河内 蜜柑
「…ふぁあ…」
とある朝、俺、河内淳は朝7時にいつも通り起きた。ただ、今日は日曜日。残念ながら早く起きる必要性が無かった
「…部活も無いし、今日は暇だ…」
俺が今活動してるショー部は日曜は休み。理由は「カオルは日曜は何かしら用事があって休む」かららしい。その理由は時雨先輩も知らないようだが、まぁ、今はどうでもいいや
「…二度寝するか」
そうだ、こういう日は二度寝に限る。学生の…というか、休日の特権だよなっ!
だが、その安眠を妨害するのが、一人居るんだ、今回はそいつの紹介の回…
「おぉぉきぃぃぃろぉぉぉっ!」
…来たよ、うん
部屋のドアを勢いよく開け、髪を乱しながら俺の元に歩み寄ってきたのは俺の妹、河内 蜜柑だ。俺の1つ下で、ちゃんと血の繋がった妹である
「兄ちゃん!ご飯まら!?」
「…今日くらい自分で作れないのか?」
「無理!!」
「即答かよ…」
実際「妹キャラ」って結構万人受けするんだが、俺の妹は違う、確かに世間体は美人なんだ、身長は小さめだが上下ジャージからしっかり主張する胸、細い足、俺も外見は可愛いとは思う。だが中身が無さすぎるんだ。服もさほど種類は無く、化粧道具も無い。家事も出来ない割りにほとんど出歩かない、いわゆる「ひっきー」って奴かな
「早く起きてご飯をつくって下さいなのら~!」
「…仕方ないな…分かったよ」
俺は仕方なく布団から出る。それを見ると蜜柑は笑顔になり、早足に台所に向かっていった
「…ほいよ」
「今日はめらま焼きにしじみの味噌汁なのら~!いららきます~!」
「はいはい、じゃ、いただきます」
二人で食卓を囲み、少し遅い食事を取る。…気付いたかと思うが、俺の妹は舌ったらずで「だぢづでど」が言えないのだ。…けして著者が打ち間違えた訳じゃない。理解してくれ
「ごちそう様なのら~!」
「はいはい、ごちそうさん」
そして朝飯が終わり、ある程度の身支度を済ませる。…さて、何をしようかね
「兄ちゃん!!」
「…ん?」
するといきなり蜜柑が俺の部屋にまた入ってきた。…だが、珍しく着替えをしてる。出掛けるのか?嫌な予感しかしないんだが…
「あのねにい「悪い、嫌だ」
「まら私何も言ってないのに!?」
ショックで固まる蜜柑。仕方ないだろ、お前に絡むとろくなことが無いからな
「仕方ないだろ、どうせまたろくな事考えてないんだろ?」
「んな事ないよー!らから聞いてよ~!」
必死に懇願してくる蜜柑。目には涙まで浮かべている。…こうなると大変だ。仕方ない、聞くか…
「…分かった分かった、で、何があったんだ?」
「あの~、今日、兄ちゃんが行ってる学校に連れてってほしいのら!」
「…は?」
どうやら蜜柑は俺の通う学校に行ってみたいらしい。…意図は分からないが、別に断る理由は無いか
「あぁ、分かったよ」
「本当?やったのら~!」
そして俺と蜜柑は、学校に向かうことになった…
のだが
残念ながら、今日は開校記念日で門が閉められて入れなかったよ。勿論蜜柑はその日はずっと不機嫌でしたよ。…しゃーねーじゃん、入れないもんはよ!