Final life 10
───その翌日、咎人として元Dマスター5人が断頭台へ登り、その日の最後の1人ガーネット・カルサイトが裁きを受け、また1つ歴史が動いた。
「トパーズ…」
「終わったな」
「え?」
「お前の旅がようやく終わったな、ジルコン」
「…あぁ。ありがとなトパーズ」
ジルコンが俺に向かって笑った。
俺も笑い返す。
「で、これなんだけど…」
ジルコンが俺の手に何かを置いた。
「指輪?」
「断頭台に登る前までつけてたんだって。…これさ結婚指輪だろ?お前の母さんとの…名前彫ってあったし」
その指輪は酷く冷たくて強く握りこんだ手を俺は額にあてた。
ジルコンが笑う。
「お前が持っててやれよ」
父さん───。
泣きそうになって目を閉じた。
あなたとの思い出があと少しでも欲しかった。でも、あなたは犯した罪を命で払ってしまったからそれももう叶わない。
ジルコンが俺の額に額をぶつけてきた。
「がんばろうな」
俺はあなたのようにはならないよ。
親友が家族や大切な人ともっと人を愛して生きる。
あなたがその命を持ってしても払い切れなかった罪を払いながら───。
───── ジルコン ─────
ガーネットが裁きを受けた日の午後、ダイヤモンドを渡した4人がセントラルにやってきた。
俺が死にかけてる時にトパーズが連絡してたんだそうだ。
「おぉここがセントラルか」
ラリマーが馬車を降りて言った。
「初めてきたのか?」
「うん」
「あ、そうだお前名前!!名字知らねぇよ俺」
「あるわけねぇだろ。親いねぇんだぞ」
「す、すまん」
「いやいいけど…。あれ、あいつもそうか?」
「え?」
ラリマーの指さした方を見るとフローが手を振りながら歩いてきた。
「ジルコン!!」
「よ、よぉフロー!!元気だったか?」
「あぁ!!お前、手紙寄こさないからオーナーも寂しがってたぞ」
「悪い!!それどころじゃなくてさ」
「ふーん」
「ジールーコーン。誰よその子」
殺気に気がついて恐る恐る振り返ると鬼のような顔をしたルビーが立っていた。
「あ、あぁこいつ新しいファイヤーのDマスターになる…」
「フロー・ライトだ。お前は?」
「おま…っ!?わ、私はルビー、ルビー・コーラル。ジルコンの恋人です」
「………あっそう……」
傍にいたトパーズがこっそり耳打ちしてきた。
「おいおいジルコンちゃんよ、二股なんて最低だぞ?」
「いらんこと言うな!!ほんっとお前やめて!!」
「お、ラブラさんだ」
「え?」
ナイスタイミングだラブラ!!
「おージルコン!!トパーズ!!」
「お久しぶりです」
「ども」
「新任式とかかったるいなほんと」
「まぁ、いいじゃん」
「…お前ちょっと痩せたか?骸骨みたいになってるぞ」
「怖いことゆーな!!少し前まで死にかけてただけだよ!!」
「あ、そうだラブラさん。フルネーム教えてくださいよ」
「フルネーム?言ってなかったっけ?」
「はい」
「ラブラ・ド・ライトだよ」
「ライト…?」
フローと同じだ。
「ライトって名字は意外と多いんだぜ。そこの嬢さんとは血は繋がってねーからな」
「思考を読むな!!」
「顔に出てんだよ。お前にポーカーフェイスは無理だな」
「なんだよ!!」
「あ、ポーカーフェイスといえば…」
「ジルコン!!トパーズ!!」
「ん?」
向こうからゆっくりとした足取りで情報屋が歩いてきた。
「情報屋!!よく来たな」
「あぁ。お前ついこの間まで死にかけだったんだって?」
「いつ聞いたんだよ」
「俺の情報網を甘く見るなよ」
ニヤリと情報屋が笑った。
「いや、マジですごいな」
「まさか本気で成し遂げるなんてな。驚いたよ」
「ハハッ俺だって信じらんないよ。俺スゲー」
「あ、そうだ情報屋、お前名前教えてくれる約束だったよな!!」
「おぉそうだ!!なんなんだよ!!」
「あぁ、俺の名は…」
少しドキドキしながら次の言葉を待つ。
「秘密だ」
「えぇぇぇえ!?情報屋そりゃないぜ!!」
「いつか教えてやるとは言ったが、次会った時に教えるなんて言ってないからな」
「ぐ…っ正論…っ!!」
「どうせ明日の新任式でわかるんだ、焦るなよ」
「ちっくしょ!!」
「すっげぇ気になる!!」
「ハハッ」
「ところでセントラルのDマスターって誰なんだ?」
ラブラが会話に入ってきた。
「あっ俺も知りたい」
「私もだ」
3人共目を光らせている。情報屋はニコニコしているから、もう知っているのだろう。
「お……俺…」
「は?なんて?」
「俺!!」
「え!?ジルコン!?」
「うっそ似合わねぇ!!」
「大丈夫かこの国!!」
「それ以上言うのやめてあげてくれ!!ジルコン泣きそう!!」
「ほんとだ!!」
「うっせー!!」
ほっとした。皆変わってない。任せられる。
よろしくお願いします!




