帰郷 3
───── 翌日 ─────
「うわぁ賑やかだねぇ」
「セントラルの中で一番大きい市場だからな」
「ねぇジルコン、私あそこ見たい!!」
「よし、行こう!!」
しゃがんで品物を見ているルビーを見て考える。
いつ渡そう…。
「ジルコン次あっち行くー!!」
「はいはい」
その時すごく、すごく自然にルビーが俺の腕を掴んで引っ張った。
なんでもないその仕草が久しぶりすぎて戸惑う。
「ルビー」
「ん?何ー?」
「手、繋ぐか」
「え!?なっ…なんでよ…」
「いいじゃん。小さい頃よく繋いだろ」
「いつの話してるの…」
フッと笑ってルビーの手を取る。
「懐かしー」
「…もう恥ずかしい…」
赤くなったルビーを見て笑った。
色んな店を見て回った後ルビーが休みたいと言ったから木陰で休むことにした。「ほらよパフパフ買ってきたぞ」
「ありがとー」
パフパフとは甘酸っぱい味をしていて、食べると口の中ですぐなくなってしまう綿菓子のかなり縮小版のような丸いお菓子である。
「おいしー」
「まじ?くれ」
「食べたことないの?」
「まぁね。あんまりお菓子は食わない主義で」
「ふーん、はい」
口の前にルビーが持ってきた。
それにかぶりつこうとすると逃げられた。
同じことが数回繰り返されてようやくかぶりついた。
「お前…っなんか疲れたじゃないかよ」
「あははジルコンのバーカ」
「あ、でもうまい」
「でしょ?」
ルビーの髪が揺れた。
「お前髪伸びたなぁ」
「そう?そんなに変わってる?」
「めちゃめちゃ伸びてるわけじゃないけど」
「そっか。まぁでも半年も経ってたらね」
ルビーが俺の腕を見て顔を変えた。
「あれ?なんか傷いっぱいできてない?」
「あぁ一応相手Dマスターだからな。そりゃ怪我もするわな」
「ちょっと他にもあるんじゃないの!?見せて!!」
「うわ!!ちょっとやめろ…!!」
服をまくられて胸や腹にできた傷を見られた。
「こんなに…」
「ま、治ってるんだけど…」
「…ジルコン…」
「なんだよ」
「死んじゃ嫌だからね。危なそうだったら戦わないで、ジルコン」
目が不安で揺れていた。
ルビーの目から涙が零れる。
「おいおい。何も泣くことはないだろ」
頭を軽く叩いた。
「だって…」
俺の服でルビーの涙を拭く。
「ほら買う物決めようぜ。泣き止めよ変態ちゃん」
「誰が変態よ!!」
「いやだって人の裸勝手にしかも無理矢理見たし」
「しょうがないでしょ!!もー」
笑ってルビーの手を取る。
「行こうぜルビー」
「うん」
ルビーの見ている店の向こう側に面白そうな店があった。
「ルビー俺ちょっと向こう見てくる。ここいろよ」
「はーい」
軽く発情したジルコン(*'▽'*)