勝負!⑭…戦うこと3度目…白黒つけてやる!!河内対児島!
「じゃ、始めるか」
「よっしゃぁぁぁ!!憐香様、ここでの勝利は貴女に捧げますっ!!」
「別に要りませんわよ…」
とうとう勝負は3度目の俺と児島。今回の勝負は完全なギャンブルって事は、今までのようにすんなり勝たせる気はないのだろう。…少し、真面目にやらなきゃな。だが…
「絶対にかぁぁぁつ!!」
児島は拳を握りよく分からない叫びをあげる…この暑苦しさはどうにかならんものかね
「じゃあ、一回目ぇぇえっ!!」
先に児島が一回目のサイコロを振る。…出目は4だ。まぁまぁか
「じゃ、河内!!投げろっ!!」
そして次は俺の番。振ってみると…
「…2か」
いきなり小さい目を出してしまった。憐香もこれには怒りを隠さず…怒られる
「淳…貴方、真面目にやってますの!?」
「…はい…」
「…ここであんまり小さい数字を出したら、淳の勝ちは無くなりますわよ?そうなったら私が…」
「簡単には負けないって。まぁ見てな」
そして二回目、児島の番だ。…次の目が、結構鍵になるが…
「だぁぁぁっしゃぁぁっ!!」
暑苦しい雄叫びをあげ、サイコロを投げる。…出目は…1だ
「サイコロの1って、日の丸弁当にみえますわね」
「憐香、いきなり意味の分からないことを言うんじゃねぇ」
「なんで1だぁぁぁっ!?」
次は俺、か
「そいっ」
俺は適当にサイコロを振ると、俺の出目は5だ。これで児島は5、俺は7になる
「むぐ…やるな河内!!だが、まだまだ勝負はこれからだぜ!!」
児島は顔はめっちゃくちゃ焦りながらも、なんかまだ強がってる。…こいつ、人に勝負挑んでこの様か
「ほら、児島。早く三回目をやるぞ」
「うっ…わ、分かってんだよ!!しゃぁぁぁ!!」
児島がサイコロを投げると…今度の出目が引かれる…んだよな…えーと…
「しまったぁぁぁあっ!?」
児島が頭を抱えて苦しんでいる。…なんでかって?そりゃぁ…
「…お前、6って事は…-1じゃねぇか」
6だった。…三回目の目は今までの数を引かれてしまうのだ。…この時点で、俺はマイナスになることはないので、俺の勝ちが決まった。…って、このままだと話が終わるフラグか!?
「うぅ…ちくしょう、お前には勝てないのか、河内ぃ…!!」
「さぁな。強いていうなら…お前はやっぱり空回りが似合ってるんじゃないか?」
「うがっ!?」
なんか矢印っぽいものが児島に刺さったように見えた。…まぁ、むしろそうにしかみえないんだが
「…勝ちましたわね」
ほっとしたような、ただものすごい不愉快な顔を憐香はしている。…まぁ、勝負結果は相手の自滅…おもしろくはないよな
「ま、勝ったからいーじゃねぇか」
「その一言で済むなら私はこんな気苦労をしないですわ…」
憐香はため息を吐き、児島を指差す。視線をそちらに向けると…児島は拳を握っていた
「だがっ!!まだ実力で負けた訳じゃないっ!!主人公は、負けてこそ強くなるからなっ!!」
…いまだに自分が主人公だと思ってるのか、全く残念な奴…
熱く吠える児島をよそに、ため息しか出ない俺と憐香であった…