勝負!③…男として、友人として、クラスメートとして見過ごせないプライド編
「…アイス、食いてぇな」
猫原との会話があった今日の夜。居間でテレビを観てた俺は唐突にそんな事を呟いていた。…何で語り口調かって?そりゃぁ…大人の事情だよ!)笑
「でもたしかアイスは蜜柑が昨日食べてた気がするんだよなぁ…」
俺はテレビを消し、台所にある冷蔵庫を調べるが、予想通りアイスは無かった。…蜜柑め、食べやがったな
「…仕方ない、今日は久々に出歩くか…」
俺はなにを思ったのか、身支度を済ませ近くのコンビニに行くことにした。…あの当たりが出たらもう一本!で有名なシャリシャリちゃんってアイスがこの時食べたかったんだ。そのアイスは近くのコンビニにしかないんだが、蜜柑も好きだから買い置きしても大体食べられる。…さすがに食べ物に名前書くのはバカらしいんだが、勝手に食べられないようになんか対策しなきゃな…
そしてコンビ二に着き、お目当てのアイスを買い、帰路につく。いつも通りの帰り道を…
「…!!…!」
「…ん?なんだ?」
コンビニから家への帰り道には公園の横を通るんだが、何やら公園が騒がしかった。…時間は夜中の0時。普通ならこの時間にこんな賑やかな訳がない。つか、むしろ近所迷惑だ
「…何してんだよ、全く…」
いつもなら面倒ごとには巻き込まれたくない一心で無視するんだが、最近部活の影響で色んな事に少しずつ興味を持つようになってしまっていたようで、俺は公園に足を踏み入れ、騒ぎの聞こえる方へ目を凝らす。すると…そこでは男二人と女二人で何やら揉めていたようだ。だが、その女子二人にに俺は心当たりがあり、思わず息を飲んだ
「…おい、だからこんな所に居るくらいなら俺たちと遊ぼうぜぇ?」
「うるさい!!誰が貴方達と遊ぶのさっ!さっさとどっか行っちゃってよっ!!」
「なんだぁねぇちゃん、金が必要か?なら金くらいやるから付き合えよぉ!?」
「…にゃ…風ちゃん…」
…風と、猫原だった。どうやらたまたま風と猫原も外出して居たようで、公園に居たらこの金髪のあからさまな不良に絡まれたと言う経緯らしい。猫原は風の影に隠れ怯えている様子、風も虚勢は張ってるが、怖いはずだ。…警察に連絡だな、と思い、携帯に手をかける。だが次の光景を目にした瞬間、予定が変わった
「グダグダうるせぇな、とっとと来い!」
「嫌だって…言ってるでしょ!!」
不良の内の一人が風の手を伸ばすが、それを風が払い除ける。これに逆上した不良が…
「ってぇ…いい気になるんじゃねぇ!この女ぁっ!」
不良が
風の頬を
殴ったのだ
「…!!いった…!」
風はそのまま後ろに倒れた。だけどまだ起き上がり、実季を守ろうとしていた
…あの馬鹿、ただのクラスメイトの為に何を必死なんだよ…
俺は、実季とは今日初めて話した、ただのクラスメイト、風だって、ただの幼馴染み。なのに、今風が殴られて、なのに風は実季をかばってて…その状況を見て、俺は何をイライラしてるんだ?あくまで他人なんだぞ?面倒事なんだぞ?俺には関係ない
だけど、俺の頭にあの猫原の帰り際の寂しそうな顔を思い出すと、既に俺はアイスの入ったコンビニ袋を投げ捨て地面を蹴り、不良めがけ走り出していた!
「貴様ぁぁぁぁっ!!」
「「!?」」
「どわぁぁぁっ!?」
「あ、あっつん…?」
意識が戻ったときには、既に俺の拳が不良の一人の顔面を殴り飛ばしていた。風は頬をさすりながら目を丸くしていて、猫原はその影で俺を見ていた。その目には涙で今にも溢れそうだ。そして不良はさっきは不意打ちで片方を殴れたが、そいつが体勢を整えて、殺気立たせていた。…やば
「あっつん、何でこんなとこに…」
「野暮用だよ。それより、早く猫原連れて逃げろ、風。そして警察だ」
「え!?で、でも…」
「早くっ!!」
俺が剣幕で叫ぶと、風も俺の気持ちを察してくれたのか、猫原を連れて逃げてくれた。…後は、この不良共、か
「…ってぇ…にぃちゃん、やってくれるな…。覚悟は出来てんのかぁコラァ!!」
「女を逃がして勇者気取りかぁ!?ぶっ殺すぞぉ!!」
頭に血が昇った不良共が怒り散らし、殴りかかってきた。…この時、風達が逃げた今なら俺もまだ逃げる術はあった。だけど俺はもう冷静な考え方を持ち合わせてなかった。目の前で実季達が不良に無理矢理連れていかれそうになり、風が殴られた。それを見て、こいつらから今逃げたら、また同じことが起きる気がした。そんな事はされたくなかった。…俺は、この時初めて人の為にキレた気がする。俺は拳を再び握り…
「…うぁぁぁああぁっ!!!」
大声をあげ、不良二人に飛びかかったのだった…