アリス・ミルフォード
…なんで、こんなことをしてるか
そこを疑問に思っては駄目だ
そんな野暮なことをしたって、答えは出てこないさ
だって…
「…あの担任…!」
あの後、羽根黒のところに行き職員室に送ったことを伝えると
「…実は…僕、顔…知らないから…」
とか意味の分からない事をぬかしやがった!…なんで知らないんだよ!!
「…あの娘、どこに行くってんだよ…」
留学生であればここは全くの未開の地のはずだ。だとすれば校内には間違いなく居るはずだ。…
「分かるかっ!!」
…とりあえず、適当にぶらつ…
「…」
「…」
玄関に、さっき会った金髪の女の子がこっちを見てた様な…
「…あ」
「どうもです。ジャパニーズサムライ」
相手は笑顔で俺に会釈して来た。手にはクリームパン。それを口元に持っていってモグモグと…
「じゃねぇぇぇっ!!」
「っ!?」
相手の娘は驚いてるが、そんな場合じゃねぇ!!
「君…なんでこんな場所に?」
「…私、緊張、弱い。だから、大好きなパン、食べる!」
相手の女子は、どうやら途中まで教室に来ていたらしいのだが、途中で逃げてしまい、かと行って校舎から出るわけには行かず、玄関でパンをかじっていたと…
「納得できるかぁぁぁっ!?」
「っ!?」
相手が驚いてるけど知ったことか!だからってなんで玄関なんだよ!玄関でクリームパンかよ!!意味わかんねえよ!!
「…ジャパニーズサムライ、おもしろい」
ただここで相手の娘がクスクスと笑い出した。…え?
「…そうか?」
「うん。楽しい。アリス、元気出てきた」
…相手の名前はアリスって名前らしい。…でもこれで解決しそうだな。…俺は疲れただけだがな
「…ジャパニーズサムライ、アナタ、名前?アリスに教える?」
アリスが名前を聞いてくる。…そういや、名前教えてなかったな。ジャパニーズサムライじゃ長いし、教えるか
「河内淳。これから同じクラスだから、まぁ…よろしくな、アリス」
「アタシ、名前、アリス・ミルフォード。よろしく、アツシ?」
柔らかな笑顔でアリスが見てくる。…色白で碧眼、金髪のロングヘアに桜先輩に負けない巨乳…普通の男ならデレデレしちまうんだろうな。だけど…
「アツシ、少し待つ。パン、食べる!」
とりあえず残ったパンを食べるといい、一生懸命パンをかじるアリス。…なんか、残念なキャラだよなぁ…玄関でパンを貪る留学生って、これほど絵にならないものは無いだろ…
「食べた!行く、アツシ!アリス、つれてく!」
「…あぁ、ハイハイ。分かりましたよ」
そして教室。俺は羽根黒に代わり、アリスを紹介するハメになってしまった。…まぁ、俺がつれてきた以上、これくらいやらなきゃなんか疑われそうだしな
「皆、朝のHRで紹介するはずだった子だ」
そして話をアリスに振る。…これで俺の出番も終わりだ。…朝っぱらから疲れたぜ…
「アタシ、アリス・ミルフォードいいます!アメリカから、来た!これから一緒、勉強する!遊ぶ!だから、仲良く!」
1‐Bに、新たな仲間が増えました…