○○ナベ
「こんちわー…っす?」
「オウ♪アツシ、来た♪」
「そりゃあウチの部員だからねぇ♪あっちゅん真面目だしぃ♪」
とある日。俺は普段と変わらず部室に足を運んでいた。そこまでは良かったんだけど…
「…なんで居るんだ?アリス」
…何故か留学生のアリスが、部室に居て桜先輩と談笑していた。アリスは俺を見つけると桜先輩と共にニコニコと迎えてくれた。…ダブルニコニコビーム…
「…えと…」
「アツシ、どうした?」
俺が入るのをためらっていると、アリスが不思議そうな顔をして俺を見ていた。…いや、不思議なのは俺なんだが、つか、答えろ俺の問いに!
「…まぁ、今に始まったことじゃないか…」
とりあえず俺は荷物を置き、椅子に座る。今日は隣にアリスが居る。…いつもなら時雨先輩と阿見津先輩なんだが…違和感あるよな
「カオル、今日は何する?」
「ん~…普段は皆で和やかに過ごしてるんだけどねぇ…」
部室に俺と桜先輩とアリスの三人。…何が出来るんだよ
「桜先輩、他のメンバーはどうしたんすか?」
「皆遅れて来るってメール来たよぉ?」
「…はぁ」
おいおい、俺はこのニコニコ天使とハイパーマイペース留学生を相手しなきゃなのか!?
「だったらカオル、アリス、やりたい事、ある!」
「なぁに、ミルミル?」
アリスが何やらやりたい事があるそうだが…。するとアリスは自分の鞄から鍋とガスコンロを出した
「…アリス、これは?」
「アリス、このグループ、戦う!だったら、やってみたい!こんな遊び!」
そしてアリスが拳を振り上げ、叫ぶ
「ヤミナベ!!」
「んなっ!??」
なん…だと…!?あんなカオスな事をうちのカオスなメンバーでやったら…
「おもしろそー…♪」
…桜先輩が目を輝かせてる。…こうなったら止まらないのが、うちの部長だよなぁ…
「どう?カオル、やらない?やる?」
「やるよ!ミルミル、めちゃいい事提案してくれたねぇ♪いーこいーこぉ♪」
桜先輩は笑顔でアリスの頭を撫でてる。…通っちゃったか…
「…で、でも俺ら三人だけじゃ…」
俺はとりあえず抵抗を試みる。…カオスな現場を、作らせる訳には…
「…河内」
すると後ろから声がかかる。…えーと…
「…時雨先輩…来ちゃいましたか…」
「…あぁ、残念ながら弓佳も、朝野も、大道寺もいるぞ」
後ろを振り替えれば、遅れていた部のメンバーが居た。…既に他のメンバーもこのやばい展開を、机の上に置いてある鍋と、アリスを見て気付いてくれているようだ
「あっつん、何が始まるの…?」
「…闇鍋らしい…」
「!!?」
「やっ…!?」
俺が説明すると、阿見津先輩と憐香の顔色が悪くなった。…そういや、食べ物ネタじゃあまりいい思い出は無い二人だからな…
「ミンナ、キュート!ミンナ、楽しむ!ヤミナベ!」
「丁度来るとかぁ、さすがショー部だねぇ♪じゃあ…やるよねぇ?」
既にアリスと桜先輩はやる気満々だ。…だが、否定する人間が多ければやらないですむからなぁ
「…カオルが言い出したら聞かないからな、やるしかないだろ」
「闇鍋はあまりやる機械ないし、いいかもね?」
『…やるしかなさそうだよね?』
「…もう、どうにでもなれですわ」
…皆、浮かない顔はしてるが、やるって方向でいいらしい。…
「…分かりましたよ、俺もやりますよ!」
とうとう俺も折れる。こうして…
「じゃあ皆、一回家に行って好きな食材を持ってきてねぇ♪」
闇鍋が…始まる…
「では、やる!ショー部…勝負!!」