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STONE LIFE  作者: 緋絽
43/65

4人目 始まりの核へと 7

───── トパーズ ─────

ジルコンの肩から血が吹き出す。

「あ…」

くすくすとジェードが笑った。

「ねぇ見ててよ。自分のせいで誰かが死ぬのって一番応えるでしょ?」

「…やめろ…」

「今、あの方も来てるんだ。あいつが死んでいくのを満足気な顔で見ているはずだよ」

「!!」

来てる…ジルコンの両親を殺した奴が…。

俺は…なんで…ここでこんなことをしている…。

ジルコンの負担になるために一緒にいるわけじゃないと言ったのは嘘じゃないはずだ。

なのにどうしてこんなことになってる?

守られる側から抜けるためにあの時『ジルコン』を殺したんじゃなかったか。

───共に闘うために守ることも守られることもしないとあの日誓ったはずだろう。

ジェードの手を強く掴む。

「何…?痛いよ…」

「離せ」

ピクッとジェードが反応した。

体の中で熱い血が巡る。

こいつへの黒い感情がこみあげてきた。

それを隠すこともせずジェードを睨む。

「離せと言ったんだ!!」

ジェードの顔に畏怖と驚愕が広がる。

「離せ!!離せ!!離せ!!離せ!!」

言葉に魔力がのってジェードを飛ばした。

肩で息をつく。

風が治まっていた。


───── ジルコン ─────

何だ今の…。

魔力の重さが急に増えて…。

「ジルコン!!」

我に返ってトパーズを見ると心配そうに俺を見ていた。

俺に駆け寄る。

「ゴメン…その傷…」

「え?」

ズキッと頭に鈍痛が響いた。

「あ、イテッ」

傷に触れるとぬるりとした感触がした。

「うわ超血出てんじゃん」

「そんなのまだ可愛いほうだぜ」

「え?」

「ほら」

俺の肩や足を指さした。

血が垂れに垂れ、赤黒くなっていた。服が血のせいで重さを持っている。

「高熱出すこと間違いなし」

「えぇ~~…」

いつの間にか魔力は軽くなっていた。

「見た!?見た!?見ましたか!?」

声のした方を見ると少しよろめきながら立っているジェードがいた。

「何…こいつ…誰に話しかけてんの…」

「ガーネット様!!見ましたか!?あの時の子が…」

興奮したのか顔を紅潮させている。

「でも今は邪魔ですよね」

「何言って───」

どこからか強い風が吹いて身構える。

「うわっ…」

一瞬にしてトパーズが隣から消えた。

え!?

ドンッと音がして振り返ると壁に手枷をはめられたトパーズが(はりつけ)にされていた。 

ガクンとトパーズの頭が垂れる。

「っ!?ト、トパーズ!?」

「ありがとうございますガーネット様!!大丈夫大丈夫魔力を一気に吸われただけだから。この人にはね、死なれたくないんだ」

「は…?」

「でもねガーネット様は君には最高最悪の舞台で死んでほしいんだって」

「は?」

ジェードが肩手をあげた。

風が襲ってくる。

「だから切り刻むことにした」

結界をはって防ぐ。

舌打ちをしてから土壁を盛り上げた。

スパッと切れる。

ジクジクと傷が痛んだ。

壁を剣に変えて斬りかかる。

ジェードは行動が少し遅く、避けられなかった。

でも体から血が吹こうが一向にかまわないらしい。

ずっと笑ったまま攻撃してくる。

風を背にくらった。

一瞬焼けつくような痛みに息ができなくなって呻く。

床に手をついて魔力を流すとジェードに向かって土の塊が飛んでいった。

立て続けに光を投げつける。

向こうに攻撃させる隙さえあたえなけれな勝てるはずだ。

氷の矢を投げる。

───やばい。負けるかもしれない。

頭を振って不安を振り払う。

弱気になるな。

溜息をつきそうになってそれを飲み込んだ。

“溜息をつくな”

ラブラが言っていた。

今考えるとその意味がよくわかる。

溜息をつくたびに戦意が薄くなるような気がする。

自分で敵に隙を作るってことだ。

前を見るとジェードがいなかった。

何処に行った。

俺の首で風の音がする。

「え?」

「動かないで」

首に風の輪ができた。

「………っ」

歯軋りする。

ジェードの手が俺の首に触れる。

「…この首から血が流れるのを…自分でできないのが残念だよ…」

「………?」

「俺こんなに怪我したの初めてなんだよね。すっごく痛い」

「…だ…っから…?」

「すっごく腹が立つ」

風が消えて蹴られる。

地面に倒れこんで咳込んだ。

肩を掴まれて上向きにされる。

俺の両肩にジェードが膝をのせて身動きができなくさせた。

喉元に俺の持っていた剣があてられる。

「本当にこのまま貫いてやりたいよ」

「………っ」

「でもね、君のとどめはあの方が取るんだって言ってたから」

ピクンと指が動く。

「ほら、君にとどめを刺すために階段を降りてくる足音が聞こえるよ」

ドクンと心臓が鳴った。

そんなもの俺には聞こえない。

だけど

トパーズを見る。

力無く首を下げていた。

死にたくない。

体が震える。

死にたくない死にたくない。

俺はトパーズと、ルビーとじいさんやインカロースだってまだ

…こんなに共に生きたいと願っている。

───貪欲なまでに───。

「ほらもうすぐ戸を開ける───」

体の中で何か弾けた。

どこかで戸の開いた音がした。

俺はそれから逃げるように剣を払う。

剣が遠くへ飛んでいった。

指を曲げて土の拳を作る。

それをジェードに投げた。

ジェードが吹っ飛ぶ。

土壁を作ってジェードにぶちあてた。

「うっ…」

ジェードが顔を歪めた。

炎の矢を飛ばすとジェードの肩に刺さった。

そのまま蔓を伸ばして首に巻く。

そして吊るしあげた。

気絶しろ。

俺は捕まるわけにはいかないんだ。

これから続く長い時間をあいつらと生きたいんだ。

風が吹いて蔓が切れる。

舌打ちをして落ちてくるジェードに氷山を投げた。

それも2つに切られる。

剣を作って斬りかかると腰にかすった。

着地したジェードが風を放ち、避けると方向を変えてついてきた。

追尾型か…。なら…。

ジェードの目の前に移動してギリギリで避ける。

「…チェックメイト───」

スピードのせいで急な方向転換のできない風がジェードを切りつけた。

剣が消えて手錠に変わる。

それに魔力を吸う細工をした。

「く…そ…っガーネット様…!!こいつの命を…!!早くとってください…!!」

「………」

腕についているダイヤモンドを取ろうと手を伸ばすと戸が閉まる音がした。

それと同時に何か倒れるような音がして振り返る。

手枷の外れたトパーズが倒れていた。

「トパーズ!!」

戸の方を見ると人影はなかった。

「………っ」

再びジェードに手を伸ばすと身をよじらせた。

「ガーネット様!!何故です!!俺を見捨てるんですか!!」

ジェードの腕を掴む。

「離せ!!ガーネット様!!」

「お前からDマスターの印を剥奪する」

ダイヤモンドを取った。

「な…んでだ…なんでだ…!!なんで俺が負けるんだ…!!なんでお前なんかに…!!」

「何故?さぁ…」

ダイヤモンドをポケットにつっこんでトパーズを抱えあげる。

「才能ってやつだろう」

───強く歯軋りをした音が聞こえた。


よろしくお願いします!

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