オヤツ
「~はむっ♪~♪♪」
「…」
「ん~っ、この甘さがいいんだよねぇ~♪」
「あの~…桜先輩?」
「ふみゅ?」
とある日の部室、俺は部室で時間を潰していた。目の前の椅子には桜先輩が座っていて、目の前で購買のシュガートーストをかじっていた
「…うまいっすか、それ?」
「うん、美味しいよぉ♪」
「でもそれ、昼に食べるようなものじゃないんすか?」
「うにゅ?ん~、私はオヤツだと思うよぉ?」
「ですかねぇ…まぁ、菓子パンですからね…」
そして再び無言になる俺と桜先輩。俺は買ってきたポテチの袋を開け食べながら本を読み、桜先輩は残りのシュガートーストを頬張っている
「こんにちは~っ♪」
「お、お疲れ~」
「こんにちわぁ、ふーちゃん♪」
そこに風がやって来た。風はなにかを抱え込んでいるんだが…
「…ふーちゃん、何持ってきたのぉ?」
「これですか?私、金平糖をいつも駄菓子屋さんで買ってくるんですけど、今日はおまけで沢山もらったんで、持ってきたんです♪」
「…それ全部金平糖か?」
風の持ってる袋の中には確かに金平糖がびっしりと入ってる。ただ…普通に多すぎないか?顔より大きいぞ、袋…
「じゃ~、いただきます♪」
そして荷物を置き、椅子についた風は袋の中の金平糖を食べ始めた。…ん~
「金平糖はお菓子っすよね」
「お菓子だねぇ♪」
「むぐ?」
風は口一杯に金平糖を入れてるせいで言葉になってる。…ほおばりすぎだ
「ご機嫌麗しゅう、皆さん」
『こんにちわー』
そこに憐香と阿見津先輩がやって来た。…この二人は何を持ってきた?
「ふう…」
憐香が鞄から出したのはチョコビスケットに紅茶だ
「…あれも、お菓子っすね」
「そりゃあね~♪」
「むぐぐ?」
「何を言ってるのかしら?…では、いただきますわね?」
憐香が自前のティーカップに紅茶を注ぎ、それをのみながらチョコビスケットを食べ始めた
「…」
阿見津先輩が出したのは…グミ?
「ゆみちゃん、それ、グミだよねぇ?」
『はい、アップルグミですよ♪あまくておいしいんですよ♪』
阿見津先輩はグミだった。後来てないのは…
「お疲れー!!…っと、アタシが最後か!」
「お疲れっす」
「お疲れだよぉ♪」
時雨先輩がやって来た。…こうなると、時雨先輩が何を持ってきたか、滅茶苦茶気になるな…
「…ん?どした河内?」
「あ、いえ…今日は皆さんの趣向調査みたいな感じの事をやってて…」
「?」
時雨先輩は全く分からないと言った顔で席に着く。そして鞄をあさり…
「…いるか??」
煎餅を出してきた
「…あぁ…それ、時雨先輩が持ってきてたんすね」
そういや、机の上に度々煎餅が器に入ってるのを見てたが…それは時雨先輩が用意してたのか
「…皆、いろんなオヤツが好きなんだねぇ♪♪」
「らしいっすね」
そして再び沈黙がやって来る。皆のオヤツを食べる音が合唱していた…
…え、これだけかよ!?