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花の歌、剣の帰還  作者: 天谷あきの
第七章 シルヴィア=ラインスターク

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間話5-1 エルギン=スメルダ・アナカルシス(1)

 姫が出かけて、五日が過ぎた。


 エルギン王子を訊ねて銀狼が来た――そんな噂話は流れてくるものの、ビアンカの周囲は平穏そのものだった。何しろニーナの家から外に出てもいない。姫と入れ替わるようにしてエスメラルダにやってきたオーレリア=カレン=マクニスという顔見知りの流れ者が、ニーナの家から出ることを許してくれないからだ。


 ニーナは寝たきりだ。孵化は上手くいったので、近々目を覚ますという。早く覚ましてくれないかと、じりじりするような気持ちだった。マーシャの美味しいご飯があるから我慢できているが、【アスタ】の人々の様子を見に行くことも出来ず、外の新鮮な空気さえろくに吸えないという状況では、気も滅入ってくるというものだ。


 そこでビアンカは、今日はオーレリアに話しかけてみることにした。


 彼女は――本当は彼、なのだが、どう見ても彼女だ――趣味の男あさりをすることもなく、珍しく神妙に大人しくしている。爪の手入れと肌の手入れと髪の手入れに精を出し、よくもまあそんなに鏡ばかり見ていられるものだと感心してしまう。


 ビアンカは椅子の背もたれを抱えるような姿勢で座っていた。背もたれに腕を乗せ、その上に顎を預けて、つくづくとオーレリアの横顔を見た。そして感嘆した。なんて綺麗な人なんだろう。男のくせに髭の剃り跡など見あたらない、というか、髭など生えないのではないだろうか。これくらい綺麗な顔だったなら、そりゃあ、日がな一日鏡を見ても飽きないかもしれない。


 なぜだか見えたシルヴィアの美貌とは、また違った趣の美貌だった。シルヴィアは人間と言うよりはなんだか天使のようだったが、オーレリアの美貌は非常に人間的だ。


 ――シルヴィア。


 もう本当に会えないのだろうか。胸の奥がぎゅっと締め付けられるような気がしたが、ビアンカはすぐにその考えを振り払った。そうはっきり決まってしまうまで、哀しむのは先延ばしだ。


「……何よ?」


 ビアンカのしつこい視線に負けて、オーレリアがようやくこちらを見た。ビアンカは内心だけでにんまりした。ビアンカのこの視線に勝てた人間は今までひとりもいない。さい先が良かった。オーレリアも人間だ。


「ううん。そういう風にお手入れするものなんだなあって感心していたの」


 オーレリアはこちらを向き直った。


「へえ、あたしと無駄口聞く気があるんだ。あんたあたしのこと大嫌いなんじゃなかったの?」

「【アスタ】にいた頃はね。【アスタ】の和を乱す存在は誰であろうと敵よ。そもそもあなたおかしかったわよ。あたし十四歳だったのよ。純情可憐なお年頃よ。その目の前でよくもまあ……でもここは【アスタ】じゃないし、あなたはなんだか大人しくする気があるみたいだし、姫が帰るまで一緒にいなきゃいけないんだから、その間くらい仲良くしたいなと」

「期間限定? 合理的だわね」


 オーレリアはニヤリと笑った。


「あたし女は大嫌いなんだけど、自分を磨く気がある女はまだマシだわ。少なくともあのくそガキよりはよっぽどいいわね」


 くそガキ、というのは、姫のことだ。


 姫はオーレリアにニーナとビアンカの護衛を頼む際、かなり強引なやり方で承諾を強いたらしいのだ。オーレリアは言いくるめられてしまったことを非常に悔しく思っているらしい。姫には早く帰ってきて欲しいが、帰ってきたら来たでオーレリアがどんな仕返しをするのかと、想像するのが少し怖いような、面白いような。なんだかんだでオーレリアは姫のことを気に入っているらしいのだ。仕返しするにしてもあまり取り返しのつかないようなことはしないだろう。そう願いたいだけかもしれないが。


 オーレリアはビアンカをつくづくと見た。


「あんたいくつだっけ」

「十六」


 オーレリアは一瞬だけすさまじい威嚇の表情をした。

 そして普通の顔に戻って言った。


「あたしの半分も生きてないじゃないの。純情可憐なお年頃だったとは良くぞ言ったわ、まだまだお子ちゃまなくせに」

「……半分もって、嘘お! オーレリアっていくつ!?」

「三十五になったわ」

「嘘お!?」


 ビアンカは立ち上がった。信じられない。どう見ても二十代の前半にしか見えない。


「本当なのよそれが。すごいでしょう、ふふん。あと十年くらいしたら若さを保つ秘訣を聞きに来るといいわよ。さて……あんた結構癖っ毛なのねえ。それ、気に入ってる?」

「ううん、全然。ぴんぴん跳ねて、厭になっちゃう。あなたくらい緩やかだといいのにな」

「何よ、あんた結構いい子ねえ。暇だしちょいと手を入れてあげるわ。どれどれ」


 オーレリアはビアンカを鏡の前に座らせて、何かとろりとした乳液をビアンカの髪に付け、櫛で丁寧にとかし始めた。指先は細く、繊細で、この手が剣をふるうところなんて想像も出来ない。そしていい気持ちだった。流れ者なんてやめて美容師でもやればいいのに。


