ビキニとパレオとスク水と
「…おっそいなぁ…」
あれから大分経ったんだが、何故か皆の着替えが終わってないのだ。別の部屋から随分と賑やかな音が聞こえてる。…
「…お、おやめに…!!」
「にゅふー♪待つのだ憐にゃん~♪」
「ひ、ひゃぁぁあ!?」
…なんか、悲鳴っぽいような気がするのは気のせいなのか?気のせいにしておくべきなのか?
「…男が一人ってのは、肩身が狭いな…」
「たのーもーー!」
するとドアが思いきり開き、風が飛び出して来た。だがその格好がまた…
「…あ…あ、あ…」
「ん、どしたのあっつん?」
風が来てきたのは青いフリル着きのビキニを来ていた。…やばい、知らぬ間にめっちゃ大人になってんな、風。…ボディラインがやばい、そして何故か可愛い
「…あっつ~ん?」
「ん?ぁ、あぁ…」
「どぉ?可愛い?♪」
風はすごい近くに寄ってきて聞いてくる。…いやいや、近い近い近い!?
「ち、ちょ…風!?」
「ん?」
「…ち、近い…」
「んん?…恥ずかしいの?」
なんか風がすっごい笑顔だ。…嫌な予感…
「…そうか、恥ずかしいのか」
「にゅふ~、可愛い奴だなぁ、あっちゅん♪」
『…恥ずかしい…』
「殿方にこの様な姿は見られたくないのだけれど…」
…皆様が、水着になってる
「…えーと…」
「もぉ~、可愛いなら可愛いって言ってくれないとぉ♪」
桜先輩はピンクのパレオだ。…大人だ、マジ大人だ
「河内、気の利いたセリフは無しか?仕方なく水着を着たのに残念だ」
全く残念そうな顔を見せない時雨先輩はスポーツタイプの水着。だが競泳用のではない。これはまたこれで味があるな
「ジロジロ見るな、この変態!!」
「うげっ!?」
勢いよく俺にローキックをかましてきた憐香は黒いビキニだ。…妖艶な色気が憐香から感じ取れる。だがそれを悟られたら俺はまた蹴られる。間違いなく蹴られる。そして阿見津先輩は…あれ?
「…阿見津先輩?」
『…ぅ~…』
時雨先輩の影に隠れ、携帯の画面を見せてくる。挟まれた時雨先輩はため息をついている
「弓佳…諦めたらどうさ?どうせ海に向かったら見られるんだし…」
『でも…恥ずかしいし…』
阿見津先輩が時雨先輩に抵抗してる。時雨先輩も困り顔だ。だけど、この状況は長くは続かないんだよなぁ…
「ゆ~み~ちゃ~ん??」
桜先輩がスゴい顔で阿見津先輩を睨み付けていた。…なんか、目が怖い
「…ちょぁーーっ!!」
そしてスゴい速さで阿見津先輩の後ろに回り込むと、脇腹をくすぐりだした
「…っ!!?」
阿見津先輩はたまらず時雨先輩から離れてしまい、俺の前にたってしまう。阿見津先輩の水着は、青いスクール水着だ
「…」
「…」
どう反応しろと!?確かに変だけど、変だけどさ!?俺に何を求めるのさ!?
『早く海行く!!』
阿見津先輩が携帯に慌てて打ち込む。皆はそれを見て笑いながら海岸に出る。俺たちの眼前には青い海。天気も運よく晴れた。…合宿の滑り出しは悪くないな。
「よ~しぃ、皆で記念写真だ~ぃ♪」
桜先輩は持ってきた三脚とカメラをセットし、皆をカメラの前に集める
「皆で好きなポーズで映るんだよぉ?写真に映るときも楽しくぅ♪」
桜先輩の注文は今回はさほど難しくなかった
「タイマーセットぉ♪…じゃあ皆でぇ、チーズぅ♪」
「「いぇーっ!!♪」」
桜先輩と風は顔の前で両手ピース、時雨先輩と阿見津先輩は何故か招き猫、憐香は腕を組みながらも口元はしっかり緩んでた、そして俺はガッツポーズ…これから始まる合宿が、楽しいものになりますように!!