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わんこそば

「うぃーっす」


「お、お疲れさん、河内」


とある日の部活、俺が部室に来てみると、桜先輩以外全員が部室に揃っていた。とりあえず俺は荷物を置き、席に座る


「なぁ河内。わんこそばってチャレンジしたことあるか?」


「わんこそばっすか…いや、ないっす」


どうやら今日の話題はわんこそばの話らしい…なんでこんな話をしてるのやら


『あれ、結構テレビとかでやってるけど、あれっておいしいと思う?』


「…う~ん」


「あのね、私はそば好きだから、わんこそばもおいしいと思うんだけど…」


「私から言わせれば、あんな丸のみの様な状態で味なんて分からないんではなくて?」


…風と憐香、両者の言い分は筋が通ってるな。…でもなんでこんな話を…


「河内はどう思う?」


「俺っすか?う~ん…実際に体験してみないとなんとも言えないと思うんすけど…」


「体験しなきゃ…ねぇ」


「!?」


俺が話した瞬間、時雨先輩の目の色が変わった。…なんか、やばいような…


『これはもうやるしかないね?』


「あっつん…男だよ!」


「わざわざ首を突っ込みたがるのですわね、淳」


「…」


…分かったぞ…


「やれ、って事っすか」


「「うん!!」」


…居るメンバー全員がやらせる気満々だな、ちくしょう…


「じゃ、準備するから少し待ってな」


「…はいはい…」


そして桜先輩以外のショー部の面々が準備をはじめだした。…はぁ…



「…で…なんで三笠先輩がここに?」


「あら、私が居るのは変かな?」


「…いや…まぁ…変っす」


準備が完了すると、皆がエプロンと頭巾姿に変わっていた。そして何故か三笠先輩がそばの準備をしていた


「私の実家は蕎麦屋なの。このような事は得意なのよ」


「へぇ~…」


「ささ、あっつん♪ここに座って♪」


「…」


そして俺は席に座らされ、箸と器を持たされる。…どうやら本気でやるようだ


「とりあえず20皿で終わるからな、あくまで試験みたいなものだ、河内。気楽に食え」


「はいはい、分かりましたよ…」


「じゃあ、行きますわよ!よーい…」


「はじめっ!」


そしてわんこそばを食べ始める。…


「はい」


「はい」


ずるるー…


「うぃっす」


「はい」


じゅるる~…


「おいっす」


「はい」


ずるー…


こんな事を20回繰り返し、予定数量を食べ尽くした


「ふう…なかなかうまかったっすよ、三笠先輩」


「まぁ、蕎麦屋の娘ならこれくらいは出来なきゃね」


「で、だ。どうだ河内、楽しいか?」


「…ん~…どうせ飯を食うんなら、落ち着いて食いたいっすね」


「ほらご覧なさい風。やはりよろしくありませんわね」


「でもあっつんはおいしいって…」


どうやら結論はわんこそばをするくらいなら普通に蕎麦を食べようって言う事になったらしい


「いゃっほーっ!」


「あ、カオル先輩来たっ!!こんにちわーっ!」


するとやっと桜先輩がやって来た。桜先輩は机の上にあるお椀の山と三笠先輩を交互に眺め、首をかしげる


「…何をやってたのぉ?」


『わんこそばだよ』


阿見津先輩は携帯の画面を見せると、桜先輩は驚いた目で見て、俯いてしまった。…待つべきだったか?こー言うことは好きだからなぁ


「…か、カオル?」


恐る恐る時雨先輩が声をかける。すると…桜先輩は勢いよく顔をあげ…


「わんこはそばにしちゃだめだよっ!!食べちゃダメだよぉ!!」



「「当たり前だっ!!」」


…桜先輩、わんこそばを知らなかったのであった

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