Final life 3
魔力が飛んできて避ける。
「トパーズ…ッ」
「ごめん」
トパーズが剣を構えて言った。
「こんなつもりなかったのに。…言うつもり…なんて…」
トパーズが剣を振りかぶる。
慌ててバリアをはって弾く。
「トパーズやめろ!!」
傍にあった植木鉢が割れて飛んできた。
避けられず皮膚を裂かれる。
「お前と戦いたいわけじゃない!!」
正直裏切られたような気がしないわけでもない。
でも笑って傍にいてくれたから
「同じだな」
「───え?」
「父さんがお前の両親を殺した時と同じだ」
氷が飛んできて避けると土の塊がぶつかってきた。
「…………っ」
「折角だし話そうか」
蔓が鞭のようにしなって唸りをあげる。
背中に当たって焼け付くような痛みが広がった。
「…………っ」
「父さんとお前の両親は昔から仲が良かったんだ。親父さんと父さんは仲良くて…気があった。そんな中で気が合うにもほどすぎることがあったんだよ。2人はお前のお母さんをとりあったんだ」
え…!?
トパーズの振るった剣が服をかすめる。
「トパーズ…ッ」
「…結局父さんはそれに負けちゃってね…。それから少し経って出会った今の俺の母さんと結婚したんだ。諦めるために街まで出た。でもそんな時に夫婦になったカーヴィン夫妻が越してきたんだ。父さんが住み始めた街に───。その時にはもう俺は母さんの腹の中にいてあともう少し経てば生まれる頃だった」
父さん達がガーネットの移住した街に越したってことはトパーズの話では俺は生まれてないことになる。
俺はこの街で生まれ、それから移住してないらしいから…
この街でのことか…!!
「カーヴィン夫妻はまるで見せ付けるようにお互いを愛していたそうだよ。ジルコン、お前の母親を見てやっと忘れられそうだった想いが募り始めたんだ」
風を起こして俺に飛ばす。
「いっ…」
血が吹く。
「俺が生まれてからも3年間、この人は耐えたんだよ。そしてついに抑えきれなくなった。父さんは俺の母さんと離縁して2年間でこの街のDマスターに登りつめた。強く、強く、ただ1つあの女性の隣へ行くために」
蔓で腕をとられ、引っ張られる。
トパーズの傍まで引っ張られると足を払われた。
背中から倒れる。
起き上がろうとすると両肩を膝で押さえられた。
喉許に剣の先があたる。
どうする。このままだと殺されるだけだ。
だけどトパーズと戦いたくない。怪我をさせたくない。
「そしてお前の母親に会いに行ったんだよ。今度こそ結婚してくれと言った。まぁ…俺は当時の夫妻の仲を知っているからね、もちろん承諾されなかった。自分はこんなに努力をした
のに何故愛されないのか───。あとはお前の見たあの瞬間に繋がっていくんだ」
首の横にトパーズが剣を刺した。
「わかるか?愛している人に受け入れられない気持ちが」
「でも…愛している人が幸せなら…っそれでいいじゃねぇか…」
「じゃあどうして傍に来るんだ。忘れられそうだったのに」
「両親はガーネットを本当にいい友達だと思ってたんじゃねぇの!!」
「ジルコン」
「あぁ!?」
「俺にルビーをちょうだい」
「…は?」
「俺は誰かを殺したくないんだ」
「…お前それ本気で言ってんの」
「うん」
フツリと何か切れた音がした。
「嫌だ!!第一ルビーは俺のものじゃないしお前のものでもない!!」
まだな!!
「…そっか…」
地面から剣を抜く音が聞こえてトパーズが大きく振りかぶって───振りおろした。
よろしくお願いします!