 ややして、戸を叩く音がして、デクターが顔を出した。そして硬直した。信じられないものを見た、というようにふたりをまじまじと見て、


「……何、やってるのかな、ふたりとも」


 オーレリアはデクターを見て、一瞬だけ、飛びかかりたそうな顔をした。でもすぐにその表情を消したので、ビアンカは感心した。姫がどうやったのかはわからないが、よほどの手段で脅したらしい。


「見ればわかるでしょう。ビアンカが癖っ毛なのを気にしてるっていうから、ちょっと手を入れてあげてるだけよ」

「何か髪がつやつやになった気がしてきた」


 ビアンカが付け加えると、デクターはとりあえず、中に入ってきた。壁際の長椅子に座り込んで、呟いた。


「オーレリアが女性に何かしてあげる日が来るとはね……」

「失敬な言いぐさだわね」

「ビアンカ、その物体の性別はちゃんと知ってるよね」

「知ってるわよ? 大丈夫」

「物体って何よ物体って。本当に失礼しちゃうわ」


 ぶつくさ言いながらもオーレリアは、ビアンカの髪を梳く手を止めなかった。ぴんぴんはね回っていた黒髪が艶をおび、少し緩やかなうねりになったようだ。真ん中でくっきりついてしまっていた髪の分け目を丹念に梳いてふわりとさせ、後れ毛が顔の周りを彩るように調節してくれ、ビアンカは自分の顔が髪だけで彩られていくのを驚いて眺めていた。魔法みたいだ。


「はい、できあがり。あら、なかなかいいじゃない」

「うわあ……ありがとう、オーレリア。ね、似合う、デクター?」


 振り返るとデクターは真顔だった。

 真剣な顔して頷かれた。


「……すごく似合うな」

「本当? やった。ねえオーレリア、そばかすの消し方って……」

「大して目立ってないじゃない。それくらいあった方が愛嬌あっていいわよ。二十歳越える頃には綺麗に消えるわ」


「ええー……そっかなあ、これが消えればも少しどうにかなる気がするんだけどなあ……でも、うわあ、髪がしっとり。デリクにも見せたいな」


「悪いけど駄目。ニーナ姫が起きるまでこの建物の中から出ないで。夕方にはいつも様子見に来るじゃない、その時見せればいいでしょ」

「そうなんだけど……すごいなあ。どうやったのかもっとちゃんと見ておけば良かった」

「あー盛り上がってきた。ビアンカ、も少し座って。ちょっと結ってみたくなっちゃった。量が多いのね、結った方がきっといいわよ」

「わあ、お願いします」


 ビアンカはいそいそと椅子に戻って、オーレリアもいそいそとビアンカの髪に手をかけた。デクターが苦笑するのが聞こえた。


「……そっか、別に意外でも何でもないのか。自他問わず、飾り立てるのが好きなんだ」

「何よそれ」

「オリヴィア、最近綺麗になったって評判だよねえ」


 揶揄するような声音に、オーレリアの指先が一瞬だけ止まった。鏡の中の表情は変わっていないから、その変化はビアンカにしかわからなかっただろう。デクターは楽しそうに続けた。


「最初はまるっきり男そのものだったのに。あなたに会うたびに少しずつあか抜けて行くんだってね? あれだけ嫌われてるのに、いったいどうやってるのかな」

「オリヴィアって誰?」


 ビアンカが訊ねると、デクターは、ひひひ、と笑った。


「オーレリアの恋人」

「誰がよ」


 オーレリアは毒づいた。


「いい加減なこと言うんじゃないわよ。あたし女なんか大嫌いなんだって知ってるでしょ」

「へえー、オリヴィアって女性なんだあー」

「当然でしょ。あれを男だと言ったら、あたしも男ってことになるわ」

「ああ、そっか。本当にあなたは、面倒くさい人だね」

「喧嘩売ってんの?」


 オーレリアが睨む。デクターはにっこりと、頷いた。


「僕はあなたが大嫌いだからね」


 それは真実ではないと、ビアンカにはわかった。真実ではないが、何か相当のわだかまりがあるらしい。オーレリアは鏡越しにしばらくデクターを睨んだが、ふん、と鼻を鳴らして髪を結うのを再開した。

