新たな…?
「…じゃ、行ってくる」
「行ってらっしゃーい!」
夏休み明けの登校日初日、俺は妹に見送られ(妹が通う中学はまだ夏休み)家を出て、いつもの通学路を進む
「最近は部活以外では学校行ってなかったから、なんか新鮮だな…ってか」
だが、まぁさすがに新鮮なだけあって、やはり不思議な事に出くわしてしまうもんだな
校門前まで来て、そこに女性が一人立ち尽くしていることに気付いたのだ。後ろ姿しか分からないが、あれはうちの制服。それに…長い髪は金髪?
「…あんな不良生徒、うちに居たか…?」
希望高校は学力こそ平均ランクだが、校風がおおらかな事で有名なんだ。実際俺の居るクラスにもちゃらけた奴は居ない。だとすると…誰なんだ?
とりあえず俺はその人を無視して横を通りすぎようとした…時だった
「ま、待つっ…」
片言ながら、その女性に引き留められた。振り替えって見ると、その娘はやはり外人。整った顔立ちに碧眼、長い金髪がよくにあっていた…って、こんな事考えてる場合か!?外人に話しかけられても、俺は英語は話せないっ…って…
「…?」
片言で今、日本語しゃべったよな?
「アナタ、ここ、生徒?」
女の子が必死に聞いてくる。…留学生か?
「あ、あぁ…そうだけど…」
「私、今日、ここ、勉強、始まる。先生、居る場所、教え下さいっ!」
とりあえず女の子が自分の知ってる単語で意思表示をしてきた。どうやら推測通り留学生で、今日からここで勉強するらしい。それと、この子は日本語は理解できてるようだ
「…分かりましたよ。ついてきてください」
「は、はい!ジャパニーズサムライ!」
…俺は侍じゃねぇ
とりあえずその子を職員室の英語担当の先生に会わせ(どうせならそいつが迎えに行けば万事解決してた気が…)、俺は教室に向かう
「…梅木、遠藤、…河内」
「うぃっす」
朝のHR、いつもの羽根黒による出欠確認。ここまでは普通だった
「…え~、では、皆に今日からうちのクラスで一緒に勉強する留学生を紹介します…」
羽根黒が唐突にこんなことを言い出した。…まさか…
「…はいって…」
そして教室のドアが開き…
「「……」」
「…あれ…」
…誰も居なかった。…え?
「…え~…あ~…」
「…あの娘か?」
俺は咄嗟に一人の女の子を思い浮かべた。あの金髪の娘だ
「…と、とりあえず朝のHRを終わります…」
そうして朝のHRを終わらせる担任。…さて…
「…探すか」
何故かそんな事を考えていた。…なんでだろうな?ま、とりあえずは…