勢いとは恐ろしいもんだよねー
「どうもーっす」
「お、あっちゅんお疲れ~♪」
とある日の部室、俺はいつも通り部室に足を運んでいた。部室には今日は風と憐香以外は全員揃っていた
「?河内か。風と憐香がクラスの用事があるからって休みらしいんだが…」
「俺、クラスでは目立たないようにしてるんで」
『へぇ~』
俺は決してハブられてる訳じゃなく、基本はそーいう団体行動を好まないから、クラス委員とかは何もやっていないのだ
「…で、今日もグダっとするんすか?」
最近のショー部はこれといったイベントが無いせいか、あまり部活をやっていない。大体各々が好きなことをやっているのだ
「…あっちゅんってさ、人間って誰しも何かと必殺技って持ってる気がしない?」
「…は?」
…何を言い出すんだろう、この人
「だからぁ…なんか出来る気がしない?アニメとかでやる必殺技みたいなぁ?」
「カオル、頭は大丈夫か?」
すぐさま時雨先輩が桜先輩をなだめにかかる。そりゃあ心配になるよね、言ってる事が事だからなぁ
「むー、ひとみんも出来ないって思ってるの?」
「当たり前だろ。あれはファンタジーな世界だからこそなし得るようなものだろ?」
「別にそんな壮大なものじゃなくてもいいんだよぉ?回し蹴りとかぁ…」
『そのレベルなら…』
どうやら俺たちが考えていたレベルの物ではないらしい。…だったら初めからそう説明して欲しかったんだが…
「…でも、俺はこれといってなんかしてる訳じゃないんで…」
「こーいう事はぁ、ひとみんなら出来る気がするから大丈夫ぅ♪」
「…アタシのイメージはなんなんだ」
時雨先輩は頭を抱えながらも、立ち上がった。…やる気なの?『そのレベルなら…』
どうやら俺たちが考えていたレベルの物ではないらしい。…だったら初めからそう説明して欲しかったんだが…
「…でも、俺はこれといってなんかしてる訳じゃないんで…」
「こーいう事はぁ、ひとみんなら出来る気がするから大丈夫ぅ♪」
「…アタシのイメージはなんなんだ」
時雨先輩は頭を抱えながらも、立ち上がった。…やる気なの?
「じゃ、河内、相手してくれ」
「…やっば俺なんすね」
俺も諦め立ち上がり、時雨先輩の正面に立つ。…一体何をやらされるんだ?
「弓佳、ロッカーからあれを」
『合点(`・∀・ゞ)』
時雨先輩の指示で阿見津先輩はロッカーからグローブを取り出した。…え、グローブ?
「ち、ちょいまちっす時雨先輩。…まさか、受けれと?」
「あぁ、もちろんだが?」
…イヤイヤイヤイヤ
「時雨先輩、やめません?怪我しますって」
「大丈夫だ。その為にグローブをはめさせたんだろ?」
そういい、時雨先輩は空手の構えを見せる。…やばいって、ただでさえ運動神経抜群の時雨先輩の一撃をくらったら…
「…あっちゅん、往生際悪いよぉ?」
『ファイト』
桜先輩と阿見津先輩が早くしろと間接的に言っている。…もうなるようになれ!
「わ、分かりました…」
そして俺もグラブをはめ、両手を前に出す。…こえぇ…
「じゃあ、行くぞ!」
そして時雨先輩が一気に近づいてきて…
「チェストーッ!!」
「!!」
正拳突きを繰り出してきた!だが、グローブはめてるし、受けられる…
だが、甘かったよ、グローブを持っている手が受け流すようにひねっちゃって…
「うぎゃあっ!?」
「あっ!?」
「あちゃぁ…」
『いたそー…』
はい、時雨先輩の拳、俺の顔に届いちゃいましたよー
「…うぐぅ…」
そのまま俺は意識を失ってしまったらしい…なんか、どっかで似たようなことがあった気がするんだよなぁ…がくっ