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【詩集】Shangri-La

夕暮れ

作者: 野鶴善明


 春の夕暮れは

 あたたかかくって

 せつなくて

 重いコートもいらないというのに

 どこへも行けない僕は

 ただ、夕暮れを眺めるしかないのです


 少女の打ち上げたバトミントンが

 苺色した空にゆっくり舞って

 たおやかに

 やるせなく

 二階建てバスとすれ違いながら

 暗い地面へ落ちていきます


 あたたかい風は

 ふたりの恋心をどこへ運ぶのでしょうか

 いいえ

 行き先などないのです

 僕を信じてる人になにもしてあげられなくて

 なにもしてあげられないからこそ

 去らねばならないのですが


 これを裏切りというのだと

 バトミントンの羽はゆっくり落ちます

 残酷な言葉を考える僕を恨みます

 いっしょに遊ぼうとはしゃいでる

 やさしい少女の誘いに

 僕はまたもや生返事


 春の夕暮れは

 あたたかかくって

 さみしくて

 重いコートもいらないというのに

 どこへも行けない僕は

 ただ、夕暮れに身を任すしかないのです



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― 新着の感想 ―
[一言] 読ませて頂きました。 すごく切なくてかなしいけれど表現がとても優しくてウットリしました。 >これを裏切りというのだと バトミントンの羽はゆっくり落ちます ↑このフレーズがとても好きです。 …
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