勝負!⑤…購買でのアルバイト編
購買でアルバイトが決まった次の日…放課後、皆は購買に集まっていた
「…よろしくっす。おばさん」
「あ~ぃよ~!」
とりあえず俺と時雨先輩は購買のおばさんに手解きを受けた。…まぁ、手解きと言うのはあまりなかった。だって電卓だからな
「じゃ、頼むよ~!」
そしておばさんはそのままどっかに行ってしまった。…えー
「じゃ、とりあえず店番だな、河内」
「…うっす」
とりあえず、他のメンバーも姿が見えなくなったが、とりあえず始まった…
10分後…
「…」
「来ないな…」
一人も客が来ない。…なんで!?
「…放課後ってこんなに暇なんすかね?」
「いや…いつもなら運動部の学生が来るはずなんだが…」
全く来ない。人が来ない。人が来ないから物が売れない。やることが生まれない…
『やっぱりね…』
と、そこで阿見津先輩が帰ってきた。…あれ、なんか制服が湿ってるように見える…
「弓佳、もしかして外は雨か?」
『うん。運動部は今日はどこも活動中止みたい…』
どうやら人が来ない原因は外が雨だからの様だ。…にしても困ったな
「てことは学校内には…」
『人はあんまりいないよ』
…だよなぁ…
『だから桜先輩に買い物してこいって』
「…カオル達は知らぬ間に部室に戻ってるのか」
『すいません…』
「阿見津先輩が謝ることは無いっすよ」『…とりあえず、買い物、買い物…』
そうして携帯をしまい、商品を物色し始めた。…
「…そういや、レジで受けるのは時雨先輩でいいんすよね?」
「ん?あぁ。私には記憶力は期待できないからな」
胸を張って答える時雨先輩。…いや、胸を張られても…
『お願いします♪』
そして阿見津先輩がお菓子を持ってきた。まぁ、俺たちが終わるまで部活も終わらないんだろうしなぁ
「えー、会計は5000円なりーっ」
「ちょい待つっす、お二人!!」
『「何?」』
二人のうごきを止める。…突っ込み所、あったよな?
「まず時雨先輩。どこでそろばんみたいなお会計の仕方をする店があるんすか!?」
「え?なんか、こっちの方が商売してるぜーって気にならないか?」
「ならないっすよ!?それに一応今俺が買い物額計算しましたけど、4958円っす!勝手に四捨五入したらあかんっすよぉ!?」
「だって端数とか面倒じゃねぇか…」
「一応貴方の家喫茶店でしょう!?金銭管理くらいしっかりしてくださいよっ!?」
「…突っ込みを売り出すなぁ、今日の河内」
「流さないで下さいっ!!」
「う」
よし、とりあえずまずは時雨先輩に突っ込んだ。次は…
『私、何か変だった?』
「まず時雨先輩に突っ込む事、ボケをスルーするのはダメっす!!」
『それって私にも突っ込めってこと?』
「そうっす!他に誰が居るんすか!?」
『河内君?』
「だーっ、もーっ!!俺が突っ込む前に貴女が突っ込めたでしょー!?」
思わず頭をかきむしる俺。…落ち着けるかぁっ!
「…それに、なんでそんなに買うんすか?今部室に居るのは桜先輩に風、憐香くらいじゃ…」
『…保存食(♪・∀・)b』
にこやかにボケてくる阿見津先輩。…くぅ~
「保存食にしては…しょっぱすぎるわぁーっ!!」
思わず絶叫する俺。確かに阿見津先輩がかったのはポテチとか醤油煎餅とか、しょっぱい感じのものばかりだった
その様子を見てた阿見津先輩と時雨先輩は少し笑い
『「まぁ、いいじゃん?」』
「よくねーーっ!!」
…そんなこんなで一時間はあっと言う間に過ぎた。まぁ実際客はショー部の連中しか来なかったけど。また面倒な客を演じてて、桜先輩は
「ここにはぁ、おもしろいものは売ってますかぁ??」
「売らんわっ!!」
とか、風は
「ねーね、お酒は売ってる?」
「お前は未成年だ!」
「えー?でも、皆お父さんとかに飲まされたことあると思うけど…?」
「第一学校で売るかよっ!!」
とか、憐香に至っては
「店が欲しいのだけど」
「「売れるかぁっ!!」」
とか。…突っ込みすぎて喉がいてぇし、疲れた…
「はい、二人とも♪ご苦労だったね♪はい、バイト代♪」
購買のおばさんは俺と時雨先輩に封筒を渡してきた。中には千円札。…時給千円は、いくらなんでもやってた事がやってただ、高いわ。…まぁ、返すのも野暮だし、貰ってはおくけど
そして俺たちは購買の近くでたむろってた部員の皆と合流した
「やぁやぁ、ご苦労だったねぇ、あっちゅん?ひとみん?」
「…あぁ、本当にご苦労だったさ、カオル。…濃い、一時間だった」
時雨先輩が心なしか目が若干虚ろだ。…大丈夫かよ
「確かにその通りっす。…もうちょっとまともな客が来てくれれば…」
「淳、それは私達がまともじゃない客とでも言いたいのかしら?」
憐香が腕を組みながら聞いてくる
「あぁ、むしろお前が一番まともじゃねぇよ」
「んなっ…!?」
憐香は絶句してたが、正直意味分からん。普通は店は軽々しく買えねえよ
「あっつんけちだったから、お酒買えなかったー!」
「風?学校でそういう事言うのはやめような?教育上よくないからな?」
とりあえず風をなだめる。…まぁ、酒も売らねえし
「とりあえず弓ちゃんが買ってきてくれたお菓子あるからぁ、二人も食べようよぉ♪今日の残りの活動はそれで締めよぅ?」
「「…」」
黙る俺と時雨先輩。だが、後は駄弁るだけなら平和だ。まぁ、乗らない手は無い。しばらく振りに全員居るしな
「…仕方ないっすね。もうあんま今日は俺に突っ込ませないで下さいね?桜先輩?」
「わーかってるよぅ♪けちんぼなあっちゅん♪」
「だからあれはっ…もーっ、時雨先輩!!言ってやって下さいよー!!」
「アタシに聞くな。アタシは関係ないしっ!」
「なんで見捨てるんすかっ!?」
「あっつーん、ぽっきんゲームーっ♪」
「それも教育上よくねーからな!?」
「淳!!さっきの説明まだしてもらってませんわ!!」
「…だーっ!わかれよ!お前は変、これでケリがつくんだよ!」
俺もとりあえず時雨先輩を連れて皆の輪に入り、わいわいガヤガヤと騒ぎだした。…今日のショー部も、賑やかで、ほほえましくて…どっと疲れたわ…