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リューナの昔語りと暗躍な訳で その2

「レリア様、セシーリア様。お茶を用意致しました」

『白い子』に促されるまま、私はエルフのリューナとして産まれ12年の月日が流れた。

私の見た目や体はほぼ龍子のモノを使用しており、既に違和感等は無い。

ってか小さかった時の私ってこんなんだったのね・・・忘れてたわ。

あの後さくさくと事は運び・・・と言うか『白い子』から貰った『スキル』とやらがエライ威力を発揮し、今ではお姫様2人の専属メイド。

ほぼ同い年と言うのも有るが、やはり姫専属に選ばれた一番の要因は戦闘力だった。

現状でも並みの衛兵より強い。と言う事でこの地位である。

「ありがとうリューナ」

この御淑やかなエルフは「セシーリア・ジレアロ・オルフェイン」その透き通る様な白い肌と美貌から『白薔薇姫』と言われている。

「うむ!リューナの入れる茶はうまいからな」

方や天真爛漫な肌の黒いエルフ、「レリア・ガルアロ・アーバイム」その黒い肌と、セシーリアと同等の美貌で『黒薔薇姫』。

「どうぞ。冷めない内に」

この2人は仲が良く、何時も一緒だった。

私の方は、最初こそ警戒されていたが、直に打ち解け私達は姉妹の様に日々を過ごす。





その日々を過ごす間も、私は『別口の仕事』を欠かさない。

事細かく城内を歩き、構造を把握し、『例の物』が有る場所を推測し、特定させる作業だ。

箒とはたきを持って歩けば大抵不審に思われない。まぁ日々の仕事をキッチリやってるからね。

そんな日々を送る事更に10年、やっと・・その時が・・・来た。

私が王宮での仕事を終え、休暇を取っていた日の事。

その日は何故か、何時もは通る事を控える所謂『奴隷市』通りを私服で通っていた。

はっきり言って、私は奴隷制度と言うものが嫌いだ。まぁ、これは私の価値観であって、他に強要する事ではないのは判る。

だが・・・悲しいのは私が仕える2人の姫も、この奴隷制度を受け入れていると言う事だ。

その為に、私は2人に心を完全には開いていない。ソレを気付かれる様な真似はしないけどね。

そんな感じで、滅多に通らないこの場所を何故か歩く。

通りを散策していると、1つの店が酷く気に成った。名前すら出ていないその店が・・・

私は吸い込まれるようにその店へと入る。

「・・いらっしゃい。人手が欲しいのかい?」

声を掛けてきたのは相当年を食った男のエルフ。皺くちゃな顔の割りに、着ている服は上等な物だった。

「いえ、そう言う訳では・・・」

「そう言えば、お嬢さん。今日入ったばかりの奴隷が居るんじゃで」

話聞けよ!?と、言いそうになった。が、その爺様は此方なんてお構いなし!とばかりにグイグイ別の部屋へ突き進んで行った。ヤレヤレ・・・

「ほれ、コイツじゃ」

爺様が手招きをする。私は憮然ぶぜんとしながらもその部屋へ入り・・・ピタリと全身が硬直した・・・

その檻に入れられていたのは猫型獣人の子供。私の前世、日本人特有の黒髪を持ち、黒目の中に少し赤い色を宿した瞳は流石に猫目のソレだったが・・・

「・・・こう・・・た」

顔立ちは・・・完全に私の記憶の中に有った光太そのものだ・・・

私は光太に出会った瞬間、光太の全てを思い出す!