 ややして、呟いた。


「……まだ怒ってんの?」

「当然だろ。人間のする所行とは思えないね」

「薬盛って寝込み襲うくらい誰でもやるわよ」


「やらないだろ普通……てか僕が言ってるのはその後のことだ。今日で五日目、あなたの仕事も折り返し地点まで来たよね。姫は行き先を変えたらしい、けどまあ、よほどの出来事がない限り、戻る日は予定とそれほど変わらない。契約は姫が戻るまで、だから、姫が戻ってきたらまた始めるんだろうねえ? その前に追い出しておこうと思ってるだけ。姫も思いきったことするよね、国境を通して通行証まで渡すなんてさ。よりによってあなたを」


「あの子はもう立派な大人でしょ。なんであんたに口出されなきゃなんないのよ」

「僕はあいつに借りが出来たんだよ。それに今ここで口出してるのは、ビアンカに、籠絡されない方がいいよって伝えておこうと思っただけ」


 オーレリアははっきりと舌打ちした。


「……あんたって本当にえげつない男だわ」

「光栄だなあ、世界一えげつないあなたに言われるなんて」

「ねえ、いったい何の話?」


 口を出すとオーレリアは、ビアンカに視線を戻して、髪から手を放した。ぽん、と肩を叩かれた。


「ほら、出来たわ。あら、いいじゃない。可愛いわあ」


 確かに、鏡の中にいる自分は、先ほどまでよりもまだ整って見えた。髪の量が多いので、三つ編みにして頭の上に結い上げるだけでなんだか豪奢な印象だ。デクターに目をやると、デクターはにっこりした。


「よく似合うよ。オーレリア、流れ者なんかやめて美容師になれよ。それなら女性相手だし、世界も平和だ」

「そんなつまんない仕事願い下げだわ」

「で、さっきのは何の話?」


 繰り返して問うと、オーレリアがごまかす前にデクターが言った。


「ガスはオーレリアに近づかれると蕁麻疹が出るんだ」

「アルガスが? じんましん? ……何でまた」

「何でだと思う? リヴェルで姫の護衛をあなたに頼んだんだってね、オーレリア。あの後二日寝込んだらしいよ。宿に泊まる奴じゃないから露天で寝込んでたんだろうな、会って話しただけだってのに、全く気の毒でたまらないよ。でね、ビアンカ、オーレリアはそれを知ってからもう大喜びで今まで以上に追いかけ回すようになったんだ。結構最低だろ?」

「だって楽しいんだもん」


 否定しろよ。

 思わずつっこむところだった。


「それで宣戦布告をと思って。ビアンカも手伝ってくれるよね? ガスがここに戻ってきたら、同じ部屋に入っただけで即大地の割れ目に蹴落として水攻めにするから覚悟しろ」

「あんたって【四ツ葉】だったのよねえ……勝ち目なんかあるわけないわ……はいはい、わかりましたよ。せっかくエスメラルダに入れたんだし、大人しくしとくわ。実際ここに入れないのは今まで結構痛手だったのよね」

「じゃあなんで出入り禁止になるようなことするかな」

「自分のやりたいことをやりたいようにやりたいから戸籍焼いたのよ。後先なんか考えてる暇はないの」

「本当に面倒くさい人だな……」

「しっ。誰か来たわ」


 オーレリアが言って、三人は沈黙した。ビアンカの耳には、先ほどまでと変わらずのどかな昼下がりのように思える。けれど、しばらく耳を澄ませる内に、少しずつ、話し声が近づいてくるのに気づいた。


 ビアンカは息を詰め、腰を浮かせかけた。

 それが、エルギンの声だったので。


 どうやら怒っているらしい。まだだいぶ遠いが、


「――ついてこないでくれと言ってるだろう」


 低めた声が、かすかに耳に届いた。それに答えたのはきんきん声、あの、スヴェンの声だった。


「危険かもしれないでしょう」

「だから何が。何でニーナの家に行くのが――」

「流れ者がいるんです」

「いたらどうしていけない? スヴェン、お前は僕をなんだと思ってるんだ? 頼みに行くのに剣を連れて行くような人間だと? いいから帰っててくれ。マスタードラ、お前もだ」

「エルギン様……」


 かすかな騒動はそこで終わった。ビアンカは椅子に腰掛け、また立ち上がって、うろうろした。ニーナの部屋はまだ静まりかえっている。それなのにエルギンはここに来るらしい。いったい何の用があってここに来るのだろう。ニーナが起きたらエルギンにも知らされるはずなのに。応対する必要があるだろう。でもどんな顔をすればいいのだろう。いやマーシャが、まだニーナは眠っていると伝えてくれれば、と、しばらく右往左往していると、デクターが長椅子に座ったまま、戸口の方へ向きを変えたのに気づいた。オーレリアも戸口のすぐ脇に陣取った。


