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シオン、覚醒する訳で

今更ながらの世界観説明入り ( ゜д゜ )

・・・と、意気込んだのは良いが、現状私何にも判らないんだよねぇ。

なので暫くはリューナさんに色々教えてもらう事になったんよ。

そんでまず驚いたのが、この世界、地球と似通った所が結構有るのね。

「私も最初、戸惑わない事に戸惑ったねぇ」とはリューナさん談。

流石に年号とかは違うけど、1日は24時間だし、1年は365日だってさ。

ただうるう年は無いらしい。時間の狂いが無いのは凄いね。

まぁ月が2つくっ付いて見えてたりする辺り、流石異世界かな。

植物とかも似通ってる・・・と言うか、名前まで同じ物が有るののは驚いた。

基本食べられる植物は共通してた。後は・・・豚とか牛とか・・畜産系も基本居た。

それ以上にモンスターなんてのがうじゃっと居ると教えて貰った。

で、基本的な疑問。

「私、何でこの世界の言葉判んの?」

「考えるな!感じろ!の精神で」

「えぇ!?」

「・・・冗談・・でも無いのよねぇ。現に貴方の前に来た方々も行き成り話せたから」

「う~ん・・・要検証?」

「そうね。でもそれには別の国に行かなきゃいけないけどね」

「・・別の国・・・っていま戦争中なんだよね?」

「残念ながらね。だから貴方達が拉致されたのよ・・・本当に胸糞悪い」

露骨に嫌な顔をするリューナさん。

「イヤイヤ!色々立場!立場的にマズイ発言!」

「良いのよ。此処には私達以外居ないし。『魔法感知』も『聞き耳』使ってる奴も居ないわ」

「・・・良いの・・・かなぁ?てか『スキル』と【潜在能力】でしたっけ?」

「ええ。【潜在能力】が多ければそれだけ有利ね。そして異世界・・・貴方達召喚者は総じてソレが高いみたいなのよ」

「へ~・・・ってかそれ何で判ったの?」

「え?」

「だって、『召喚者は【潜在能力】が高い』って知るには今回以外でもやった事有るって事でしょ?」

「・・・・それは考えなかったわね。確かにそうよ!・・・調べてみる価値は有りそう」

顎に手を当てながらリューナさんが呟いている。それを見ながら私は、自分の『ステータス』と言うのを見てみる。


=========


響 シオン


===============

【潜在能力】1/2

神の 印・効果 神の 印を持つ者

===============



===============

【潜在能力】2/2

音響視覚化・効果 音や声を視覚として捉えられる

===============



=========



こんだけ。なので私は早々に『役立たず』の不名誉?な称号をお偉いさんから得ました。・・・解せぬ。

だからさ、私の事を元の世界に送り返そうって声も上がったには上がったのね、けどそれには準備が必要な訳。

「半年は必要だ。その間食わせてやるから我慢しろ」

だと。最初の媚びへつらいは何処へやら、私に向けられるエルフ達の感情は高圧的で見下し感満載だった。やってらんね~し。

ただ監視としてリューナさんが選ばれたのは吉報だった。やっぱ同郷の人が居るのは心強いよね。

あぁ、そうそう、この世界ってさ、人族だろうが獣人だろうが魔族だろうが、『二足歩行』で『意思の疎通』が出来る者の事は総じて『人』って呼ぶみたい。

面倒じゃ無くて良い・・・かな?




そんな感じでリューナさんの家にお世話になって、1ヶ月過ぎようって時に事態が動いた。

何でも『異世界から来た勇者』が『ミグェラル海域』で『魔族』を倒して勝利したとか。

「へ~そんな事になってんだ」

「・・うん。だからお母さんもいそがしい」

私と会話しているのはリューナさんの息子である「コータ」君。猫の様な、耳と尻尾が生えた所謂『猫型獣人』なんだって。男の子だよ?男の娘ジャナイヨ?

年齢は良く判らないらしく、リューナさんが奴隷市で買ったらしい。

(奴隷・・・かぁ)

