2人目 7
ガラスの円柱の中にたくさんの男が1人ずつ入っていた。
全て目を閉じて動かない。
俺より年下のもいる。
震える手でガラスに触れた。
「私を退屈にした愚かな男共よ。私の力に自ら命を絶った者もいるわ」
「は…?」
「見られないほど醜い姿になった物も大勢いるのよ」
溜息をついたラピスラズリに剣を投げた。
不意をつかれたのか頬に掠る。
「ふざけるなよ…!!お前は人をなんだと思ってる…!!」
頬から垂れた血を見てラピスラズリが笑った。
「私の宝と私の穢れ」
「は…?」
「私の穢れは主に女。私以外の女は必要ないわね。でも働かせるには丁度いい。男は宝。でも───」
口の片頬を動かして笑う。
「従わない奴もまた穢れ───」
ドクンと心臓が鳴った。
「あぁ、そういえばお前に呪いをかけたあの(・・)方も同じ事を言っていた」
「!!知っているのか!?」
「もちろん。我が同胞だ」
「教えてくれ!!俺はこの呪いをとかないといけないんだ!!」
「…呪いをとく?違うだろう」
「え…」
「それだけじゃないでしょう。ねぇ?」
鳴り始めた鼓動はけたたましく身の中で響いている。
「お前は復讐したいんだろう?両親の」
「…なんで…知ってる…」
「知ってるさ。ここ数年で“ダイヤモンドの呪い”を受けたのは1人だ。お前はまだ若い。せいぜい成人になったばかりってところだろう」
「両親は…?」
「呪いを受けた奴の両親は死んだと聞いている」
「違う!!死んだって…まるで…まるで…!!」
「そう。自殺のように言われている」
「違う!!自殺なんかじゃない!!」
「私もそう思っているよ。聞かされた時から信じちゃいなかった」
「え…」
「Dマスターに殺された。そうだろう?」
「…そう…だ…」
ラピスラズリは含むように笑った。
「でも教えてやらない」
「…なんで…」
ラピスラズリの周りでバラのつるがうねった。
「これから死ぬ奴に関係のない話だ」
つるがうねりながら俺に向かって伸びてくる。
逃げようとして体が動かない事に気付いた。
「───!!」
「あぁ、やっと毒がまわったか」
「な…んだ…と…」
つるが腕に巻きついて体中をまさぐる。
膝を床についた。体の自由を奪われてしまった。
「これは“命”、“現の視覚、聴覚”そして“身体の自由”を奪う毒だ。」
手首につるがまきついてきた。
このつるにとげがないことに今さら気付く。
「どういうことだ…」
「何が」
「とげがない…!!」
「あぁ」
視界がぼやける。と思ったらはっきりする。
その繰り返しだ。
傍にラピスラズリがしゃがんでやぶれた服が見えている刻印をなぞった。
その動作が妙に艶かしい。
「この刻印のついた美しい体に傷は少ないほうがいいと思ってな」
「何言って…」
「お前には一番の美しさを与えてあげる。人生の中で一番美しい時の姿のままでいさせてあげるわ」
「は…」
体から完全に力が抜けた。
地面に崩れる。
つるが俺の体に、全身に巻きついた。
寝ころんだまま“気をつけ!!”のように姿勢を直される。
「…の…っ、コルセットかよ…!!」
「あら、まだしゃべれるの」
「当たり前…!!」
急に寒くなった。
急速に眠くなる。
「やれやれね」
何かに引っ張られる。
もうろうとする意識の中でその部屋の外に引っ張り出されたこ
とが分かった。
リレー小説をしています、是非、そちらのほうも~♥