恥ずかしい話だが、私は今の今まで光太の存在を忘れていた・・と言うか、思い出せなかった。

原因は私に施された『封印』。あの『白い子』に光太と出会わない限り、『光太の記憶』を思い出せなくしてもらっていた。

・・・正直、これは保険みたいな物だ。思い出せれば確実に会えたと言う事だし、会えなければ・・・辛い思をする事も無く日々を過ごせる・・・

結果はオーライだったが・・我ながら酷い母親だ。

「・・・この子、幾らかしら?」

飛び上がって喜びそうに成るのを抑え、極めて冷静を装う。

購入なぞ奴隷制度を容認している様で嫌なのだが、此処で騒ぎを起こす訳にも行かないし、何より光太の為にならないだろう。

「ヒヒヒ、ジレアロ金貨30枚(約45万円)じゃ」

命の値段が45万だ。所が変われば・・・やはりいい気にはならないね。

「ではこれで」

私はボディーバックから代金を取り出すと、ソレを渡す。

「毎度。では直に『隷属魔術』を施しますかの」

檻の中の光太はキョトンとしながらも、私から目を離さない。

そうしている内に、光太の居た床に魔方陣が発し、そこから発生した光りが光太の首周りに収縮して行く。

光りが消えた後には首輪が発現していた。

「さぁ御手を・・」

言われるがままに、指先をを少し噛み千切り光太の首輪に添えた。

私の血がその首輪に吸い込まれると一瞬強く光り、その後は何事も無かったかの様な静寂が訪れる。

「これで契約成立ですな。ヒッヒヒヒヒ・・」

最早この店に何の興味も無くなった私は光太を連れ、足早にその店を去った。

そして・・・・・・

「へっへっへ!お姉さん?羽振りが相当良い様で何よりだなぁ?」

安定の治安悪化クオリティー・・。光太を連れて居るから逃げ切れなかったよ。

大人しくガラの悪い男共に囲まれ路地裏へ連れ込まれ・・・全員ボッコボコにしてやった上で身包み剥いで放置する。

「まったく・・・エルフは高貴?至高?何処が!?」

やはり此処は碌でもない、改めて思い知ったわ。





光太を自宅へ住ませた、光太の前世の記憶は・・・どうやら余り継いで居ないようだった。

「ぼく、おかあさん。むかしにほんにいた」

うん。それだけで十分だよ・・。これから、これから又紡いで行けば良いんだ。

言葉も少しずつ覚え、コミュニケーションが取れる様になって来て半年位経ったある日、光太がしきりに私の服を引っ張って来た。

「おかあさん、ぼく、いっしょ、いく」

「光太?何処へ行くの?」

「やくそく、ばしょ」

「約束の・・場所?」

光太に引かれるまま自宅の奥へ促され、ドアと窓を閉める。

「コレで良いの?」

「うん」

完全に周囲からこの部屋を遮断した事を確認し、光太の方を向き直した・・・瞬間!周囲が真っ白になる。

「ッ!?」

その後景色が戻り始めると・・・何故か私達は外、それも森の奥の集落っぽい場所に立っていた。

【何者だ!?】

声をした方を向くと犬型の獣人が数人、槍を構えていた。

【失礼。私はリューナと申します】

獣人語でそう返すと、周りの人々が驚いた顔をした後お互いを見合った。

【エルフが何故こんな場所に居るんだ?】

【私も良く判らないわ。ただ、この子が・・・魔術を使った・・のかしら?】

【この子?】

【ええ。この子よ】

【!?若様!!】

【若様!?】

衝撃の展開とはこの事か!?余りの事に私は目を剥く。まさかとは思うが・・・

【・・・この子は一体?】

【我々 守人もりびとの純粋な血縁だ】

守人もりびとですって!?】

過去の文献をひっくり返し、情報を得ていた時に、私は『守人もりびと』の存在を知った。

と言っても、あくまで此方エルフに都合良く改変されているであろう事は見て取れたが。

守人もりびとは太古、まだ国や領と言う物が存在しない時に居た一族らしく、その秘術は天を駆け、地を飛んだと言う。

【あぁ、そう言う事か】

それを思い出した時、私は納得した。光太が秘術を伝承しておりこの状況を作り出したのだと。・・・あの『白い子』めぇ、光太に色々仕込みやがったな。

【そう言う事じゃて、待ち人よ】

歳を食った声と共に、男達を掻き分け年老いた猫型獣人がゆっくり歩いて来た。

【まるで私を待っていた・・かの様な言い分ね】

【待っておったよ。ソレこそ太古からのぉ】

そう言ってお爺さんが目を細める。

【伝承でも有るのですか?】

【うむ、『守人よりもたらされし彼の地よりの使者、新たなる役目を得て、過去よりの禍、その仲間と共に討ち滅ぼさん』とな】

【それは・・・又】

【フォッホッホ。そう言うなで、事実お前様はこの子に連れて来られたではないか】

ハァ、と私は溜め息を1つ。まぁ良いか、報酬は前払いされたし、後は筋を通すのみ。

【・・で?私は何をすれば良い?】

【まずは若様の護衛じゃが・・これは頼まなくとも大丈夫そうじゃのぅ】

そう言って目を細める爺様。当り前だ。何たって光太は私の息子なのだから。

【次に、『死淵石しえんせき』を『約束の者』へ渡す事じゃ】

【『死淵石しえんせき』?】

【うむ、お前様の所では『ダーク・オリハルコン』・・と、言われているそうじゃの?】

あ~・・・アレかぁ。色々手は尽くしてるんだけど、未だにその気配すら捉えられないんだよなぁ。どうしたもんだか。

【それは良いんだけど、私、未だにその存在を確認出来てないのよ】

【ふむ・・方法は・・・有るには有るのだがの・・】

爺様は何とも歯切れの悪い返しをした。

【方法が有るのなら・・・】

【まぁ待つのじゃ。最後にもう1つ】

【え?】

【・・・何故驚かれる?】

『白い子』んな事言ってなかったぞ!?私にさせる事盛ってない!?くっそ!もう少し引っ叩いとくんだった!!

【これは・・・お前様に頼むべき事なのでは無いのじゃが、何分、我々だけでは荷が重過ぎてのぉ・・】

心底済まなそうに頭を垂れる爺様。なんだか嫌な予感しかしない。

【一体・・・何なんですか?】

【・・・お前様は『世界樹ユグドラシル』を知っておるかの?】

【ユグ・・ドラ・・シル!?】

これも過去の文献をひっくり返した時に出て来た。何でも世界を構成した伝説の樹とか、エルフ族に全てをもたらす至高の存在とか。

都合の良い文句ばっかだったけど・・・『本当に存在するのかは眉唾だ』と、どの書物も結論付けていた筈なのだが。

【話だけなら・・】

【あれは・・・存在する】

【ッ!まさか!?】

【我々が立っとる『此処』がそれじゃて】

衝撃の言葉に私は慌てて地面を見る。そう言えば・・・土が・・無い!?何処を見ても地面が樹の幹っぽい。

【・・・・・・・何だか、お腹一杯なんだけど?】

【まだまだ有るんじゃがのぅ?ホッホッホ】

【うわぁ・・・】

もうゲンナリだ。私に何をさせる心算だ!?この爺様。

そう思って爺様の方を睨んだ。けれど・・・次に出て来たその言葉に、私は驚愕する事となる。



【・・・『世界樹ユグドラシル』を・・この世から消滅させてくだされ】



相変わらず主人公以外の話が想像以上に長くなるぅ もう暫くお待ちくだされ・・・('A`;) 

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