 そして家の扉が叩かれた。ややして、マーシャが応対に出て行く。


「まあ、エルギン様、おひとりで」

「――」


 エルギンがなんと言ったのかは聞こえなかった。


「ああ、いらっしゃいますよ。少々お待ちくださいまし」


 ビアンカは息を詰める。マーシャのゆっくりとした足音が近づいてくる。そして過たず、この部屋の扉が叩かれた。マーシャの優しい顔が覗いた。


「ビアンカ様。エルギン様が、是非お会いしたいと言っておられますが」


 ――何であたしに。


 一瞬だけ迷った。何で。どうして。アルガスもシルヴィアもいない、ニーナはまだ寝ている、それなのにどうしてあたしに、エルギンが会いたがるのだろう。頼みに行く、と言っていた気がする。いったい何を――


「わ、わかりました」


 追い返すわけにはいかない。だって曲がりなりにも王子様だ。ビアンカが頷くと、オーレリアが口を出した。


「済みませんけど、この部屋にお通ししていただけます? おひとりでいらしたようだし、椅子もありますから」

「……承りました」


 マーシャは頷いた。姫がつけた護衛、という立場は、流れ者とは言えかなりの発言権があるらしいのだ。オーレリアは、マーシャが出て行くと、ビアンカに言った。


「あんたはその長椅子に座りなさい。あたしはここにいるわ。デクター、あんたはどうする?」

「話によるな。出来ればいたいね」

「じゃあ長椅子の隣に立つといいわ」


 ビアンカが長椅子に座り、デクターがその隣に立つ頃、エルギンが入ってきた。エルギンはビアンカをまっすぐ見て、礼をした。


「ご機嫌はいかがですか」


 温泉で怖い目に遭ったことについては、先日正式な謝罪を受けていた。マスタードラとスヴェンに脅されたことについては、一言もなかった。それはまあ当然だろうと、思いながらも、ビアンカは口調が硬くなるのを抑えることは出来なかった。


「まあまあよ」

「髪、結ったんだ。よく似合うね」

「……ありがとう」


 エルギンはビアンカを、少し不思議そうに見た。ビアンカは呼吸を整えた。


「今日はどうしたの」

「折り入ってお願いが」

「お願い? あたしに?」


 あんなことをしておきながら? エルギンが全然悪いと思っていない風なので、ビアンカは腹が立ってきた。怒りが気後れと不安と恐怖を押しやって、エルギンをまっすぐに見た。


「何かしら。……あの、デクターとオーレリアにはここにいて欲しいんだけど、構わない?」

「構わないよ。姫が君とニーナに護衛をつけたんだろう? 護衛というのはそういう存在だからね」

「あなたは連れてこなかったのね」


 エルギンはわずかに眉をひそめた。どうしてビアンカが喧嘩腰なのか、全くわからない様子だ。


「そりゃそうだろう。必要ない。……座っても?」

「おっと」


 思わず口に出してしまった。


「ああ、ごめんなさい。あたしそういう作法なんて本当に知らないの。どうぞ座って、って、居候なのに王子に席を勧めるなんて、おかしな感じだわ……」


 マーシャが茶を運んできた。小さな卓を持ってきて、まずエルギンに、次にビアンカに湯気の立つ器を出して、更にデクターとオーレリアに視線を向けたが、ふたりとも断った。マーシャが出て行くと、ビアンカは言ってみた。


「ど、どうぞ召し上がれ」

「ありがとう。……マーシャの茶は本当に美味しいな」


 エルギンは躊躇わずに飲んだ。全く屈託がない様子だ。ビアンカも落ち着くためにお茶を飲んで、エルギンが切り出すのを待った。


 エルギンはすぐに器を置いて、ビアンカを見つめた。


「是非お願いしたいことがあります。ビアンカ=クロウディア姫」

「え――」

「カーディス=イェーラ・アナカルシスが兵を挙げるという情報がさっき入った。近々進軍を開始するようだ。目的地はここ、エスメラルダ」

「ど……どうし、て」


「先日、ガルシアの一族がここになだれ込みそうになっただろう。あれは王の差し金だった。だがガルシアは襲撃を取りやめた。その民と馬は今、エスメラルダの北に駐屯している。それを指して、僕とエスメラルダが遊牧民を雇い入れたということにしたらしい。こじつけだが、討伐の理由になる」