ふと窓に近付き外を見る。リューナさんの住んで居る場所は王都って所で、町並みは中世と森が混ざった様相をしていた。

聞けばこの亜人領、つい最近・・・と言っても2~30年前に『獣人』と『亜人』で戦争が有ったらしい。

結果は見ての通り、獣人側が負け奴隷に身を落としたって聞いた。

コータ君の首には隷属の証である首輪。なんつーか・・・重いね。私がとやかく言えるモノじゃ無いけどさ・・・

「・・・そっか。因みにその『勇者』の名前って分かる?」

戸野江このえ 仁美ひとみ様だって」

「・・・・ふ~ん」

まぁ・・・予想はしてたけど・・・やっぱそうだったんだ。あいつ等が『勇者』とか・・・

「お姉ちゃん?どうしたの?」

「ん?・・・何でも無いよ」

どうやら変に思い詰めた顔をしていたらしく、コータ君が心配そうに覗いて来た。

そんな事をしていると、不意に入り口のドアが「ガチャリ」と開いた。

「おう、元気か?」

つよし兄ちゃんお帰り」

入って来た大森おおもり つよしに笑顔で近付くコータ君。

「・・・豪かぁ」

「何だよ!?その残念そうな声!?」

豪は、『あの3人』より1ヶ月遅くこの世界に来てリューナさんに保護されている。

そもそも、何で生徒会をおとしめる裏工作をしていた豪が、あいつ等と一緒に居たのか疑問だったが、

「俺は生徒会辞める心算だったんだよ。けどなぁ、流石に行き成りバッサリ行ったら混乱すんだろ?引継ぎやら最低限の仕事やってたら・・・コレだ」

との事。

「巻き込まれるとかツイてねぇ~~『破壊するクラッシャー』豪君ツイてねぇ~~~」

「ヤメロォーー!!その中二病な言い方辞めろぉーーー!!!」

そう叫びながら床へ突っ伏す豪。

因みに豪の【潜在能力】は5つだったらしい。しかも『破壊するクラッシャー』なんて称号のオマケ付きだ。プププッ。

「・・・畜生。お前の【潜在能力】の少なさが羨ましいぜ」

「そうとも限らないけどね・・」

「・・・・わりぃ」

「良いって」

私が返還させられると言う事は、礼菜を探せないって事だ。しかも宮廷の中には「そんな事に魔力を使わ無くともやり様は・・・」なんて奴等まで居る。

それって暗に私を・・・・ね?

今はリューナさんに保護されてるから、直接は来ないけど・・・はぁ。

「ただいま」

「おかえりなさいお母さん」

「あら?どうしたの?そんな顔をして」

「ん、何でも無いッス!お帰りなさいリューナさん」

私は凹んだ気分を無理矢理アゲて、リューナさんを迎えた。




そして・・・・4ヶ月が経とうって頃、とうとうその時が来る。

その日は何時もの様な朝・・・じゃなかった。まだ日も昇らない真夜中に私達は起こされた。

「リューナさん?」

「静かに・・・急いで仕度を整えて」

リューナさんはいつも以上の真剣な眼差しで私達を見据える。私達は言われるまま、急いで仕度を済ます。

テーブルの上には簡易の食事と飲み物。それらを一気にかき込むと、リューナさんは口を開く。

「とうとう貴方シオンの処置が決まったわ」

揺らぐロウソクの炎の中で、それを聞いた私は察した。まぁこの時間に起こされてこの話では、碌な事じゃ無い。

「『秘密裏に処分』。全く反吐が出るわ・・・」

「んな馬鹿・・!」

叫びそうになる豪の口を私が強引に手で塞ぐ。

「リューナさんが・・・やるんですか?」

「・・・そうね。その為の監視役だもの」

「そうですか・・・」

「でもね、前にも言っていた通り、私『達』はもう1つの道を選択するのよ」

リューナさんの強い意志が伝わる。それを受け、私達も頷いた。

「じゃぁ先ず、シオン。これを」

リューナさんが私に何か・・・石の様な物を差し出した。私は反射的に『ソレ』を受け取る。『ソレ』はソフトボールを少し小さくした様な黒い石だった。

「これ・・・は?」

「『ソレ』は私が『白い子』から依頼された仕事よ。この国で『ダーク・オリハルコン』と言われている『ソレ』を『適合者』へ渡す事」

「私が『適合者』?」

「ええ。『白い子』に会えたのでしょ?」

「豪は?」

「俺は会ってねぇよ。召喚された瞬間に、この世界のあの部屋に居た」

「そっか・・・」

あの子は・・・何が狙いなんだろう。でも1つ判ってるのは、あの子が言う事に間違いは今の所無い事だ。

「後は・・・この国から逃げ出すだけね」

「いや、それが一番難しいと思うんだが?リューナさん」

豪の言う事はもっとも。こんな森ばっかの所からどうやって逃げる心算なんだろ?

