勝負!⑫…仁義なき雪合戦!!(笑)~合戦だ!!…寒い…~
「よーし…始まりだよっ♪」
俺たちショー部+αは2チームに分かれ、雪合戦が始まった
=河内チーム視点=
俺たちのチームは指示通り動き始める。俺は自陣の最奥で蜜柑と待機だ
「…暇らね~…」
「…」
壁は思った以上に高く、俺の肩くらいまではある。だから皆の位置は確認できるが、何をしてるか分からない。…今確認できるのは、この戦いが既に始まっている事だ
桜コハル対桜カオル
草影奏夢対アリス・ミルフォード&大道寺憐香
…奏夢さんに二人を当ててきたか。…阿見津先輩の読み通り、誰かがノーマークだな。とにかく奏夢さんには頑張ってもらわなきゃ…
「…うぅ…」
すると、風が俺らの所に帰ってきた。…え?
「風?まさか…」
「ごめん、あっつん…やられちゃった」
「はぁ!?誰にだ!?」
「…羽根黒先生に…」
風が伏し目がちに言われ、正直せめる気持ちにはなれないが、まさか先生を風にぶつけて、そして先生が勝つなんて…
「…作戦変更だな。蜜柑、うちの先生を抑えて来い」
「ふぇ!?…わ、分かったのら…」
風は不安そうな顔をしながら風が来た方へ歩き出す。…少しまずいな
「…でも、いい報告もあるんだ。草影さんが憐香を撃破だよ。まだミルちゃんと投げ合ってるけど、それも優勢だから、多分近々帰ってくるよ」
「そうか。…さて…」
…この状況、阿見津先輩はどう動く気かな…
=時雨チームサイド=
「…そうか、草影にね…」
「…申し訳ありませんわ」
こちらの陣に大道寺が負けて帰還してきた。どうやら草影は想定以上に出来るらしい。さらにアリスがおされてるとの報告…羽根黒先生が朝野を倒しても、気が抜けないか…
「羽根黒先生、疲れてるでしょうけどアリスの救援お願いします」
「……分かったよ…なんとか頑張るから…」
羽根黒先生は笑顔で向かう。…なんか、あれだけ生き生きしてる先生、はじめてだな…
「さて…三笠、気付いた?」
「…まぁ、それはね」
アタシは隣にいる三笠に唐突に確認を取る。どうやら三笠もコレには気付いたらしい
「「弓佳が、居ない」」
どうやら弓佳が居場所不明なのだ。カオルはコハルと、羽根黒先生は朝野、憐香とアリスは草影と合戦していて、河内妹は河内の傍にいるらしいけど、弓佳の目撃情報だけがない
「…多分、間違いない」
私は三笠に耳打ちする。…そうなのだ。多分弓佳は…
「近くに居るんでしょうね」
「…三笠、アタシたちも草影に当たるよ!ここで相手の戦力を潰す!」
「あぁ…っくしゅんっ!」
とりあえずアタシと三笠は自陣を離れ、草影のもとへ…
=河内サイド=
「…ふう。観念してください」
「…負けたヨ…」
バカを倒し、今、私はアリスを倒した。そのまま自陣に戻ろうと歩き出すのですが、阿見津さんがやって来た。阿見津さんは何やら慌てているご様子。…?
「阿見津さん?どうされましたか?」
『瞳先輩と三笠さんが来る!早く逃げなきゃ!』
阿見津先輩が高速で書き上げる。…二人が来るなら、むしろ私が討ち取れば済むのではないのでしょうか…
「…何故ですか?」
『今、河内君に護衛がいないんだ。だから今貴女がやられたらそのまま攻められちゃう!』
「私は別に負けても構いませんが。バカを討ち取れればそれで…」
『ショー部のやり方に、妥協はないんですよ!』
阿見津さんがさらに文章を書いている。…ショー部のやり方…これがあのバカを…仕方ありません。私は一息ため息をつき
「ふぅ…分かりました、戻りましょう」
『うん!』
そして私は自陣に足を向けた…
「…そうっすか、お疲れっす、奏夢さん」
俺は戻ってきた奏夢さんを労う。…まさか、二人とも撃破なんてね
「私はこれでも金持ちのボンボンの執事ですから、ある程度力には自信ありますから」
「はは…」
とりあえず奏夢さんにはここからは俺の護衛を任せる事にした。…蜜柑が迷子になったみたいだから、一人じゃ心細かったしな
「…で、これからどうするんすか、阿見津先輩?先輩が来たって事は、奇襲はうまくいかないんすよね?」
『そうなの、瞳先輩が三笠さんと共に前線に上がって来たんだよね。だから私たちはとりあえずコハルちゃんの所に』
「たいしょー首ー♪もーらったぁ♪」
「ぃっ!!?」
阿見津先輩が書き終えるより先に、桜先輩が壁の先から現れ雪だまを投げてきた。俺はかろうじてそれを避けるが、桜先輩はまだゆきだまのストックを持っていた
「…桜先輩、コハルを倒したんすね」
「うん♪」
いつも通りにこやかに言う桜先輩。ただ、目が真剣だった。…まずいな…
「…?あれは…」
と、ここで奏夢さんがなにかに気付いたようだ。そして口元が緩む。…なんだ?
「淳様、どうやらこのピンチは切り抜けられますよ」
「え?それは…」
そして奏夢さんがウィンクをする。すると桜先輩の後ろから…
「??」
「たーっ!!」
蜜柑だった。蜜柑は雪だまを見事桜先輩にぶつける。…そんなとこに居たのかよ
「ふにゅ~…やられちゃったぁ」
「冷や汗かかせますね、桜先輩」
「まだまだぁ♪たいしょーがやられるまでは続くんだから、勝負はまだまだぁ♪」
「そうだ、まだ終わらないさ」
そして時雨先輩、三笠先輩、羽根黒先生もやって来た。ちゃっかり蜜柑は雪だまを当てられアウト。これで人数は3対3。…投げ合うか
「悪いな河内、私たちには秘策がある」
「…は?」
すると時雨先輩は一旦壁の後ろに下がり、戻って来ると時雨先輩の手には…
「…あのー、どーいう原理で?」
…なんかでっかい雪だまをもっていらっしゃる。それも俺たち3人を軽々飲み込むような。それを一人で軽々と…化け物かよっ!!
「じゃ、終わりだ」
「えぇぇっ!!?」
そしてそれが俺たちに向かって投げられる。…当然3人ともその玉に飲み込まれ、勝負は時雨チームの勝利に終わった…
…終わらせ方が無茶苦茶すぎるぜ、時雨先輩…
「いや、だってこのくだり飽きたし…」
飽きたとか言っちゃダメーっ!?