表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/48

アスティー、ミーティング前の一時な訳で

「・・・37、37・・・ここだ」

飾り気も何も無い長い廊下を歩き、自分に割り当てられた部屋の前に着く。

ドアもシンプル、「37」と彫られたプレートが打ち付けられているだけである。

ガチャリと開けると以外にも小ざっぱりしており、急造された物とは思えない。

カビ臭さが無いのは掃除したてだからだろう。簡素な机と椅子、ベット、クローゼット。

部屋の真ん中に目をやると『アリアスティリア・ホワイトオウル宛て』とタグが付けられた荷物が置かれていた。

「さて、やりますか」

誰にとも無く呟くと、荷物の中身を確認しつつ各場所に設置して行く。

教本、着替え、少しばかりの小物・・・そして家族の写真。

15歳の女子の部屋と言うには寂しい感じではあるが、本人は気にしていない。自身で選んだ道なのだ。

そんなこんなしていると、「コンコン!」と、ドアがノックされた。

「はい」

「ミーティングだ」

「分かりました」

ドアを開けると青年が立っていた、身長は175cm位だろうか?少しの無精ひげが目立つ。

青年の後に続いて歩くと、その青年が声を掛けて来た。

「・・・さっきの見てたよ」

「さっきのですか?」

「あぁ、・・・まったく君はどんな心臓してるんだよ」

「至って普通ですけど?」

「何処がさ。俺の時なんざ・・・・ハァ・・・」

何かを思い出し青年はガクリと肩を落とす。

(・・・何が有ったかは聞かないで置こう)

などと考えて居る間にミーテングをする為の広間に着いた。

広さは小・中学校の1クラス分位。移動させる事が出来る黒板が前に有り、何だか懐かしさを感じさせる。

部屋にはまだ全員が集まっていない様で、椅子に空きが目立つ。

「好きな所に座って良いよ」

先程の青年がそう言いながら適当な椅子に座る。それを見てアスティーも適当な椅子に腰掛けた。

「ちょっと聞いて良いかな?」

「良いですよ」

「君は・・・」

「アリアスティリア。アスティーで良いですよ?」

それを聞いた青年が、気恥ずかしそうに頭をボリボリと掻く。

「じゃぁアスティー。・・・ってスマン。こっちの名乗りがまだだな。俺はミルド。宜しく」

「宜しくお願いします。ミルドさん」

「・・・「さん」か。何だか気恥ずかしいな」

「ですか?」

「あぁ。今までこの隊の中では俺が最年少だったからね。因みに君は幾つなんだい?」

と、言ってから、

(あ、女の子に歳聞くのはマズかったか!?)

と思ったのだが、アスティーの方は気にも留めず、

「15歳です」

即答した。

「そうか・・・15さ・・・15!?」

ガタッ!!!

ミルドが余りの衝撃に派手な音を立てながら立ち上がり、その音で周囲に居た隊員達が一斉に注目する。

「・・・本当かい!?」

立ったまま聞き返す。

「嘘を言っても仕方が無いじゃないですか」

と言ってニコリと笑う。その笑顔は確かに歳相応の、まだあどけなさが残る物だった。

「そんなに驚く所なんですか?私の歳の事」

「・・・そりゃそうだろ、成人したてが来る様な場所じゃない!」

その言葉に隊員達が一斉に反応し、ざわつく。

「は?成人したて?」「マジかよ・・・」「嘘・・・っては言い切れねぇな」

「あ~やっぱりそうなんですね」

ウンウンと頷きながらアスティー。

「君は一体・・・何を如何すればこんな所に来るハメになるんだ・・・?」

何とか気持ちを落ち着かせて座り直すミルド。

周りに居た隊員達も先程の話を聞き、興味を持った様で聞き耳を立てている。

「そうですねぇ、権力に胡坐あぐらいて鍛えもしない癖に騎士を名乗る、ボンボンぼっちゃまを引っ叩いたからですかね」

場が一瞬で静まる。聞き慣れて居る筈の単語が何故か聞き慣れない言葉に思えた。

「・・・マジ?」

顔を引き攣らせつつミルドが聞き返す。

「本当ですよ?」

「・・・フルネーム、良いかな?」

恐る恐る、ミルドが問う。

「アリアスティリア・ホワイトオウル。【ホワイトオウル領】【ホワイトオウル家】次女です」

何の躊躇ちゅうちょも無くそう話す女の子の言葉で周囲は凍り付いた。

「何とまぁ・・・本当に良い所の出身だったのか」

ミルドが驚きで崩れた前髪を掻き揚げつつ溜め息を吐く。

「一概に良い所とは言い切れませんよ。現に私、此処に居ますし」

自虐とも取れるソレを聞き、周りが吹き出す。

「・・・プッ・・・成る程な。如何やら俺が思ってる程、貴族って奴は取っ付き難いのばっかりじゃないようだね」

「私が異端なだけだと思いますけどね」

すると、周りに居た隊員が一斉にアスティーに集まり初めた。

「ハッハッハ!話は聞いたぞ!中々骨有りそうじゃね~か!」

「一瞬何言ってんだコイツ。って成ったが、爽快な話の様だな!詳しく聞かせろよ」

「中庭のアレ、如何やったんだ?教えてくんね?」

「アハハ・・」

少し困った顔でミルドの方を向くアスティーに、ミルドは肩を竦めて見せる。

何時の間にかアスティーへの偏見はほぼ無くなっていた。


少し修正

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