 ビアンカは絶句した。


「……そう、なの?」

「そう。だがカーディスは姫を通じて僕とエスメラルダに与すると伝えてきていた。この機会に僕たちと手を組む道を選ぶはずだ。近々神官兵を掌握すると言っていたしね。ただ、カーディスにとってこの事態は少々早すぎるんじゃないかと思う。そこでティファ・ルダの声が必要になる」


 ビアンカは頭を手で押さえた。自分は物わかりが悪い。エルギンは苛立つでもなく、懇切丁寧に説明した。


「マーセラ神殿はエスメラルダ、つまり、ルファルファ神殿に与するわけにはいかないんだよ。教義がそもそも、ルファルファ神を貶めることで成り立っているからね。だからマーセラ神殿には、いくら王を排斥したくても、こちらに味方するための大義名分がない。でもティファ・ルダが要請すれば話は違う。ティファ・ルダは学問の女神ティファを奉じていた。ティファとマーセラは姉妹だ。ティファの受けた非道を糺すという大義名分が生じ、カーディスが動きやすくなる。そこであなたに是非頼みたい。ティファ・ルダの声を発することができるのは、姫か、あなたしかいないんだ」


 ビアンカは必死で頭を整理してから、頷いた。


「姫は今出かけているから……」

「というか。そもそも僕は、ティファ・ルダを姫に背負わせる気はなかった。あなたが生きていると知るまで、ティファ・ルダを使わずに済ませられるようにしたいと思っていた。わかってくれるといいんだが。姫は【魔物の娘】という汚名を着せられている。黒髪の娘が狩られるのは彼女のせいだということにされている。エルヴェントラは姫に背負わせる気だが、僕は厭だ。あまりに酷だ。そうじゃないか」

「……そうね」

「あなたならもっと穏便だ。クロウディア侯爵の嫡子で、ティファ・ルダの血縁でもある。だから……頼む。力を貸してくれないか」


 ビアンカは、すぐには頷けなかった。姫もエルヴェントラも、ビアンカには何も頼まなかった。魔物に狙われていることも、その理由も、きちんと聞かされてはいたが、実際そんな大役が自分に回ってくるなんて、想像していなかった。クロウディアの名はビアンカにとってもはや遠いものだった。自分はビアンカ=クロウンで、【アスタ】のビアンカ。それ以外のものであるなんて、考えられなかった――


 と、オーレリアの声が聞こえた。


「護衛だから口出すわよ。それは魔物の脅威にビアンカをさらすということになるわね」

「そうだ」


 エルギンは頷いた。


「だからそこも相談したい。オーレリア=カレン=マクニス、申し訳ないが僕は流れ者の作法を知らない。彼女に新たに護衛をつけるのはあなたに失礼なことか?」

「そうね。かなりね」

「……そうか。では、あなたに契約のし直しを求めることは? 姫がいくら出したのか知らないが――魔物相手になることと、ここから出ること、周囲を神官兵と王子の兵が固めることを条件に付け加えて」

「まあ、それなら悪くないわね。――デクターの協力が不可欠だけど」

「デクター=カーンの?」

「あたしはニーナ姫の護衛でもあるのよ。ビアンカがニーナ姫から離れる必要があるなら、護衛がもうひとり必要になる。そのもうひとりは並大抵の人間じゃ駄目よ。デクター=カーン以外の人間は認めない」

「僕は構わないよ」


 デクターが口を出し、オーレリアは頷いた。


「それならまあいいわ。後はビアンカ次第だわね。ビアンカが承諾すれば、あたしも契約のし直しに応じてもいい。口出して申し訳なかったわね」


 オーレリアは沈黙し、エルギンはビアンカに視線を戻した。


「頼めないだろうか。出来うる限り危険がないようにする。ただ覚えておいて欲しいのは、あなたが起てば、あなたにはクロウディア侯爵がかつて治めていた広大な領土の継承権が生じる。財産を求めるならば喜ぶべきことだろうが、求めないなら、少々面倒なことになるかもしれない」

「面倒な、こと?」


「まず考えられるのは、国中から求婚者が押し寄せることだ。それから……現在、同盟の中で、王が代わった後の領土の取り分については既に話が付いてる。あなたの存在でそれを白紙に戻して、また一から話し合わせることになる。エルヴェントラとスヴェンはきりきり舞いだ、あなたにも幾分か余波が出るかも」


「領土なんかいらないわ。それは姫にも言ってあるの。求婚者も困る。余波も困る」

「……それは起つ前にきちんと文書なりを作っておけば、回避できる。完全にとはいかないが、出来る限り回避するよう努力する」

「それなら……でも」


 ビアンカはエルギンを見つめた。

 言わずにはいられなかった。


「それならどうしてスヴェンとマスタードラにあんなことをさせたの」


 自分にそんな価値があるのなら。姫にティファ・ルダを、【魔物の娘】という汚名を、背負わせずに済むなら、ビアンカは是非そうしたかった。自分が少しでも役に立てるのならやりたかった。でもそれなら、そんなことが出来るのなら、そんな価値が自分にあるのなら。どうしてあそこで、手出しを諦めてくれなかったのだろう。

