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1話 飽きた神様

真っ白な空間に俺はいた。

空から


「飽きた!」


という声が聞こえて、その後は真っ白な世界に俺1人が立っていた。


「これは...一体...?」


あまりに一瞬の出来事で、事態がまだよく理解出来ていない。


「ん...?まだ生き残りがおったか」


不意に、斜め後ろから声が聞こえ振り向く。

そこには、銀髪ロングの赤眼の幼女がいた。


「キミは誰だい?」


意識もせず、相手の正体を探ろうとしていた。

やはりさっきまで現役詐欺師(22)として働いていた職業のせいだろう。


「私は、神だ。」

「は?」


どうやらこの幼女、頭がおかしいらしい。


「お前...神に向かって心の中でも頭おかしい奴っていうとか...ないわ」

「っ!?」


完全に、心の中を読まれている。

心を読む、所謂読心術というものではなさそうだ。

つまり本当に神...?


「どうして俺をここに連れてきた?」

「まあまあ、落ち着けって。取り敢えずイレギュラーなお前に私が一から説明してやるから」


いちいち上からな奴だ。

しかしここで聞かない事には始まらない。


「まず、私は神だ。そして、この世界を作ったのも、私だ。そして作った以上管轄は私だ。そして私はこの停滞した世界に飽きた。だから滅ぼした」

「は?」


この幼女、「この世界飽きたんで消しました☆」と自白しやがった。


「それなら他の人は?何故僕だけここにいる?」

「まあまあ、質問は1つずつな?まず他の生物どもだが、あれらは魂ごと滅ぼしたから存在としてもいない。次に何故お前だけここにいるのかと言えば、それはお前の魂が汚れすぎていて私の力で消しきれなかったからだ」


はて、俺は純朴な青年の筈だが。

この神、やはり言うことがどこかおかしい気がする。

それはそうと、つまりは俺以外はもう存在してないって事か。


「なら何故俺を消さない?"消しきれなかった"ならもう一度すれば消えるだろう?」

「質問は1つずつって言っただろ...。まあいい、お前を消さないのは私に今その力が無いからだ。というのも、生物1つ消すのは造作もないが私は今世界を消し、新たに作ったばかり。お前みたいな汚れきった魂、平常運転でも7~9回消すのにかかるのに今じゃ消せるわけがない。」

「じゃあ俺をこれからどうする気だ?このまま放置か?」


気になるのは今後だった。この白い空間にいつまでも放置とか、ふざけるのも大概にしろと言いたい。


「いや、ここに入られてもここそもそも神域だし入られても困るんだよなぁ...。そうだ!ミルっちに連絡しといてやるよ!良かったなお前。私の親友の世界に転生できるとか幸運だぞー」


ミルっちと言われても知らんがどうやら転生するらしい。

ここで彷徨うよりもまだましだな。


「じゃ、そういう事で!私は世界管理の書類書いてくるからお前は...そこの転移陣に入ったらミルっちの神域だから。無礼働いたら叩き潰すぞ?」

「いちいち怖いな...まあ、一応転生先の用意、礼をいう。ありがとう」

「人間ごときから貰った礼...いや、ここまで心の汚れてる奴を人間とは言わないな。穢れの頂点くんから貰った礼は嬉しくないね」

「誰が穢れの頂点か...」

「まあ早く入れって。私も書類山積みなんだ」

「はいはい」


転移陣に足を踏み入れると、次に俺は真緑の世界にいた。


「どうも。私はミルファランスと言います。この度はウルガゴラスの我儘に付き合ってしまいご愁傷様です」


急に前に美人のお姉さんが現れ、自己紹介をした。

どうして神は急に出るのが好きなのだろう。


「ご丁寧にどうも。俺は荒川柚木(あらかわゆずき)と言います。あの神さまウルガゴラスって言うんですね」

「あら、自己紹介もまだだったのねあの子。すいませんね本当に」

「いえいえ、気にしてませんから」

「ありがとうこざいます。そうだ、転生でしたね。まずは貴方に私の世界の現状の書類を用意しましたのでそちらに目をお通し下さい」

「あ、ありがとうこざいます」


渡された書類をじっくり読み、内容を要約すると、

•魔法が存在する

•空気中に浮かぶ魔法の素を魔素と呼ぶ

•魔素を大量に獣が吸収すると、魔獣になる

•体内に魔素の発生する魔石を持っている個体を魔物という

•人間は魔法を使うとき、魔法陣をこの魔石の代わりにする

•魔法を使うと、体内の魔素=魔力と、外気の魔素が魔法により量は異なるものの、消費する

•魔力は自然回復する

•通貨は"F"統一である

•人とは違う外見の亜人、がいるが、人間より知覚能力が高いだけで変わりは無い

•日の流れは、一週間が5日でそれぞれ闇の日、光の日、炎の日、水の日、木(草)の日という

•体内に魔石を持った人間から発達していった種族を魔族という

•人や物質にこもった思念等から生まれた精霊がいるが、こちらもあまり人間や魔族と変わりは無い

•精霊は、精霊魔法というものが使え、これらは魔素や魔力を消費しない

•人間の国がエルガーデン、魔族の国がエボルディア、精霊の国がエントストル、亜人の国がエイガルトと言うが基本的に国王の種族がそれなだけであり、国民は多種のものが住んでいる


と言った主に世界事情、と言うよりは世界の自分達と異なる点、と言ったようだった。


「ありがとうこざいます。よく分かりました。それで、転生なんですが...」

「ああ、赤子から始めたくはないと言う事ですね。分かりました。20歳にしておきます。」


ありがとうこざいます。

マジここの神様神!

いや、たしかに神だな。


「あと、能力ってつけてもらえますかね...?」


実は異世界転生チートに憧れてるんです。

最強、の称号が欲しい!


「分かりました。1つ最強、と呼ばれるほどの魔法を差し上げます。必要資金は貴方のバッグの中に入れておきますので転生人生、お楽しみください」

「ありがとうこざいます。心から感謝申し上げます」

「それでは」


俺の視界は、真っ白に染め上げられた。

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