かしましい…?
「おい、蜜柑、猫原。起きろ。寝正月は許さねぇからな」
「むー…」
「にゃー…」
今日は1月1日。元旦だ。新年になった訳だが、河内家の生活は変わらない。…というより、気を抜いたらあの二人が何もしないからな
「ご飯なのら!!」
「にゃ!!」
「…ったく、無理してがっつくなよ?腹壊すぞ」
とりあえず三人を起こし、買ってあるおせちを食べる。…やることねぇなぁ
「おにーちゃん!!私、猫ちゃんと初詣行く!!」
と、ここで蜜柑がお願いをしてくる。…ま、自ら外に出たがるのはいいことだな
「おう、行ってこい。…あ、どうせ縁日にも行くんだろうから、ほら金」
「うわぁ♪ありがとうおにーちゃん!」
俺はとりあえずお金を蜜柑に渡し、猫原と共に出掛ける妹を見送る。そしてとりあえず洗い物を済ませるが…
「…暇だな」
テレビを見るにも特番ばっかで見る気にならないし、掃除とかもないしな…さて、困ったな
「…」
そういや、あのケーキの件以来部活は行われておらず、学校に行ってない。…部活があったら違うんだろうな
…っと、考えてたらインターホンが鳴った。…あ~…フラグか?さっきの俺の考えはフラグなのか!?
とりあえず俺はそのまま玄関に行き、ドアを開ける。…すると
「…このフラグ、前にも見ましたね、淳様。明けましておめでとうございます」
「…明けましておめでとうございます、奏夢さん」
玄関にはいつもの執事服を来た奏夢さんがいた。少し先を見ると、なんかデカイ車が…なんか前にあったな
「…てことは、俺に拒否権はないんすね?」
俺が苦笑いで奏夢さんを見ると、奏夢さんはいつも通り涼しい顔で答える
「はい」
…一言かぁー。拒否権なしかぁー。大変だなぁー
まぁとりあえず抵抗しても無駄なので、とりあえず奏夢さんの車に乗り、どこかへ向かう…
「着きました」
「…ここは…桜先輩の家?」
奏夢さんがつれてきてくれたのは、桜先輩の家だった。…なぜ?
「早く行ってください」
「は?で、でも…人ん家っすよ?」
「桜家と大道寺家は敵対してるわけじゃありませんから、顔が通るんですよ。もう許可はいただいてます」
「…な、なら…」
そして奏夢さんに促されるままに桜家に入る…
「あ、明けましておめでとうだよぉ♪」
「…あ、ぁ、はい…」
家の中に入ると、車イスの桜先輩が迎えてくれた。ただ、服装は着物で、髪の毛は後ろでまとめている
「どうせだからオシャレしてみたんだけどぉ…可愛い?」
「…あ、ま、まぁ…可愛い方だと思いますよ?」
「そうぉぉ?♪やったぁ♪」
桜先輩は満面の笑みを浮かべる。…恥ずかしいな
「…本当、腹立たしいな、弓佳」
「…うん、妬いちゃう」
後ろからは遅れてやってきた時雨先輩と阿見津先輩がいた。…なんか機嫌悪そうだな。この二人も着物か
「あけましておめでとうございます、時雨先輩、阿見津先輩」
「明けたな、河内」
「…今年もよろしくね?」
「…で、今日は何をするんすか?」
そこで俺が本題を切り出す。今日の目的はなんだか分からないしな
「うにゅ…まだ風ちゃんと憐にゃんがまだだよぉ?」
「…あ、そういえば確かに…」
今日の遅れ組は風と憐香だ。…あれ?憐香はなぜ奏夢さんと別れてる?
「いや、あの二人も来てはいるぜ?ただ、まだ着替えが終わってないだけだ」
時雨先輩が補足で説明してくれる。…二人も着物なのか?
「遅れました~♪」
「…ですわね」
「おぅっ!?」
近くの部屋から出てきた二人を見るや否や、驚いてしまった。…あ、あれれ?なんで二人は巫女服?
「うちの家に服が二着あったからぁ、じゃんけんで勝った人が着るって感じなんだぁ♪」
「で、風と憐香が勝ったと」
「どぉ?似合うかな?」
風がターンしながら聞いてくる。…まぁ、普通に似合ってるんだよな
「…普通なら、負けた人が着るものではなくて…?」
憐香の方は恥ずかしがりながらうつ向いている。…らしくねぇなぁ
「じゃぁ、皆揃ったしぃ、行くよぉ、初詣♪」
こうしていつもとちょっと違うショー部は、初詣へと赴いていく…