休みボケ
「…うぃ~す」
『おはよう、河内君』
GW明けの今日、俺はいつも通り部室に行くと、阿見津先輩が先に来て読書をしていた。…今日もいつも通り、何もせずに終わりそうだな…
『休み明けは眠いね?』
珍しく阿見津先輩から話しかけてきた。と言っても携帯で文章を見せてくるだけなんだがな。まだその原因の話を聞いたこと無かったな。…まぁ、今も聞かないけどさ
「そうっすねぇ…一週間しかなくても、やっぱ休みは休みっすからねぇ…」
『だね?私、今日危うく遅刻するとこだった♪』
「へぇ~、阿見津先輩でもそういう事あるんすね?」
『私は少しボーッっとしてますからね…』
阿見津先輩が照れ笑いを浮かべている。…珍しく長話をしてる気がするな
『休みが空けると生活サイクルを戻さなきゃいけなくて、でもそれを忘れちゃうんだよね?』
「分かります、早く起きなきゃいけないんすけど、中々起きられないんすよね」
『そして極めつけは、今日何曜日だっけ?ってなるんだよね~♪』
「さすがにそこまではボケ無いっすよ?」
『えー、そんな事無いよ~!』
声を出さないながらも、頬を膨らませ否定する阿見津先輩。素朴ながら、この人も可愛いんだよなぁ…。…この空気なら、聞いてみても何とかなるかな?
「ところで…阿見津先輩、どうしてしゃべらないんです?前から気になってたんすけど…」
『…』
阿見津先輩はそのまま固まってしまった。…やっぱり聞くべきじゃなかったか?
「まぁ…無理に言わせる気は無いっす。
だから良いっすよ?」
そして少しの間の後、阿見津先輩は携帯に
『時が来たら、話すね?』
とだけうちこんで見せた。…時が来たら、か。部にいる限りは、聞くタイミングあるかな?
そして閉門時間、今日は阿見津先輩しか来なかった。そして帰る支度をしてると…
『河内君』
阿見津先輩が俺の制服の袖を掴みながら、なにかを訴えてくる。…何だ?
「なんすか、阿見津先輩」
『良ければちょっと付き合ってくれない?』
「どっか行くんすか?」
『ちょっと見せたいものがあるの。いいかしら?』
「…時間があるんで、いいっすよ」
『そっか、じゃあ行こうか♪』
そして鞄を手に持ち、先にあるく阿見津先輩について行く。果たしてなんなんだ…?
GW明け、結局部室には来たのは二名。…他の人何してんだよ…
ps.後日談として、他の部員は何をしてたかってのを読者の為に今、記しとくわ
桜先輩
どうやらこの日は定期講読してた本の最新刊が出たらしいから、買いに行ってたらしい。…連絡してくれてもいいだろって…
時雨先輩
今日はソフトボール部の助っ人に行っていたらしい。…そういえば、なんか阿見津先輩との帰り際、グラウンドにそれっぽい人見た気がすると思ったら…
風
ズル休み。なんでも今日から学校だって事を知らなかったらしい。…こいつが一番休みボケをしてるな。
皆は、長期休暇明けにズル休みとかすんなよ!(笑)