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突撃ぃぃいっ!!

「…」


冬休み前、最後の登校日の放課後。俺は今、部室の前にいる。…1ヶ月の間、学校に来てなかったせいで、入りにくい。桜先輩はまだ入院中だから…後ろめたさがある


「…こんなとき、風が居たらよかったんだが…」


今日は風は用事があって遅れてくるらしい。…ずいぶん慌ててたが、なんなんだろうな


だがここで立ち止まっても仕方ない、と思い、ドアに手をかけると…


「…あら、淳」


憐香がやって来た。どうやら掃除が終わって来たらしい


「久々に部活に顔を出すのね」


「…まぁな」


「どうして開けないのかしら?こんな所で立ち止まって…」


「いや…まぁ、なんとなく、な」


桜先輩が居ない部活…


「早く入りなさいよっ!!」


中々開けない俺にしびれを切らし、憐香は無理矢理ドアを開けた。…


「…あれ?」


「…」


誰も…居ない?俺が疑問に思い立ち止まってるが、憐香は何事も無いように荷物を置く


「…今日、部活あるんだよな?」


「あるはずですわよ?時雨先輩から『少し遅くなるから、待ってな』ですってよ」


「…?」


風だけじゃなく、時雨先輩も遅れる?…偶然?


「ま、その間、いつも通りだらけて待つとしましょう?」


「は、はぁ…じゃラノベ読むか…」


とりあえず鞄からラノベを出し、読み出す。憐香はティーカップに紅茶を注いで飲んでいた。…居づらいなぁ…


「…飲みますかしら?」


「…もらおうかな」


憐香が気を利かして紅茶をいれてくれる。…うまい


「…レモンか」


「ですわね。私は基本レモンでいただきますわね」


「この甘さ…癒されるわぁ…」


「…では、その癒しは取っ払いますわね」


「は?」


そして…


「にゃっほーいっ!!」


「突撃だ、カオルっ!!」


「…車イス…壊れちゃいますよ…」


「まーま、弓佳先輩、固いこと言わないでっ♪」


「イェースッ!!」


…急にドアが開き、桜先輩たちが流れ込んできた。桜先輩は車イスで、時雨先輩が押している。…つうか…


「桜先輩!?もういいんすか!?」


そこだ、そこだよ。なんで桜先輩がここに!?怪我は結構重かったはずだが…


「いやぁ…この学校、車イスの設備が整ってるからぁ、それなら学校行っちゃぇ~的なぁ?」


「的なって…そんな単純な…」


「杞憂だったな、河内」


「…ウチの部長、甘く見ちゃダメだよ、河内君」


「…」


イヤイヤイヤ、皆止めようか!?まだまだ入院した方がいいんでしょ!?


「だからあっつんも元気にならなきゃね?」


「そうネ!元気じゃないアツシ、らしくないヨ!!」


…要するに、励ますためにこんな事を?ったく…無茶してくれる


「あっちゅん♪」


「…なんすか」


桜先輩が笑顔で近づいてくる。それはあの事故が起こる前と何も変わっていない。そして、この空間も何も変わっていない…なんか、安心だな


「じゃ、年末最後の勝負、しよっかぁ?」


「…は?」


そして桜先輩が俺の手をつかんで高々にあげる


「ショー部のぉ…♪」


「「勝負!!」」


「え、ぇ、ぇぇ!??」


なんで!?

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