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心器『ミストラル』

「心器『ミストラル』、召喚」


そうつぶやいた和人の両手に2丁の銃が現れた。


「装填」


ともう一度つぶやき、右手の銃の標準を炎弾に合わせ、トリガーを引いた。

銃から弾丸が撃ち出され、炎弾を相殺した。


「さて、さっさと終わらせるか!」


大声で言った和人はイフリートに2丁の銃の標準を合わせた


「バースト・ショット!」


二つの銃から打ち出された銃弾はイフリートの体を貫通し、虚空に消えた。

イフリートは制御できなくなったのか、自分の炎で身を焼いていた。

完全に燃えきったイフリートは炭と化し、その場に崩れ去った。


「ふ~、終わった」

「ちょっと!!」


人が一息ついていたのに何だ?と思っていると真奈は不思議そうな目でオレを見つめていた。


「今の何?心器ってどういうこと?」

「え~、まあオレのもうひとつの力だよ。

 オレ自身もあまり詳しくないから」

「そうなの・・・」

「あと、あまり期待するなよ?しばらく使えないから」

「どうして?」

「いや、実は・・・」


そう言ってみせたのは、ところどころヒビの入った銃だった。

一目でもう撃てないということがわかった。


「久しぶりに使ったからだと思う。

 治るのに半年はいると思う」

「そうなの・・・」


さてと、と言って和人はヒカリのもとに向かった。

丁度その時気絶していたヒカリも目覚めたようだった。


「ようヒカリ、大丈夫か?」

「和人?私は・・・」

「何、ちょっと気絶してただけだよ」

「?」

「まあ今日はもう帰ろう

 久しぶりに家まで送るし」

「ええ、そうさせてもらうわ」

「真奈はどうするんだ?」

「そうね、先に家へ帰るわ」

「そうか、じゃあまた明日」


そう言ってヒカリの家に向かおうとした時、真奈の口から衝撃的な事実が発せられた。


「何言ってるの?私の家はあなたの家よ」

「・・・は?」



先程の言葉が嘘であることを信じ、ヒカリを送り届け、和人は家に帰った。

そして扉を開け、放たれた第一声は


「おかえり、お兄ちゃん!」

「・・・」


バタン


そうだ、これは夢だ。悪夢だ。

さっき真奈が言ったのは嘘のはずだ。


「ねえ!なんでまたドアを閉めるのよ!!」


まず、母さんはどうした?

あの自由奔放な母さんだってあっさり受け入れたとは・・・


「真奈ちゃん、和人はまだ入ってこないの?」

「はい、なんか一度ドアを開けてまた閉めたんです」

「ほんと、しょうがない子ね」


母さん、陥落。

一体、うちに何が起きている?

オレはそれを確かめるために意を決して、もう一度扉を開けた。


「おかえり!」



「で、どういうことなんだよ母さん」

「どうって乙羽の知り合いだから泊めてるんだけど?」

「乙姉の?」


聞くと真奈は乙姉(和人の実の姉)の知り合いらしい。

そのへんは変に信憑性がある。


「家事もいろいろやってくれるし、ホント楽だわ」

「さいですか」


まあ、オレもオレに影響がないのなら追い出す理由もない。


「部屋は、乙羽の部屋でいいかしら?」

「はい、十分です」


言っていなかったが現在、乙姉は放浪の旅に出ている。

なので、部屋を使っても別に問題はないだろう。

あと、残る問題点は・・・


「真奈、お兄ちゃんって呼ぶのはやめてくれないか?」

「え、どうして?」

「単純に恥ずかしいんだよ」

「ふ~ん?じゃあなんて呼べばいいの?」

「普通に和人でいいよ」

「わかったわ、和人」


これで問題点は全て解決したはずだ。

これで心置きなく寝れる。


「和人、明日は火曜日よ」

「ああ、わかってるよ」

「火曜日?何かあるの?」


と、真奈は不思議そうに聞いてきた。

それに母さんは


「ごめんだけど真奈、このことはあまり知らないで頂戴」


と言った。

真奈はそれに了解し、一同は解散となった。


部屋に戻ったオレは久しぶりに乙姉にメールを送った。

内容は簡単な近況報告みたいなものだが、まあいいだろ。

乙姉だって我が家のことも気になっているだろうし。

送り終わってからふと時計を見ると午後10時だった。


「さて、そろそろ寝よう」


明日は早いしな、と思いながら和人は眠りに落ちた。

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