問題。○○の秋。さて、○○に入る言葉は何でしょう?
「…秋だな」
「…秋っすね」
「秋ですね~…」
とある日の部室。部室には俺、時雨先輩、風が居た。椅子に座りながら全員で外を眺めている。…唐突に時雨先輩が放った一言が物議を呼ぶんだがな…
「…なぁ河内、朝野」
「…なんすか、時雨先輩」
「はい?」
「秋と言えば食欲、芸術、スポーツとあるが、実際それ以外でもいいと思わないか?」
「…いったい何を言い出すんか、時雨先輩」
あまりにも唐突すぎて何も言えないんだが…時雨先輩はずいぶん真顔だ。…普段唐突な発言をする桜先輩はいないんだが…
「まぁあれだ、時にはアタシが仕切るのもおもしろいかも知れないからな、アタシが今日の議題提起者だ!」
時雨先輩が胸をはって話すが、ちっとも理解できない。…今日は桜先輩が来ない、と言うこと以外はな
「と言うことは…今日はこの三人で部活なんですね、瞳先輩?」
風が時雨先輩に確認を取る。…阿見津先輩と憐香も来ないのか?
「あぁ、二人も用事があって休むと…、…河内、アンタなんでそんなダルそうな顔をしてる?」
「…俺、そんな顔してます?」
「あぁ、バリバリな」
どうやら顔からダルさが滲み出てしまったようだ。…仕方ないだろ、良識の阿見津先輩に突っ込み役の憐香が不在、時雨先輩が桜先輩のポジションにつくなら今日は俺は風と時雨先輩の相手をしなきゃならない。…ダルいわ!
「まぁいい、それじゃ部活を始めるぞ」
「「はーい」」
「さっきも言ったが、議題は○○の秋、の○○に入る言葉を探すんだ」
そして三人の部活が始まった…
「え~と…収穫の秋?」
「朝野、それは特定の人に限られるし、別に盛り上がらなくないか?」
「…なら、紅葉の秋」
「河内!?それはおかしいだろ!?当たり前じゃないか!」
「なら…焼きいもの秋!!」
「なんか食欲の秋とあまり変わらない気がするんだが…でもそんな感じのもんか?」
「睡眠の秋」
「河内…もう少し堕落しない答えにしてくれ」
「絨毯の秋♪」
「…絨毯?」
「紅葉とか銀杏とか…葉っぱが絨毯を沢山作ってくれるから♪」
「さすが朝野だな!」
「時雨先輩、なら時雨先輩はなんかあるんすか?」
「アタシか?黄昏の秋かな!」
「黄昏…っすか?」
「なんでも散るのは秋だからね…」
「時雨先輩、なんからしくないっす」
…そして色々意見を述べて…
「…じゃあ、絨毯の秋でいいな!?」
俺たちの意見は絨毯の秋で落ち着いた。…なんだかんだ、平和な部活だったな?
「じゃ、今日の部活…」
「「終了!!」」