 エルギンは虚をつかれた顔をした。


「……あんなこと?」

「アルガスがケガをしたときによ、アルガスとシルヴィアとあた――し……」


 ビアンカは口を噤んだ。しまった、と思った。

 エルギンの顔から一気に血の気が失せたのだ。


 表情は変わらなかった、でも、一瞬、彫像にでもなってしまったのかと思うほどの、劇的な変化だった。その目を怒りと絶望が過ぎったのをビアンカは見た。


 そうだ。姫があの時、言っていたじゃないか。エルギンが捜してたよ、と。

 ビアンカは思わず呻いた。

 ――知らなかったのだ。本当に。


「そうか」


 エルギンは静かに、静かに、言った。目を伏せて、喉から声を絞り出した。


「……それでか」

「あの……」

「邪魔をして、申し訳なかった」

「ま、待ってよ! 諦めるの!?」


「……いいや」エルギンは顔を上げて、苦笑した。「諦めるわけにはいかない。でも他の手を考える。確かにそれでは僕に協力なんかしたくないだろう」


「ち、違う、だって、知らなかったんでしょう!? それなら、」

「同じことだ。僕の身内が、僕のためを思ってしたことなんだから」

「全然違うわ! わかった、やるわ、さっきまでだってやる気だった、あたしに出来るならだけど、でもその、その、恨み言を言いたかっただけなの――」

「申し訳なかった」


 エルギンは深々と頭を下げた。


「――本当に」


 その顔があんまり哀しそうで。ビアンカは泣き出したくなった。なんてことを言ってしまったんだろう。言うべきじゃなかった。エルギンに知らせるべきでは、絶対になかったのだ。


「協力……するわ。あなたのためだけじゃないわ。姫のためだわ。友達だもん。あの人は既に【最後の娘】なんだもの、これ以上背負わせる必要なんかないわ。それに、今は出かけてるんだものね。今から大急ぎで帰れって言ったって、間に合わないかもしれないものね。そうしたら大変だもの、エスメラルダには恩を受けたし、出来ることならするわ」

「……」


 エルギンはしばらく、黙ってビアンカを見つめた。

 そして、微笑んだ。強い人だとビアンカは思った。エルギンは一言も言い訳をしなかった。知らなかったとも、スヴェンとマスタードラが勝手にやったことだとも、僕にはどうしようもなかったとも。言ってもいいはずのことを、一言も、言わなかった。


「ありがとう。本当に感謝します。……これから急いで準備をして、明後日には兵をエスメラルダの外に出す。あなたにも同行していただく必要がある。マクニス、ぜひ、護衛の契約について――」


 エルギンは言葉を切った。家の扉がごんごん叩かれて、マーシャが急いで応対に出たからだ。また誰か来たのだ。誰だろう、と思った矢先、


「ニーナはまだ起きないか!」


 エルヴェントラが怒鳴るのが聞こえた。エルギンは立ち上がり、失礼、と言って、ビアンカの部屋の扉を開けた。


「エルヴェントラ。どうした」

「王子、姫から手紙が届いた」


 エルヴェントラはマーシャを押しのけるようにして廊下を歩いてきた。ビアンカはエルギンの後に続いて部屋を出た。ニーナの部屋はまだ静まりかえっている。


「今日で五日だ。そろそろ起きてもいいだろう、デクター」

「そうだね……でも孵化は人それぞれなんだ、エルヴェントラ。ニーナは僕より魔力が強い。もう少しかかるのかも」


「ウルスラは?」


「ガルシアんとこ戻ってるよ。組み上げちゃえばやることないしね。でも彼女もいつ起きるかわからないって言ってたけど」

「そうか。早く起きてもらわねば困る」

「姫から手紙って?」


 エルギンが訊ね、エルヴェントラは更に顔をしかめた。


「どこから出したのかわからん。ラインディアに向かったとイーシャットが言っていたが、ラインディアにはエスメラルダの鳩は行ってないはずだし」

「出がけに僕が渡した鳩で出したんだろう」

「渡したのか? 鳩を? それなら……余計におかしい」


 エルヴェントラは手にした紙片を振り回した。


「王子に渡された鳩で手紙を出すのにどうしてニーナ宛の手紙しか入れないんだ。ここへ来る前にスヴェンに聞いてきた。王子宛に、姫からの手紙が届いていないかと。やはり届いていなかった。礼儀として王子に一言添えるだろう。いったい何を考えてる」

