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和人の妹?

「う・・・」


気がつくと和人は屋内にいた。


「ここは・・・?」

「あ、目が覚めた?」


そういったのは看護婦さんだった。

そこでやっと自分がどうなったのかわかった。

オレは浩樹を助けに行って、犯罪者と戦って気を失ったんだ。

そういえば気絶する前に誰かが来たような・・・。


「あ、そういえばあなたに面会したい人が2人いるけど、どうする?」


と看護婦さんが聞いてきたので


「ぜひ会わしてください」


と答えた。

看護婦さんは「ちょっと待ってね」と言うと病室から出て行った。

一人になった病室で和人は浩樹の安否を気にしていた。

しかし、その心配はすぐに消えた。

なぜなら


「よっ和人、もう体は大丈夫か?」

「・・・」


その面会者の一人が浩樹だったからだ。


「どうしたんだ?そのありえないものをみるような目は。」

「いや、だって・・・」


お前誘拐されてたんだぞ?と言いかけたがその前に


「ありがとうな」


と言われてしまった。


「お前が来てくれたおかげでここに笑っていられる。

 本当にありがとう」

「礼なんていらないよ、みずくさいじゃないか」

「そうか?まあお前は死にかけだったんだから体を早く治せよ」

「死にかけ?」

「聞いてないのか?

 出血多量にろっ骨五本骨折、うち三本は内蔵に刺さってたんだとよ」

「まじか・・・」


自分が死の淵を彷徨っていたとは・・・。


「そういえばもう一人の面会者って誰なんだ?」

「ああ、あいつなら・・・」


と病室のドア(浩樹が入ってきたときは彼自身が閉めた)が開いた。


「和人!」


そう言ったのは、ヒカリだった。


「ヒカリ?お前も来てたのか」

「ええ、体は大丈夫なの?」

「まあ、そこそこ」


と、ふと気になったことを二人に聞いた。


「そう言えば、今何時だ?」


この質問に浩樹が答えてくれた。


「午後8時だよ、4月15日の」

「そっか・・・」


オレが浩樹を助けに行ったのが4月15日の午後1時ぐらいだったので、6時間程度気絶していたことになる。


「二人とも、帰らなくて大丈夫なのか?」

「それは大丈夫。親も許可してるし」

「そうか・・・」

「と言っても、明日も学校だしな・・・

 和人は明日から行けるんだよな?」

「多分な」

「じゃあ、オレたちは帰るわ。

 和人も休まないといけないしな」

「そうそう」

「そうだな、じゃあお言葉に甘えて」

「じゃあ、また明日」


そう言って二人は帰っていった。

そこに看護婦さんが戻ってきた。


「面会は終わりましたか?」

「はい。ありがとうございました」

「いえ、あとあなたのお母さんから、あんまり親に心配かけちゃダメよと伝言が」

「そうですか、ありがとうございます」

「じゃあ、もう消灯時間なので電気消しますね」

「わかりました」


そう言って看護婦さんは電気を消して部屋から出て行った。


「さて、オレも寝るか」


和人はそう言って目を閉じた。



夜中の2時、和人は目を覚ました。

理由はわからないが。

彼は時計を確認し、


「まだこんな時間か・・・」


とつぶやいた。


「と言ってももう眠気覚めたしな」


その時だった。

何かの足音が聞こえた。

和人は視心術を使って、ココロを視た。

だが、視えなかった。

というよりも、ココロが無いように視えた。

と、その足音は和人の部屋の前で止まり、ゆっくり扉を開けた。

入ってきたのは、暗闇でわからないが、どこか見たことのある顔だった。


「久しぶり、と言っておこうかしら」

「その声は、昼間にあったあの・・・」

「そう、あの時は名乗れなかったから今名乗るわ。

 私は、マナ」

「マナ?」

「そう、今日来たのは謝罪のためよ」

「謝罪?」

「そう。私はあなたを危ない目にあわせた。

 ごめんなさい」

「そんなことはいいよ。

 オレも浩樹もあなたに助けられたんだから」

「ホント?」

「ああ」

「ありがとう。

 でも、あなたは変わったるわね」

「そうか?」

「ええ。普通こんなことされたら怒るわよ」

「まあ、結果オーライだしいいじゃんか」


そこで彼女は初めて笑った。


「あはは、あなたは面白いわね」

「そうか?」

「ええ、ものすごく

 今日は遅くにごめんなさい。

 私のことは次会うときにでもゆっくり教えるわ」

「次?」

「ええ、そう遠くないはずよ」


マナはそう言って部屋を出て行った。



今の科学はすごい。

大抵の怪我は一日で治ってしまう。

だから、オレの怪我も一日で治り、翌朝には退院した。

その足で学校へ向かった。

その途中、浩樹とヒカリにあって3人で登校した。


「和人、怪我は大丈夫なの?」

「ああ、問題無いよ」


などなど、昨日のことなど話していたら学校に着いた。

3人ともクラスは一緒なので、一緒に教室に向かった。

教室にはいると、そこはいつもと同じ、楽しい雰囲気だった。


「さて、和人」


いきなり声をかけてきた浩樹にオレは、


「なんだ?」


と答えた。


「前の続きをやろうぜ」

「ああ、あのゲームか。いいぜ」

「またゲーム?飽きないわね。でも残念、もう時間よ」


とちょうどチャイムが鳴った。


「ちぇっ、また後でやろうぜ」

「ああ」


と、そこに高田先生が入ってきた。


「みんないるか?今日は転校生の紹介からだ」

「転校生?こんな時期に珍しいな」

「誰だろな」


そんな会話があって、その転校生が入ってきた。


「な・・・」


それがオレと浩樹の転校生に対する第一声だった。

だって、転校生は・・・


真田真奈(さなだまな)です。よろしくお願いします」


そう、あのマナだったのだ。

さらに、彼女は爆弾発言をした。

彼女はオレを指さし、こう言った。


「ちなみに、そこにいる真田和人の妹です」


・・・これにてオレの平穏な学校生活は終わった。

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