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ホームレス○○

他生徒との喧嘩騒動から三日が経った。今はもう風も普通に登校してきて、うるさいくらいに絡んでくる。…だが、この件に絡んでいたもう一人のクラスメイトがまだ一人、帰ってきていない


「…猫原さん。…今日も休みみたいですね……」


羽根黒先生が点呼した、猫原実季だ。あの件以降学校にも音沙汰が無いらしい。担任が提出された家を訪問したが、どうやらそこに人は住んでおらず、噂では夜逃げしたんじゃないかって話らしい


「…夜逃げ、か…。そんな馬鹿な…」


俺は確信してた。夜逃げをするようなレベルじゃない。もっと単純な気がする。…探しに行ってみるか


そして放課後、俺は風に部活を休む事を伝え、まっすぐ家に帰る。…さて、どこから探すかな…


とりあえず俺はあの公園に向かった。…不良に絡まれていた、あの場所だ


「…あくまで勘だが、ここに居れば見つかる気がするんだよな」


俺はそのままベンチに腰掛け、様子を見ることにした。そして一時間後…


「…ん?」


何やら猫が公園に集まってきたようだ。そして猫が向かった先は…


「…猫原…?」


猫原が猫に囲まれていた。どうやらその猫達の母親をやっているらしい。…それにしても、何でこんな時間に…時間は夕方過ぎでもう暗くなってきてるのだ。…家に帰ってないのは、まさかこれが…?


「…誰にゃ!!」


そう考えていると、猫原が俺を見つけたらしい。…隠れる必要はないし、素直に出てくるか


「…俺だ、猫原」


「あ、河内君かにゃ?ようこそだにゃ♪」


…今、なんて言った?


「…分かっちゃったかにゃ?あたし、ここで住んでるんだにゃ」


猫原が暗い顔で話す。…高校生が、ホームレスって…


「親は…両親はどうしたんだよ?」


「おとーさんは最近死んじゃったにゃ。おかーさんは私を捨てて借金取りから逃げちゃったにゃ。アタシもあの家には住めないから、今こうしてるにゃ」


「あの家に…お前、そうならさっさと言えよ!」


何故か怒鳴る俺。それにビックリしたのか、猫は四散するように逃げていった。猫原も目を丸くしている


「な…なんで怒るにゃ?」


「普通じゃねぇんだよ、そういうの!…って言ったって今まで話をしたことすら無かったけど…。と、とにかく家に来い。部屋を使わせてやるからこんな生活をしてんじゃねぇ!」


「…にゃ?いいのかにゃ?」


猫原が期待の眼差しで見つめてくる。…今言ったじゃん


「あぁ、だから来い!」


「分かったにゃ!!」


そういい、そのまま猫原を連れて公園を後にする俺たち。…後に考えると、いいのか、猫ほったらかしなんだが…


「猫原、公園に居た猫達は…」


「皆ちゃぁんと飼い主居るにゃ!だから皆と話をして、あの時間に皆と遊んでたにゃ!」


「…皆って、あの猫達か?言葉通じるのか?あの猫達と…」


「ふっふ~ん、勉強したにゃ!」


…現代に、猫語は存在しない筈だろ。世の中、謎だらけだな!?


よって、猫原が「野良猫」から「飼い猫」に変わったのだった…いや、人だからね!?

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