大切な人のために
「今までありがとね…大好き」
そう言って彼女は息を引き取った。そう僕の彼女が笑顔で最後の言葉を話す。
これはほんの5分前に起こった出来事である。
通り魔が僕の彼女をすれ違いざまにナイフで襲った。
しかし僕の足は動かなかった、
「うそ…だろ…」
通り魔は走って逃げる。
彼女が倒れ込んだ、その時僕は彼女のそばに駆け寄る、すると彼女は先ほどの最後の言葉を話す。
現在に戻る
僕の中にはとてつもない後悔が残った。なぜあそこで俺は助けなかったんだ、なぜ一歩がでなかったんだ。警察と救急車を呼んだがやはりもう手遅れらしい。そんな愕然とした時だった脳内に何か声がする。
いつもの僕なら、
「こいつ…直接脳内に」
とか厨二病ちっくなことを言えたかもしれない、だがこんな状況でそんなこと言えるはずもなかった。声はだんだん大きくなっていく幻聴だと思っていたがどうやら違うらしい、試しにお前は誰だと思っている。
すると
「やっと話してくれたね。私は神です。」
僕はそれを聞いて、ついに僕もおかしくなったのかと思ってしまった。するとまた声がする。
「ねぇ君、昨日の自分に戻ってみない?」
と聞かれる。話が急展開すぎて頭が追いつかない、しかし僕は反射的に話す。
「たのむ」
すると自称神の声の主がこう言った。
「OK、ゆっくり目を閉じで」
言われるがままに目を閉じる。目を閉じた中の世界は真っ白な世界が広がっていた。
「ここはどこだ…」
とっさに思う。当然だ目を閉じたら真っ白な世界が広がっているなんてこと初めてだからだ。そう思っていると、一人の少女が現れる歳は12歳ぐらいに見える、するとその少女は話す。
「まずは、はじめまして私が神です」
可愛らしい声が聞こえる。
「お前がさっきの」
そうつぶやくと、
「はい、私が話していた神です。あまり長話もなんなので、話を進めます。」
少女が話し始めようとするので止める。
「ちょと待って」
「はい?」
「まず、ここはどこ?」
「あなたの脳内です。もういいですか用件を伝えます、私はあなたを救いたいのです。あなたの彼女さんは残念ながら今日死んでしまいました。そしてあなたは後悔しています。そんなあなたたちを救いたい、そう思ったのです。」
彼女が話すのをやめる、と同時に
「助けるって言ったってもうレナは死んで」
レナというのは僕の彼女の名前だ、
「そこで私の神の一つの能力をあなたに与えます。
一日に一度昨日に戻られる能力です、これを使えば、彼女さんは死ぬことはないでしょう。」
「レナが助かるならなんでもいい、だからその力を僕にください」
そう言うと、
「あなたはやはり優しいですね。それでは今から能力の使い方を教えます。頭の中で昨日に戻ると念じるだけです。そうすれば昨日ちょうど24時間前に戻ることができます。しかしこれは一日一回まで、一度使うと、次に使えるのは24時間後になります。わかりましたか?」
簡単な説明だった、説明を聞き終えた僕は、
「ありがとう、さっそく戻るよ昨日に」
「それではもう今は昨日ですゆっくりと目を開けて」
そして、目を開ける。次の瞬間目を疑った、テレビでは昨日見たニュースが新聞も昨日のもの何もかもが昨日であった。僕は急いで彼女の家に向かう、自転車を猛スピードで走らせる。彼女の家のインターホンを押した、
ピーンポーン チャイムがなる。
「はーい」
そして扉が開くそこには元気なレナがいた」
嬉しかった、レナは驚いたように聞く、
「今日ってなんか約束してたっけ?」
「してなかったよ、ただ会いたかっただけ」
するとレナは照れる。すごく可愛いかった、レナは、
「とりあえず上がって」
そう言って、彼女の家に入る。その時、
「どうやらうまくいったようだね。」
聞き覚えのある声しかも直接脳内に、すると僕は、
「あの時の神様ですか?」
そう聞く、
「そうだよ、いやーよかったよ無事に戻れて」
僕はいろいろ聞こうとしだがレナが
「はやーく」
と言うので、
「また後で」
と自称神の少女に言いレナの部屋に足を進めるのであった。
呼んでくれてありがとうございます、これからもよろしくです。