おじさん
「うぃーっす」
「ぉ、河内か。おはようさん…って、後ろにいるのは…」
放課後、羽根黒先生を引き連れ部室にやって来た。今日はまだ時雨先輩しか来てないようだ。時雨先輩は俺の後ろにいる羽根黒先生に目をやり、ある程度状況を察してくれたようだ
「顧問の羽根黒先生ですね?お久しぶりです」
「…部活創部以来になるか…?」
「先生、その間ずっと出入りできなかったんすか!?」
「…お恥ずかしながら…」
おいおぃ…
「カオルに用事ですか、先生?」
「…いや…たいした用事ではない…」
「まぁ、もう少ししたらカオルも来ますよ?」
「…」
羽根黒先生が落ち着かない。とりあえず椅子に座って、お茶を飲んでるんだけど…根暗だからなぁ…
「おはよ~!!」
そして部長、桜先輩と阿見津先輩が部室に入ってくる。羽根黒先生はその瞬間に背筋がピンとはらさっていた。…
「…むむむ?」
「…お疲れさま、桜くん」
桜先輩は先生を凝視していた。そして…
「…おじさん、誰?」
…うわ~、まじで覚えてないよ、この人…
「カオル、私たちショー部の顧問だ。去年無理言ってなってもらったろ?」
「そだっけ?」
「…まぁ、無理もないよ…」
すごく落ち込んでる先生。…そりゃ、生徒に誰って言われるのはなぁ…
「まぁいいや♪顧問の先生ならぁ…一緒に遊んでくれるよねぇ??」
「…は??」
ここで桜先輩はいきなり遊んでくれと言い出した。…全く、唐突な人間だな…
「先生、ここは1つ相手してあげてください。カオルはああ言い出したら聞かないんで…」
「…そうだね、そうしようか…」
「先生、これで認めてもらえたらいいっすね」
「…あぁ…」
先生は笑顔で桜先輩に向かい合う。机にはオセロ盤が置かれていた。…唐突なこうどうだけど、これが桜先輩の良いところなんだよな
「これで大丈夫そうですね、先生」
「だと、いいがな?」
時雨先輩が笑いながら答えてきた。…?
今日の活動は、羽根黒先生の皆の認識の1日だった
ちなみに、次の日、また羽根黒先生が部室に来たんだけど、また桜先輩に「誰だっけ?」って言われて傷ついていた。…覚えようよ…
「…いいんだ…どうせ…」
あんたもいじけてないで何か対策考えろよっ!!