表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/128

勝負!①…BJ編

「…う、う~ん…」


目を覚ますと、そこは見知らぬ場所だった。何故かソファの上に寝かされている。…何があったんだ?


「あら~、やっと目を覚ましましたねぇ」


声をかけられた方に顔を向けるとそこにはさっき部室から出てきた桜さんが居た。桜さんは椅子に腰掛けコーヒーを飲んでいる


「んふ~、目を覚ましたなら、早く始めなきゃなぁ♪」


「…?」


そういうと、傍に来ていた風に目配せをする桜さん。…いつの間に仲良くなったんだ?そして風が持ってきたのは…


「んふ~♪私と、勝負してもらうよ♪」


「…トランプ…すか?」


風が桜さんに渡したのはトランプだった。それをきり、二枚渡す


「ショー部の入部試験、始めるよぉ!ショー部の…勝負!」


「…は?」


桜さんが大きくガッツポーズをする。どうやらすんなり入部…という訳ではないらしい


「…桜先輩、これはブラックジャックですか?」


「うん、そだよ♪ルールは簡単、21を目指せ~♪3回先勝で勝ちだよ!」


桜さんはほんわかする笑顔を振り撒きながら適当なルール説明をしている。どうやら普通のBJの様だ。…正直、気乗りはしない。この部に入ればもう二度と普通の学生に戻れない気がする。…だけど…


「さーさ、はじめよーぜぃ♪」


…桜さんのヤル気満々な笑み。…美人がこんなにやる気なのに、やらないわけには行かないか


「…で、桜先輩。俺はこれに勝てば入部なんですか?」


「ん!認めるよぅ!負けたら認めないよ?バーストしたら…」


と、そこで言葉を切る。すると桜さんはおもむろに紙を取り出す。…なになに…「退学」?…


「はぁ!?何無茶言ってんですか!」


「私はガチだよ~?」


「この部に入るための為にどんだけ本気にならなきゃならないんだよっ!!」


「なら棄権するぅ?棄権するんなら、この子も部には入れられないなぁ…」


そういうと桜さんは顔を風に向ける。風は顔を真っ青にして俺の肩を揺さぶる


「絶対かてよっ!!あっつん!!!」


「わ、わわ、分かったから肩を掴むな!…ふう、仕方ない。桜先輩。その勝負、受けましょう!」


そして風に解放された俺は目の前に置かれた二枚のカードを引く


「…ふむ…」


俺の手持ちはAと4。と言うことは今は合計15…これで戦うのは少しつらいな。…桜さんは…


「…むむむ…」


正直、顔にはあまり出ないタイプ…ではないだろうが、全体的に表情を読み取りにくい人だからな、辛い戦いになりそうだ


「私は引くよ!しょーぶぅ♪」


桜さんが一枚引く。…てことは、あまり大きくなかったのか。…捨てる様子も無いから、バーストもしてないか


「ささ、ひきたまえよぅ♪」


桜さんが催促してくる。どのみち今の手札じゃ勝負にならない。引くさ!俺は祈りを込めて、カードを引いた!


「…!!ま、負けました…」


俺が引いたのは7。合計22で、敗けだ。肝心の桜さんは…


「えへへ、危なかったぁ♪」


まさかの…三枚で合計14(4、5、5)だと!?…侮れない、この人は…!


「あっつん、顔が某ギャンブル漫画の主人公のような顔になってるよ?」


誰だよ。つか、著作やべぇって!


「んじゃ、二回戦行くよ?」


桜さんはまたカードをきり、二回戦が始まった。負けてたまるかぁ…!


そうこうして、俺2勝、桜さん2勝で最終試合になった。桜さんは笑顔がさらに明るくなっていく。…嬉しそうだなぁ…こっちは疲れたぜ


「よ~し、最終戦だよ♪」


「あっつん、負けたらダメだよ…!」


風の手に力がこもってる。…その手で殴るなよ?


「あぁ、負けねぇよ。間違いなく勝ってやるさ」


そして二枚を引く。俺の手札はAと9。…まずいなぁ、これは微妙だ。20ならまず簡単には負けないんだが…


「んふふっ♪私は引かないよ♪」


桜さんは初めに引いた二枚で勝負らしい。…だとすると弱くはない。…狙うか!


「じゃあ俺は行きます。…これで、俺の勝ちです!」


そして俺はカードを引き、手札を公開する!


「ほぉ~ぅ…お見事だねぇ♪」


「す、すごい、あっつん!!」


俺の引いたのはA。…合計21で、ブラックジャックだ!


「たはーっ♪参った参ったぁ♪」


桜さんは20…勝った!


「よっしゃ!」


思わずガッツポーズをする俺。それに抱きついてくる風


「やったぁ♪これで二人、入部ですよね??」


「うん、正式に部員として歓迎するよ♪いらっしゃい、我が『ショー部』へ♪」


「…あ、俺も入部か」


…勢いで勝ってしまった。これから、俺の学園生活はどうなるんだろうな…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