「その為の準備はしてあるわ。ただ・・・」

「「ただ?」」

「相当危険な橋を渡る事になるわね」

「・・・今更っしょ?それになんもしなけりゃ結局私、殺されちゃうじゃん?」

「・・・だな。そう言う事です。リューナさん」

「豪は・・・付き合わなくても良いんだけど?」

「辞めろ。俺だって自分の意思奪われて動きたかねぇよ」

「決まりね。コータ」

「・・うん!お母さん。ぼくがんばる」

「・・・光太こうた!!」

リューナさんがコータ君をギュッと抱きしめる。

暫く・・・と言ってもほんの数秒だが、この血の繋がらない筈の2人の間に強い・・・本当に強い絆を感じた。

「シオン、豪。コータを連れて行って」

「え?俺達よりリューナさんが連れてた方が良いんじゃ?」

「私にはまだ・・・仕事が有るのよ。時間稼ぎと言うね。それに、この『計画』を成功させるには、どうしても君達とコータを一緒にしなきゃいけないの」

「つまり・・・コータ君を失えば・・・終わりですか」

「ええ。完全に終わり」

「・・・コリャ出来ねぇ・・・なんざ言えなく成っちまったなぁ」

「んだね。意地でもコータ君の事守らなきゃ!」

私と豪は互いの顔を見据え、覚悟を決めた。

「任せるわね・・・決して無理はしないで。時間さえ稼げば良いだけだから」

「分かりましたリューナさん」

「任せて」

「・・・それじゃ・・・お互いに無事で会いましょう」

リューナさんはそう言いながら裏口のドアを静かに開け、私達に出るよう促す。

「分かりました。リューナさんも気を付けて」

豪が出る。

「お母さん、まってる」

「絶対、守ります。だから・・・リューナさんも絶対無事で」

私とコータ君の手を繋ぎ、外へ出ると豪と共に森の中へ駆け出す。

「皆・・・無事でね」

そう呟いたリューナさんの言葉が、やけにはっきり聞こえた気がした。




「クソッ!もうバレてやがる!」

それからそう遅くない内に、私達への襲撃が始まった。

私とコータ君は戦えない為、豪1人に負担を掛けてしまう。

「気にすんじゃねぇよ!」

森の中では使い難そうな大剣を振り回すと、その剣圧?って奴が発生して、相手をなぎ払って行く。

「ぐぁ!」「ガハッ!」

やけに軽装なそいつらが吹き飛ぶ。何だか暗殺者って言うより、衛兵って感じだ。

「気を付けろ!奴等、森の中はホームだ!」

「判った!」

と、言ったモノの、私は逃げる事しか出来ないんだよ・・・悔しいなぁ。豪は戦えるのにさ・・

《・・・・・・い・・・》

「ん?」

なんか・・・声が聞こえた?

「どうしたシオン!?」

「いや?なんか声が聞こえた気が・・・」

ヒュン!

「あぶねぇ!」

私達を豪が引っ張ると、直前まで居た場所に矢が刺さった。

「ゆっくり考える暇すら無いの!?」

「当り前だ!さっさと逃げるぞ」

と、豪が言った瞬間!

『アース・エクスプロージョン!』

私達の足元が一気に爆発した。

「うおおおぉぉ!」「きゃあぁぁ!」「・・ッ!」

派手に吹き飛ばされる私達。そしてそのまま大地へ叩き付けられると、一瞬で組み伏せられた。

「無様ですねぇ」

「グッ・・・お前等・・・」

豪が声の方を向く。釣られて私もその方へ視線を向けると・・・居た。生徒会3人衆が。豪華な装備をし、不敵な笑みを浮かべながら・・・

「豪、何で裏切ったのさ?」

「裏切ってねぇ!」

豪は仁美に食って掛かるが、等の仁美は素知らぬ顔だ。

「・・・まさか、貴方も此方へ来ていたとはね。響 シオン」

「私は来たく無かったよ!夜美」

「そうでしょうねぇ・・・貴方、何の力も持たない『出来損ない』だもの」

そう言いながら見下す様に笑う。

「何でこんな事を!?」

「五月蝿いよ豪!」

ゴスッ!

「グッ」

仁美が豪へ容赦の無い一撃を加えた。

「何故?それは簡単だろ?シオン、お前が持っているであろう物を奪う為だ」

陰険眼・・・正義まさよしが嫌な笑みを溢す。

「アンタ等!判ってんの?アンタ等知らない内に隷属・・・」

「知っているわよ?」

「「・・・え?」」

私と豪が同時に夜美の方を向く。

「ですから、知っているわ。彼等が私達を隷属させようとしていた事は」

「だったら!」

「知った上で、私達は協力しているのですよ。無論、薬の事は先方へ伝え入れないようにしてもらっていますが」

「何故だ!?何で奴等へ協力する!?」

「それは簡単な事。この世界を手中に収めれば『お父様』に認めて貰えます」

「な・・・」

余りにもな答えを聞き、豪が絶句する。

「私は夜美に付いて行くって決めたからさ!」

ゴシャ!

