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STONE LIFE  作者: 緋絽
24/65

3人目 3

最後の一切れを飲みこんでラリマーが立ち上がった。

「俺の隠れ家に来るか?安心して話ができるぞ」

「行く」

俺達も立ち上がってラリマーの後ろを付いていく。

中心街から離れて川の方へ歩く。

ラリマーが腰に下げていた袋の中からランプを取り出した。

それに火をつける。

「なんで?」

「この先地下に行くから暗いんだ。これは1人分の明かりだから自分の分の明かりは自分でつけろよ」

「無責任な…」

「文句があるなら来なくてもいいんだぜ」

「行きます!!」

枯れて落ちている枝を拾って火をつける。

───と肩を叩かれた。

「!?」

「よぉ何してんの?」

「トットルコ!!なんでここに?」

「いや、たまたま。そいつがお前らの友人か?」

ラリマーを顎で示してトルコが尋ねた。

「そ、そう!!」

「へぇ。同い年ぐらいかと思ってた」

「意外だった?」

「まぁ…」

チラリとトルコが俺の火を見た。

なんだ?

「お前火をつけるのうまいなー」

「え、そうか?普通だと思うけど…」

「そうか」

「は?」

こけかけて慌てて体勢を直す。

「俺はよぉ」

枯れ葉を拾ってトルコが魔力を流した───と小さ~~い火がつ

いて枯れ葉を燃やしつくした。

「こんなんしかできねぇからさぁ」

「そ…そうか…」

「おい」

ラリマーが呼んだ。

「え」

「行くぞ」

「あ、わかった。じゃあなトルコ」

「あぁ」

ラリマーがぺこりとお辞儀した。

「知り合いか?」

「少しな」

「ふーん」

ラリマーについていくと木の根の下に階段があってそこを下へと降りた。

しばらく歩くと細い道から大きく開けた場所に出た。

ラリマーが中央に歩いていって蝋燭に火をつけると、そこから四方へ火が広がってあっという間にそこが明るくなった。

「よくできてるだろ」

「お前魔力使わないんだな」

「必要に駆られた時だけに使った方がかっこいいだろ」

「…そうか?」

「のれよ!!このノリに!!」

「無茶言うな!!」

ラリマーが椅子を引っ張ってきて座れと促した。

座って枝の火を消す。

「で、何が知りたいんだ?」

「…この街の…Dマスターのこと…」

「!!こりゃ…理由は聞かない方がよさそうだ…」

「何処に住んでるとかわかるか?」

ラリマーが黙って頷いた。

「口頭でしか教えないぞ」

「おう」

「中心街の一角にな、異常なほど変な家があんだよ。地面にトイレの個室ぐらいの大きさの箱があって、そこにドアが1つついてるんだ」

「そ…それはまた奇怪な…」

「地上に家は見当たらねぇんだ」

「てことは…」

トパーズが考え込んでから答えを発した。

「“地下”か…」

「多分」

「じゃあDマスターが10年前、何をしてたかわかるか?」

「それはわかるわけねーじゃん。俺生まれてないころだぜ?」

「そうか…」

ドタドタと階段を降りてくる音がした。

反応して身構える。

「大丈夫だよ」

ラリマーが俺達を制して言った。

「ラリマー!!」

入口から4人の子供達が入ってきてラリマーに飛びついた。

「おかえり」

「今日のご飯なーにー!?」

「わかんないな、あいつが奢ってくれるらしいぞ」

「本当!?」

「あぁ。いっぱい食え!!」

「いや少しはこっちの懐も気にしてくれよ?」

「いいじゃねぇか。こっちは下手したら死ぬかもしれない情報を教えたんだ」

「家の場所だけじゃねーか!!」

「バッカそれでも億単位の価値があんだよ」

「ラリマー」

ラリマーより年下であろう少年がラリマーをつっつく。

「ん?」

「この人達、誰?」

「…俺の友人だよ。セントラルから来たんだ」

「ふぅん?初めて聞いたー!!」

「もう会うことはないだろうと思ってたから離さなかったんだ」

「じゃあ僕らとも友人になるんだ!!」

「そうだよ」

少年が俺達に向かって手を伸ばした。

「初めましてジャスパーだよ」

その手を握る。

「俺はセレスタイン。で、こっちがヘリオドール」

「へえ」

もう1人の少年がジャスパーの手をもぎ取って俺の手を握った。

「俺はアゲート。よろしく」

「あぁ」

その隣でよく顔の似た少女2人がラリマーから離れて俺達に会釈した。

「初めまして私はフェナ」

紙を左で1つにまとめた少女が言った。

「私はカイト。双子なの」

今度は髪を右にまとめている少女が言った。

「へぇ!!よく似てる!!」

「で、今日の収穫は?」

ラリマーが子供達に言った。それぞれがおもむろに手を出した。

「あんまりたくさん貰えなかった」

ジャスパーが落ち込みながらラリマーに何かを渡した。

それに他の子も続く。

「うん…まぁ、こんなもんか」

手に納まった金を見てラリマーが言った。

「これどうしたんだ?」

「働いて稼いだに決まってるだろ。あんなことをするのは俺だけで十分だ」

食物が足りるという意味で言ったのか、それとも別の意味で言ったのか、俺にはわからなかった。

「何をして稼いでるんだ?」

「運び屋だよ。おかげで近道するための道は全部知りつくしてる。何が起きたかも大抵人が話してるのを聞けるから、得してるぜ。まぁ、駄賃が安いのがネックだけど」

「ふーん」

「おいお前ら、外に出て飯買ってこいよ。このお兄さんがお金くれるから」

ラリマーが俺とトパーズの肩を抱いて言った。

「え」

「ありがとう俺の友人❤」

「~~っあんまりいっぱい金を持ってるわけじゃないからな」

アゲートに2000クロス渡すと歓声をあげて全員出ていった。

「今夜は御馳走だな」

ラリマーが満足そうに笑った。

「───とまぁ人払いはすんだし、続き話すか」

真剣な顔になり巾着袋に金を入れた。

「…じゃあこの街のDマスターはいい奴か?」

「いい奴?」

酷薄な感じを受ける笑みを浮かべた。年にあわない笑みだ。

笑い飛ばしてからラリマーの表情が変わった。

まるで憎い奴が目の前にいるかのようだった。

「笑わせる!!あいつがいいやつだったら俺達は今こんなところにいたりしない!!」

「え…」

音をたててラリマーが立ち上がる。

「来い!!」

そういうと先急ぐようにして階段をあがっていった。

「ちょっ…」

慌てて後を追った。

よろしくお願いします!

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