才能?
「ねーねーあっつん」
「…なんだ」
「私の才能ってなにかな?」
「…いきなり何を言い出すんだ」
とある日の放課後、俺はいつも通りに部室でラノベを読んでいると、風が突然こんなことを聞いてきた。…風の才能、か…
「無限の胃袋…とか?」
「あっつん、普通に私に失礼だよ!」
風に怒られた。…でも、風はよく食べるんだよなぁ
「ふーちゃんはねぇ、とーっても優しいんだよぉ♪」
「…桜先輩、それは才能じゃないっす」
「ふにゅ?そうなのぉ?」
この会話に他のメンバーも混じってきた。…こうなったら、皆に聞くフラグか
「じゃあ、皆で一人一人の才能、見つけてみますか」
「お、いーねぇ♪じゃあまずはぁ…私はぁ?」
とりあえず桜先輩かららしい。…桜先輩は…
「カオルは、自分のペースで絶対に会話を進めることだな」
「「確かに…」」
時雨先輩の言った通りだ。この人のペースを乱すのはかなり難しい。確かに才能だな
「時雨先輩は…やっぱスポーツっすかね」
「ま、そんなところだろう。アタシはスポーツがなんでも出来る。これは才能だな」
時雨先輩はスポーツの才能…分かりやすいな
「阿見津先輩は…」
「間違いなくPCですわ。弓佳先輩の才能はPCを完璧に使いこなすこと」
憐香が即座にビシッといい放つ。阿見津先輩は少しオロオロしながらも
「…そ、そう…かな。えへへ…」
肯定した。…確かに、機械に強そうだしな…インドアだし
「じゃー私は??」
「風か?う~ん…」
「…朝野さんは…誰とでも人見知りしないで話せる…これも才能じゃないかな…?」
阿見津先輩が笑顔で風に言う。風も
「ですかね?♪」
と満足げだ
「私の才能は何かしらね?」
今度は大道寺の番だ。憐香の…
「憐香ちゃんは、物事を絶対にしっかり理解できるよね♪それも才能かな?」
風が言う。あぁ…確かに憐香は突っ込みキャラだしな、それは才能として必要だな
「…私は、頭がきれるって事ですわね♪気分がいいですわぁ♪」
…ただ、調子にすぐ乗るんだよな
「ワタシは何が才能ネ?考えて欲しいヨー♪」
次はアリスだ。まぁ、アリスは皆が分かってるよな
「アリスは、努力の才能がある」
「努力の才能ヨ?」
「そだねぇ♪ミルちゃんは一生懸命だもんねぇ♪ある意味才能だよぉ♪」
「そうなのネ?アリス、喜ぶヨ♪」
そして…最後は俺か
「じゃあ、最後は俺っす。なんかありますかね?」
正直、俺は楽しみで仕方ない。皆ちゃんとした才能を見い出されてるんだから、俺のもちゃんと考えてくれるはずだ
「そんなのぉ、決まってるよねぇ?」
「だな」
「…ですね…」
「そうですよ」
「ですわね」
「だネ!!」
「お、なんすかなんすか?」
期待に胸を膨らませながら、俺は彼女たちの言葉を待つ、そして一斉に…
「「主人公スキルだよ」」
「…なんだそりゃ!?」