ショー部、突撃ぃ♪
「…あち~…」
夏休み中のとある日、俺は家でだらだらしていた。部活は休み、風は今日は中学の友人と遊びに行ってる、猫原は二階で寝てるので、実際、暇なのだ
「…この暑さ、どうにかならんかな…」
そうしてぐだっていると、家のインターホンがなる。…蜜柑なら押さないから、客か
「…めんどくせぇ…」
俺はゆっくり立ち上がり、玄関のドアを開ける。すると…
「おっはよぉ♪」
「おっす、河内」
「よぉ、あっつん!」
「…仕方ないから来てあげましたわよ」
『(*・ω・)ノ!』
…ショー部の面子がお見えになりましたー
「…で、何しにきたんすか…」
俺は人数分のコップにオレンジジュースを注いで皆に手渡す。…正直、居間に六人も居たら地味に狭いなぁ
「いやぁ、ありがとう♪…えーとねぇ、今日の部活はこれなのぉ♪」
桜先輩は笑顔で答える。…どういうことだ?
「簡単に言えば、今日は河内の家のお宅訪問って訳だ」
時雨先輩が要約してくれた。…そんな話、今まで出てたか?
「…全く、思い付きもいいところですわね」
「…そういう事か」
…桜先輩の気まぐれらしいな…
「…いやぁ、今まで言ったこと無かったからぁ、一回行ってみたくてねぇ♪」
「…いや、だったら他のメンバーもそうでしょう?」
「それがねぇ、どうせなら今日まだ来てないあっちゅんの家に行くのが、驚かすのにも丁度いいかと思ってねぇ♪」
…ますます理由が不純だな
「…騒がしいにゃぁ…」
すると二階から猫原が降りてきた。…ぁ
「…?」
「な…」
皆様の顔色がなんか変わった。…や、やばい…
「「かーわーいーーっ!!」」
「実季ちゃん?」
「にゃにゃにゃ!?」
風以外全員が猫原に抱きついて行った。…うわうわうわ…
「なぁにこの可愛い子~♪何であっちゅんの家に~!?♪」
「河内…あんたと言う男はっ…!!」
「か、可愛いですわぁ…」
「…♪」
皆が錯乱気味に猫原にくっつく。…なんか、猫原苦しそうだな
「にゃ、にゃーっ!河内ーっ!助けてくれにゃーっ!」
猫原が全力でヘルプを願っていた。…なんだろう、第3者から見たらほほえましいんだが…暑苦しい…
とりあえず皆の手から猫原を救出し、再びまったりタイムに入る
「…この人たちがそうにゃか…」
「そうだよぉ♪よろしくねぇ、ネコちゃん♪」
猫原はそのまま桜先輩のお膝元に置かれた。…可愛がられるタイプだな、あいつ
「でもびっくりしたよぉ…こんな可愛い子と暮らしてるなんてねぇ?」
「いや…まぁ、もう一人家族が居るんすけどね?」
俺が嘆息混じりに話すと、阿見津先輩が身を乗り出してきた。…何?
「…なんすか」
『妹さんかな?かな?』
「…まぁ…確かに…だからどうしたんすか?」
『前にシグレイでコーヒー飲んでたら、なんか河内君に似てた女の子が友達とワイワイしてたから♪』
「…へー…」
あいつ、結構喫茶店行くのか
「へぇ~…あってみたいなぁ…♪」
そんな事を言い出したのは桜先輩。…こーいう噂をしたら…
「たっらいまーっ♪」
…噂の妹が帰還したよ。あー、皆の目が蜜柑にロックオンされちゃった…
「「かーわーいーーっ!」」
「ふぇっ!?ふぇぇぇ!?」
風以外の部の皆に取り囲まれ、抱きつかれる蜜柑…完全にデジャブ…
「…楽しそうだね?」
隣に来て笑う風。…そういや、風は幼馴染みだし、猫原とも同じクラスだからあまり騒ぐことじゃないよな
「まぁ…確かにな」
今日の部活…俺の家族の認知回…というより、可愛いものを愛でようの日だな!