「ニーナ宛しかないのか?」


 エルギンがエルヴェントラの手の手紙を見た。目をすがめている。エルヴェントラは振り回すのをやめて、エルギンの前にその手紙を出した。ふたりの視線がその紙片に注がれた。


「……初めての事態だな。姫が旅先から手紙を出して、エルヴェントラに何も書かないのは」

「王子の鳩を使ったのに王子に何も書かないというのもおかしいだろう」

「それしか入ってなかったのか? ニーナ宛のものしか?」

「何度も捜した。これしかなかった。ニーナへ、と黒々書いてある」

「開けてみれば?」


 とデクターが口を出した。ふたりはデクターを睨んだ。


「姫がニーナに宛てた手紙を? ニーナが寝てる間に? 開けられると思うか?」

「開けられない……のか?」

「ニーナに殺される」エルギンはため息をついた。「それに信義にもとるな」


 ビアンカは密かに感心した。エルヴェントラなら気にせず開けそうな気がしていた。ニーナに孵化が来たときの悲痛な顔といい、エルヴェントラという人も、普段被っている冷たい鉄仮面と、本質は少し違いそうだ。


「ラインディアにエスメラルダ行きの鳩がないことは姫も知っていたはずだ。王子の鳩をわざわざ使って手紙を出した、よほどの事態があったんだろう。それでなぜニーナ宛の手紙しかない? マーシャ!」

「はい、エルヴェントラ」


 ひっそりと片隅に控えていたマーシャが答えた。


「あなたなら開けてもニーナは怒るまい」

「とんでもない。いかなる人間も許しませんよ、ニーナ様は」

「じゃあたたき起こしてくれ! 頼む!」

「やってみるよ」


 デクターがため息をついた。


「ただ、まだ刻が満ちてないならどんなことをしても起こすのは無理だからね。起こして起きるなら刻が満ちてるってことだ。非常事態なんだろうからニーナも許してくれるだろう。――でも、言っておくけど、ひどく酷なことなんだからね」





 それでも、ニーナが起きるのにかなりの時間がかかった。

 デクターが左手をニーナの上に翳して数分が過ぎ、ようやくニーナが身じろぎをした。長いまつげが震えて、ニーナは呻いた。


「……人でなし……」

「ごめん、ニーナ。本当に申し訳ないよ。でも非常事態なんだって」

「ああ、……くそっ、デクター? デクターなの? 信……っじられない、噛みつくわよ」

「後にしてくれ。姫から手紙が届いたんだって。それがあなた宛しかないんだって。起こさずに誰かに読まれた方が良かった?」


 ニーナはしばらく沈黙した。目が開かず、再び眠ってしまったのではないかと思う頃、若草色の紋章が刻まれた左腕が動いた。


「渡して頂戴。あなたに命じたのはエルヴェントラね。覚えてらっしゃい、ゲルト。絶対同じ目に遭わせてやる……」


 あまりに辛いのだろう。ニーナは呪いの言葉を呟きながらようやく目を開けた。エルヴェントラが左手に紙片を渡すと、ニーナはうるんだ瞳でエルヴェントラを睨んだ。


「どういう状況かわかってる? よほどの事情じゃなきゃ締め殺す」

「申し訳ない。姫が旅先から手紙を出した。王子の鳩を使ってだ。それなのに入っていたのはあなた宛の手紙だけだったんだ」


 ニーナは泣き出しそうな顔で手の中の紙片を見た。そして横たわったまま、紙片を開いた。読んで、読んで、読んで、そして――微笑んだ。


「ラインディアにもうすぐ着くって書いてある。……え、行き先ってラインディアだったの……? ええと、あと、あたしの容態を気にしてるって。ビアンカが無事かどうかも気にしてるわ……エルヴェントラの尋問がひどすぎないといいと祈ってるって。どういう意味かしら」

「他には」

「……それだけよ」

「それだけ!?」


 エルヴェントラが悲鳴のような声を上げ、ニーナは頷いた。


「それだけよ。あ、アルガスがだいぶ元気になったとも書いてあるわね。眼豆とチーズと松の実で血を作ってるらしいって……でもそれだけよ。エルヴェントラの尋問がひどすぎないといい、というのはどういうことかしら。ビアンカ、エルヴェントラに問いただされるようなことしたの?」

