事前の情報収集は必要な訳で その2
「まずは此方を」
そう言って神は手を何も無い空間に翳す。すると何も無い所に映像が映し出された。
「私の世界【ルナルース】の画像です」
其処に写っていた映像に目を向ける。
向かって右側に一番大きな大陸、海を挟んで向かって左側に別の大陸が在った。
その上に大小様々な島があり、さらにその上に2つの大陸より小さい大陸。あとはぽつぽつと大小の島が点在していた。
「この大きい大陸が人族の領地。ま~所謂、明人さんとほぼ同じ人間が住んでます」
「ほぼ?」
「魔法使えたりしますから」
うん、まぁほぼだわな。
「で、その隣の2番目に大きい大陸が魔族領。明人さんの認識で言えば悪魔とか獣よりの獣人達が住んでます。そしてその上の大陸と島群、
ここは亜人領です。エルフとか人よりの獣人が連合国って体で統治してますね」
「ふむ、戦争とかは?」
「・・・既に開戦済みだったり・・」
「3つ巴?」
「3つ巴」
中々エキセントリックな状況らしい。俺は出来るだけ情報を聞く事にする。
「戦況は?」
「若干魔族側が不利かな。ま~最初に両国に仕掛けてましたから」
状況としては『魔族開戦→両国にちょっかい→亜人&人間同盟→状況安定→亜人と人間決裂&開戦』って所らしい。
世界大戦のトリガーを引くとは・・・罪深いな魔族。
「今は戦況も落ち着き、小競り合い程度ですが・・・はぁ」
神が深い溜め息をする・・・どうやらここら辺に何か有る様だ。
「何か・・・有るんだろ?とんでもないモンが」
「えぇ・・・それこそ全てを吹っ飛ばす超弩級なのが」
そう言いながら神は左手を伸ばし、別の情報を空間に映し出す。そこには誰ともしれない男性の立ち姿が映し出されていた。
「これはこの世界に住む平均的な住人のステータスです」
映し出された情報を説明する神。生命力、体力etc・・・大体がRPGでよく見る名前で助かる。
「・・・しっかし・・・生き物が数値化されてるのを実際に目の当りにすると・・・何とも言えない気分になるなぁ」
「あくまで指針として、です。知力なんて数値じゃ語れませんし」
まぁそうだ。たとえ知力30でも数学に全振りしてりゃ数学だけは中々のモンだろうし、50有ったて知らないものは知らんだろう。
「で、ですね・・・この【潜在能力】なんですが・・・」
神によるとこの【潜在能力】ってのが、この世界で生きる上で結構重要なファクターを占めるらしい。
最低2個、最大5個持て、受精した時に修得数が決まるらしい。
2個だと一般人~優秀、3個で優秀~エリート辺り、4~5個だとエリート~勇者or魔王レベルとの事。
当り能力もあればハズレ能力も在るらしいが、それは貰った本人が決める事だろう。
「それを踏まえまして・・・此方を見てもらえますか?」
右手を振り新たな情報を浮かび上がらせる。そこに写ったのは、ネットやTVなどで見た事がある母体の中に居る赤ん坊だった。
「まだ産まれてないみたいだが?」
「えぇ、もう数秒後に魂が宿る命です」
「数秒!?間に合わないんじゃねーのか?」
「此処とは時間の概念が違いますから大丈夫です。と、言っても猶予はあまり・・・」
聞けば、時間を完全に停止させると色々悪影響が出るらしい。
「水と同じですよ。流れが止まれば澱み、濁ります」
って事だ。うん、何と無く納得しよう。神々の理はそう言うもんなんだろう。
「で、【潜在能力】のチェックだったな・・・ふむ・・・7か・・・・・・・・ななぁ!!!???」
テンプレの如く、しっかり2度見をかます俺。先程の説明だと5つが最大で、それだけでも勇者か魔王クラスになれるってのに、
よりにもよって7である。これが一体何を意味するのか全く判らない。
「神の・・・ミス?」
「ま~そう思われますよね~・・・でも違います」
「けど産まれる寸前なんだろ?」
「えぇ・・・その点では私のミスです。命を宿す寸前まで『気が付けませんでした』から」
「神なのに・・・か?」
「えぇ、神なのに、です」
神の表情が険しくなる。「気が付けなかった」これが意味する事はつまり・・・
「しかも【潜在能力】の中身までもが作為的に選定されてる節まで有ります」
「マジか・・・何だか見るの怖くなって来たわ」
そう言いつつ俺は【潜在能力】の欄をスライドさせた。
微妙に修正




