の前の存在の魂が俺に見えること。


最後の事項が俺を大きく動揺させる一つの要因となっていた。

魂が見える、というのは俺が一般人である以上場合は二つに分かれる。


一つ。

俺の”穢れ”が今まさに飲み込もうとロックオンをしている場合。


二つ。

対象が俺の召喚獣である事。


そして今俺の”穢れ”は静まっており、この死神を喰らおうとしているわけではない。

よって、ここから導き出される答えは一つ。


この死神はミスラである。


「ッ!?」


答えが出される同時に、目の前の巨体は体を鞭のような形状に変形させ、俺の体に向けて一撃を放ってきた。

人間の頭のサイズはあろうかという鞭の太さ。

多分まともに当たれば魔法を使えない俺は一瞬で死んでしまうだろう。

と、そこまで考えたところで鞭の一撃は俺に当たった。

音速に近い速度ではないだろうか。

死神の放った一撃は、俺の意識を刈り取るには十分すぎる程の過剰な威力だった。

しかし、薄れゆく意識の中で俺はあの魔法を使った———

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