「してない」


 ニーナは手紙を折りたたんで、手の中に握りしめた。そして呻いた。


「もういいでしょう。寝かせてよ……死にそう……」

「待ってくれ。本当にそれだけなのか。それだけのために鳩を一羽使ったのか、あの子が」

「……確かに……変ね。うん、変だとは、思うわ。本当にこれしかなかったのなら」

「抜かれたんじゃないの」


 ずっと黙っていたオーレリアが言った。ニーナは目を開けて、オーレリアを見た。


「あら。……どちら様?」

「オーレリア=カレン=マクニス。あなたの【剣】に、あなたとビアンカの護衛を頼まれました」


 オーレリアが答え、ニーナは微笑んだ。


「まあ、あなたが。舞から聞いてるわ……とても有能で凄腕の流れ者なんですってね。まあ……本当に綺麗な人だわ……」

「抜かれた……」


 エルヴェントラはエルギンと顔を見合わせていた。そしてふたりはニーナに謝罪の言葉を投げて、あわただしく出て行った。ビアンカはオーレリアを見上げた。


「抜かれたって?」

「だから。おかしいでしょ、王子の鳩を使ってわざわざ手紙を出したのに、そんなことしか書いてないなんておかしいわ。鳩一羽がどれくらいの値段か知らないわけじゃないでしょうに……知らないのかしら、もしかして」


「舞は」ニーナが少し、はっきりした口調で言った。「こんな無駄なことはしないわ。確かにこれしか入ってなかったのなら、誰かに抜かれたんだと思う。エルヴェントラとエルギン宛の手紙にはかなり重要なことが書いてあったんでしょうね。……ふふ」


 ビアンカは首を傾げた。


「何がおかしいの?」

「だってこの手紙。あああ……舞ったらもう……嬉しすぎて死にそうだわ……」


 デクターが呟いた。


「抜くなんてそんなに簡単にできるのかな」

「簡単じゃないでしょ。でも不可能じゃないわ。これはもう本当にゆゆしき事態だわねえ、普通通信舎の警護体制は並じゃないはずなのに。でも不思議。重要な手紙だけ抜くなんてことするなら、そもそも鳩が届かなかったことにした方が不自然じゃないのに、どうして鳩の存在自体を抹消しなかったのかしら。出来なかったのかしら。そもそも抜かなきゃいけないような手紙が来るってどうして知ったのかしら。なんだかきな臭くなってきたわねえ……」


 オーレリアはそう言って、ニーナに向かって一礼した。


「お邪魔して申し訳ありません、【最初の娘】。おつらいでしょうに」

「ううん、いいのよ。もうちょっとだけ寝かせて頂戴。ああ、デクター、ありがとう。おかげで少し楽だわ……」


 デクターはずっと、ニーナの上に左手を翳していた。ビアンカには見えないが、何か手助けをしていたのだろう。ニーナは姫からの手紙を握りしめたまま再び眠ってしまって、デクターは手を離して、呟いた。


「胸が痛むよ。あの時に無理矢理起こされたらと思うとね……。オーレリア?」

「あ、うん」


 オーレリアはニーナから目をもぎ離すようにして踵を返した。部屋を出ると、壁にもたれて、長々とため息をついた。


「……うっわあ……もう……【最初の娘】に会っちゃったわあたし……」

「オーレリア、どうしたの?」


 続いて出たビアンカが訊ねると、オーレリアは額に手を当てて、苦笑した。


「まさかあんなにすごいなんて。あたしちゃんと話せてた? 目が合ったとき魂抜かれた気がしたわ……」

「何それ。恋?」

「バカじゃないの」


 オーレリアは一蹴して、ビアンカの部屋に戻った。


「そんなんじゃないの。エスティエルティナを見たときと同じよ。泣くかと思ったわ。ルファルファが目の前にいるんだもの。見捨てられたんじゃない。まだ彼女はここにいる。赦されているのよ、ああ、生きてて良かったわ」

「……何それ」

「オーレリア、あなたが流れ者になったのは、世界の成り立ちについて調べるためだって聞いたけど」


 デクターの言葉に、オーレリアは長椅子に身を投げ出して、ふん、と嗤った。


「世界の? ああ、この監獄のね」

「監獄」

「さっきも言ったでしょう、デクター。あたしは自分のやりたいことをやりたいようにやりたいから戸籍焼いたの。世界なんか知ったこっちゃないわね」

「貴族の嫡男が焼くなんてよほどのことだと思ってさ」

「え、貴族?」


 ビアンカが口を出すと、オーレリアは舌打ちをした。


「あんただって豪商の息子じゃないのよ、デクター。人のことばっかり言うんじゃないわよ。それに誰が嫡男ですって?」

「これは失敬。嫡女?」

「変な言い方。あんたがまだここにいるならビアンカもニーナ姫も安全だわね、あたし寝るわ」

「あなたはいつもそうだな。いろいろ意味深なこと呟くくせに、肝心なことは言わないんだ」


 オーレリアはデクターを長々と見て、再び、嗤った。


「それこそあんたに言われたくないわ、デクター=カーン」

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