入学
4月○日、俺、河内敦は、公立の希望高校に入学した。ここに通うことになったのは俺の成績なら間違いなく受かるレベルだったから。俺はあまり努力と言うものが得意じゃなかったから、無難に事を進めた。周りの奴等からは
「もったいない」
「あり得ない」
と、漏らしていた。特に親からは
「アンタなら未来大附属高も行けたんじゃないの!?」
と言われるくらいだった。俺の学力自体もそれくらいのレベルはあった。だけど面倒だった。高校なんてどうでも良かった。そして、これといった気持ちの高ぶりも無いまま(一般の人たちって、結構新しい学校生活にワクワクするんだろうが、俺はしなかった)入学式を迎えた。
体育館で行われる入学式、沢山の親が居るなかで、校長が恒例の長話を展開している。ちなみに
俺の親はこの入学式には参加していない。
実は俺の親父と母さんは
「旅行行ってくるわね~♪」
と、行ったっきり帰ってこない。昔宝くじで世界旅行を当て、俺と妹を残し行ってしまったのだ。まぁ、時々手紙が来るので死んでは居ないらしい(毎回テンションが高い手紙で正直腹立つ)。
だから俺は、今二人暮らしだ。
まぁ、正直知らない奴と過ごしてる訳じゃないから、まぁ不快感は無い。ちなみに妹は今14歳。
…こんな俺の話をしてる間に校長の対してありがたくない話終了。俺は教室に向かった
俺のクラスは1年B組。1学年4クラスずつで、クラスの割り方は適当らしい。俺的にはさほどどうでも良いことだがな。
「…えー、俺が担任の羽根黒 了一。担当は国語。…よろしく。」
随分暗いのが印象の羽根黒 了一が、俺のクラスの担任らしい。…つうか、先生ってこんなに暗くていいのかよ。担任、クラスの連中から目を逸らしてんぞ。
まぁ、HRでの自己紹介があった。俺は早めに済ませる事が出来たから助かった。だが、やっぱりこの自己紹介で失敗するやつも居るんだな。
「あ、ああ、あのっ!!猫原…みゅきですっ!!これからよろしくお願いしまひゅっ!!」
名前の通り、何となく猫っぽい奴、猫原 実季。よくある上がり症って奴か?早速噛んで、顔真っ赤にしてやがる。
「よぉ!!初めまして!!俺は児島熱斗!!皆、熱く行こうぜ!」
…全く意味不な自己紹介をする奴が児島 熱斗。…こーいうの苦手なんだよな、熱血ってどうも強引でさ。
「皆さん、ご機嫌よう。私は大道寺憐夏ですわ。私の名前には聞き覚えもあるでしょうから、私には失礼の無いように」
上から目線でとんでもない挨拶をしたのがこの高校の理事長の一人娘、大道寺 憐夏。…こりゃあクラスで敬遠されるぞ、最初からこんなんじゃな。そしてきわめつけは…
「えー、宇宙人、過去人…っだったっけ?まぁいいや。そんな感じの人にしか興味ありませーん!朝野風です!チカッ☆」
…クラス中の奴が(;゜Д゜)←的な感じの顔にした奴が、朝野 風。…認めたくないが、こんなのが俺の幼馴染みだ。…風、頼むから著作権に引っ掛かる言動は控えてくれ。
…そんなこんなで自己紹介も終わり、これからの生活の内容を担任が話し、今日一日が終わった。放課後は部活見学をしようかなと考えているんだが…