ぴくにっく
「…ちぃーす」
『おはよう。早いんだね』
「…いや、もう5分前っす。実際これでも遅く来たほうじゃないんすかね」
『ショー部は基本時間には縛られないから』
GW2日目、俺は約束した通りの時間帯に鍾乳洞前に辿り着いた。ただ…集まったのは亜見津先輩のみ。まあ、集合時間になったわけじゃないし、気長に待つとしましょうか
五分後…
「悪い、待たせたな」
「あ、時雨先輩。ちわーす」
待ち合わせ時間丁度に時雨先輩が合流した。だけど風と桜先輩がまだだな。…まあ、まだ時間あるし、気長に待とうか
十分後…
「…来ないっすね」
「カオルには時間の縛りがないからなあ」
『気長に待つしかない』
「…しゃあないっすね」
30分後…
遅い、遅すぎる。なぜ来ない…
「先輩方、桜先輩のアドとか知らないんすか?」
「知ってはいるんだけど…今電源切ってるみたいでね」
時雨先輩は困り顔で答える。…電源ぐらい入れとけよ!
「す、すいません!遅れましたあっ!」
そこに風が現れる。…おいおい、なぜ寝坊したし…
「ば、バスを間違えて逆方向に行っちゃって…!」
…まあいいや。これで残るは、桜先輩のみ…
「おはよーっ」
…噂をすれば何とやら。桜先輩がいらっしゃいましたよ
「ごめんねー、ちょっと車が止まっちゃって…」
「車?」
「ああ、カオルは桜財閥の一人娘なのよ」
「桜…財閥ッすか」
名前だけは聞いたことはある。確かここら辺一帯の産業の総括事業を受け持ってる会社だよな。…社長令嬢なのか
「よーし、皆集まったみたいだし、ここいらでやっちゃおうか、ひとみん!?」
なにやら桜先輩が時雨先輩に了解を得たようだ。そして桜先輩は右手をグーに握り、拳を突き上げ叫ぶ。
「じゃあ、ここら辺でショー部ぴくにっくを実行しよー!」
はい、またよくわからない話が始まりましたよー
「今回のルールはいたってシンプル!鍾乳洞に二人ペアで入って、中にある鍾乳洞の珍しいものを写真に収めてきてね!ペアはこのくじで決めるよ!」
そして俺たちの前にはティッシュ箱が置かれた。その中にどうやらくじが入っているようだった
「でも桜先輩、俺たち全員で5人ッすよ?1人あまる…」
「それは大丈夫!もう一組は3人ペアになるように作っておいたから♪」
…初めっからそう説明しろよ!というのは言わなかったよ。耐えたよ!
「じゃー、引いてー♪」
そして五人がくじを引く。ここからショー部式ピクニックの始まり始まり~