勝負!⑪…恐怖の闇鍋食事会!後編~負けるな!私たちは負けてはならない!
「…次…誰行く?」
今日、ショー部はアリスの提案で闇鍋をやっている。今、部屋は暗く、既に皆が持ってきた食材は鶏ガラスープのなかで煮えている。そのなかの食材を先陣切って食べた桜先輩は、今机に突っ伏し気絶している。…確実に何かやばいものが入っているのだが…今やめてしまえば桜先輩が怒る。だから今、二人目の食す人間を決めている
「…いつもの順番なら、時雨先輩ですよね?」
「…やっぱりそうなるのか…」
風が言った事に、時雨先輩はため息をついた。…ショー部ルールで、桜先輩から始まると大体次は時雨先輩になるのだ
「…仕方ない、私、出る」
そういい今度は時雨先輩が箸を取った。鍋の中をすくい、何かを掴み自分の皿に移した。…やっぱり変なニオイがする…
「…くっ…う…」
…なんか、暗くて見えないけど、時雨先輩、泣いてる?目に染みるの!?
「…はむっ!」
そして口に放り込む!…
「…なんだこれ、鶏ガラスープの味しかしないんだが…」
…あれ?時雨先輩は平気みたいだな…何を食べたんだろう…
「…じゃあ、次はアンタだ、阿見津」
「…!!」
次は阿見津先輩だ。阿見津先輩は箸で鍋の中の物をすくい、すぐ皿の上に移す。…今回は阿見津先輩だから、携帯の明かりで皿の物が映ってる。…ありゃぁ、モチ…か?
『なんかぐんにゃりしてるぅ…』
阿見津先輩の表情は冴えない。…まぁ、物体Xに成り果てた物を食べなきゃ行けないからなぁ
そして阿見津先輩はそのままそれを食べる。…
「…うっ…」
…なんか、やばい声が漏れなかった?
「…う」
そして阿見津先輩も机に突っ伏した。…あ~ぁ
「じ、じゃあ次は私が…」
そして次は風が箸を取る。…さっきの見て、まだ箸を取れるのか…ショー部の魂、恐るべし…
「よ、よし…」
風は鍋から何かをすくい、それを皿に盛ってる。…今回は少し大きいのか?
「…あ、朝野風!いっきまーす!」
そしてそれを食べる風。…
「お…おいしいっ!!」
「は!?」
今日はじめての「おいしい」発言だ。…うまいものもあるのか!?
「これはスペアリブ…かな?でも鶏ガラとよく合うね♪」
「あ、それ、私!おいしい、良かった♪」
どうやらアリスの持ってきたものらしい。…ちょっと食いたかったなぁ…
「…おいしいものがあるなら、まだ私にもチャンスがありますわね、私、行きますわ!」
次は憐香だ。憐香はすぐ鍋からものをすくう。そして憐香は…
「弓佳先輩、照らしていただけます?」
『え?う、うん』
自分がすくったものを見る気らしい。そして、憐香の皿には…タコがいた。…丸々一匹だがな。…鍋、そんなにでかかったっけ?
「…なんで…タコが丸々…?」
憐香は顔色が真っ白だ。…そりゃそうなるわな
「…それはアタシだ」
「瞳先輩!?これはイジメですの!?」
タコ一匹は時雨先輩が持ちよったものらしい。…えげつねぇ…
「…あ、足なら食べられますわね…食べますわ!」
そして憐香は足にかぶりつく。…が
「か…噛みきれませんわっ…」
…噛めなかった。活きがいいんだろうね
「じゃ、私、行く!食べる!」
そして次はアリス。…さて、何を掴むのか…
「…食べる!!」
そしてアリスが口に放り込む。…
「…キノコ?なんのキノコ?」
アリスが食べたのはキノコらしい。…持ってきたのは、今反応をしていない桜先輩か、阿見津先輩みたいだな
「…微妙。あまりうれしくない。むー」
アリスは不満らしい。…気を失わなかっただけよしとしようぜ?
「…俺、食うわ」
そして最後は俺だ。最後の一つになった具をなんとか探し、皿に移す。…なんか、掴みにくいな…
「じゃ、食うわ」
「あっつん、気を確かにもってね!」
そしてそれを口に入れる。…うーん…
「…これ俺のじゃん!!」
これたまごじゃん!ゆでたまごじゃん!既にゆでてあるから味あんま染みてないし!ふつーに塩が欲しいわ!
「…なんだ、この脱力感は」
「とりあえず電気つけますわね」
そして電気がつけられ、二名が気絶するなか鍋の片付けをする。…皆、闇鍋はあまりやるべきじゃないからな!?
「…セロリぃ…おいしくないぃ…」
『…多分、大福…合わない』