4人目 始まりの核へと 6
───── 翌日 ─────
くぁ…と欠伸をする。
「寒…」
「我慢しろよ。誰だって一緒だ」
冷たい空気が肺に広がった。
その冷たさに一気に目が覚めた。
小さな火をつけて体を温める。
急に全身の毛が逆立った。
誰かに見られているような、そんな感覚だ。
思わず後ろを振り返る。
「何?」
トパーズがその勢いに驚いたのか訝しげに俺を見た。
「何だよ!」
「…いや…なんでも…」
ギャアと叫び声がした。
人間のものではない。───鳥だ。
「いっ今の…」
「行こう!!」
走って叫び声の方へ行く。
ドサッと鳥が落ちた。
手から血が滴る。
がたいのいい男が口から血を拭っていた。
み…見つけた!!
裏へ回って様子を窺う。
「どうだ…?」
「どうって…」
小声でトパーズと話す。
「…普通だけど…」
ダイヤモンドが見つからない。
「…あれ…!!」
トパーズが男を指さした。
「何?」
その先を辿ると男の手首に目がいった。
「あ…」
手首に“D”と刻んである。
ドクッと耳に心臓の音が響く。
───違う。違うけれどこの残忍さは…。
ズバッとすぐ傍にあった木が倒れる。
「え?」
気がつくとまわりの木が音をたてて倒れていた。
自分の姿が露になる。
男が俺達を振り返って笑った。
「待ってたよ」
「え」
地響きがして地面が崩れた。
「ジルコン!!」
トパーズが手を伸ばしている。
そうか。俺の足元だけ崩れたのか。
氷を近くの木に張り付けて上に上がろうとするとその木が切れた。
バカッと水平な面が現れる。
「ジルコン!!」
体が奥へ引きずられていった。
どんどんどんどん落ちていく。
どこに向かってるんだ?
曲がったりただ落ちたりしている。
───と急に視界が開けた。
体が放り出されて強かに肩をぶつける。
「い…ってぇ…」
体中についた泥を払いながら立ち上がる。
「どこだ…」
まるで闘技場のような場所だ。
よく見ると血痕がいたるところについている。
奴隷の血か?
もしかしたらここは天井が開いて賭けごとの場所になるのかもしれない。
かつんとブーツの音がして顔をあげる。
「!!」
さっきの男がトパーズの髪を掴んで笑って立っていた。
「トパーズ!!」
「逃げろジルコン!!こいつ…っ!!」
強く男が髪を引っ張った。
「離せよ!!トパーズを離せ!!」
「いいよ」
「え?」
「………っ!!駄目だ、聞くなジルコン!!」
トパーズが焦るように言った。
男がトパーズの口を塞ぐ。
「…あんた…この街のDマスターか…?」
「そうだよ。俺はジェード」
コクリと喉が鳴った。
「やっぱり…あんたが動物達を殺していたのか?」
「うん。お腹が減ったから」
「狂ってるな。店で食い物買えばいいだろ」
「血と叫び声が調味料なんだ。───あと…少し黙らないとこの人の喉から血が流れるよ」
トパーズの喉の近くで小さな風が起こる。
「………っ」
「これからは俺の話を聞いてね?」
「~~っ~~っ」
トパーズが何か言っている。
よく聞こえない。
「この人を離してあげる。だからかわりに───」
ヒュと後ろから風が吹いた。
とっさに避けるとスピードに敵わず肩から血が吹いた。
「死んでくれる?」
さらに風が襲ってきた。
よろしくお願いします!