「ガハッ!」

仁美はそう言いながら、豪へ更に追撃を加えた。

「僕はね・・・何時も思って居たのさ。碌な能力も無い、無駄に歳を食っただけの奴等に指図されるなんぞ我慢出来ないとね!!!」

「・・・歪んでるよ!アンタ等!!」

「五月蝿いわよ?シオン。それにねぇ・・・私達がここに居ると言う事は・・・貴方達の協力者は・・・どうなったのかしらねぇ?」

「クックックック」「あははははは」

「まさか!?リューナさんまで!?」

明らかに狼狽する豪を他所に、3人が笑う。コイツ等・・・

《・・・ニくイ・・・こワい・・・イタい・・・》

「あら?他人を心配していられるの?貴方?」

「そうそう!これからアンタ等は処刑されるってのに」

「無様だな、豪」

何で・・・コイツ等・・・そんなアッサリと・・・私は良い。けど、豪とは一緒にやって来た筈なのに!?

《・・・シにタクなイ・・・ナんで・・・ドうシテ・・・ナにモシテなイ・・・》

さっきから・・・声が聞こえる・・・重い・・・暗い・・・憎い・・・

「夜美様、この卑しい奴隷はどうされます?」

コータ君を組み伏せた衛兵が言うと、夜美は何かを思い付いたかの様に嫌な笑みを浮かべ・・・

「そうねぇ・・・思いっきりボロボロにして、あのメイドに見せてあげましょうか?」

「あはは、それは良いかも」

「ククク・・・あのいけ好かない顔が歪むのは見ものだな」

・・・コイツ等おかしい・・・おかしい・・・おかシイ!オカシイオカシイオカシイオカシイオカシイ!

《イヤだ!ナぜコんナメにアっタ!おかシイ!オカシイオカシイオカシイオカシイオカシイ!》

何時の間にか私とその声が同調し始めている事に私は気が付かない。

「了解です!」

ドゴッ!

「・・・ッ!」

コータ君に思いっきり蹴りが入れられた瞬間!私の中で「ブチリ!」と何かが切れる。

ソレと同時に、仕舞っていた『ダーク・オリハルコン』から何かが私の中へ・・・来た!



「・・・お!ま!え!らぁぁぁぁぁ!!!!!ふざけんじゃねぇええええええぞぉぉおぉおWOOOOOOOOOO!!!!!」



私の怒号が途中、一瞬にして地の底から響くような咆哮へと変化し、ビリビリ!と周囲の空気を振動させた。自分でも驚いたけど・・・今はそれ所じゃない!

「ヒッ!」「あ、ああぁ!」「ッツ!!」

それを聞いた衛兵や、夜美達が恐怖の表情で立ち尽くした。そしてその隙は・・・衛兵達の命を・・・終わらせた。

ドドォォオオォボァァァァァァァアアアァァァァァ!!!!!!

次の瞬間!私を中心に黒炎が大地から一気に吹き上がり、衛兵と共に私や豪やコータ君を呑み込む。

「ギャァァァァァ!!!!」「熱い!熱いィィィ!!!」「きえ!消えない!コレ消えナィィィィ!!」

私達を組み伏せていた衛兵共は、火達磨となり転げ回る。が、その黒炎は消える事無く燃え続けた。

その黒炎は不思議な事に、豪やコータ君、そして周囲の木々や植物には燃え移らない。

「くっ!撃て!」

その内、何とか気を取り直した正義が合図を送ると、その後方から無数の矢が飛ぶ。

けどその矢は私達へ到達する前に消し炭となる・・・処か、黒炎はまるでその弾道をトレースするかの如く、凄まじい速度で森の中へ飛んで行った。

その姿はまるで猟犬そのものだ。

「ヒッ!ガァァァァ!!!」「く、来るな来るぁアアァァァァァ!!」

後方から、次々と何かが大地へ落ちる音が響く。

「・・・ナニよ・・・何なのよコレ!!??」

堪らず仁美がこぼした。傍から見たその光景は・・正に『地獄絵図』だろう。

「正義!?アレ何なのよ!?アイツ【潜在能力】2つだけなんでしょ!?!?」

「クソッ!『ステータス・チェック!』」

仁美に促され、正義はシオンのステータスを見るための魔法を唱える。

・・・そして正義の目へ最初に飛び込んで来たのは、新たな2つの文字だった。



=========


響 シオン 《地獄門ヘルゲートの・守護者キーパー


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【潜在能力】1/5

神の『封』印・効果 【潜在能力】を隠匿する

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