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STONE LIFE  作者: 緋絽
12/65

2人目 5

「う...」

目が覚めた。

頭がずきずきする。

頭の中で何かが蠢いているような不快感───。

「ジルコンッ」

トパーズの声が聞こえてそっちに顔を向ける。

「よかった...目が覚めたんだな...。死んだかと思って...」

「え...なんで...」

周りに明かりがなく真っ暗でトパーズの顔がよく見えない。

「倒れた時目を開けて魂が抜けたみたいだったから...」

「あの時はなんか...」

体をトパーズの方に向けようと思って体が動かないことに気付いた。

「ん?」

「どうした?」

「体が動かない」

いや。正確には手足を何かで縛られてる。

腕を自分に寄せようとして何かで腕を擦った。

チクリと痛んでその痛みは腕に広がった。

手足を広げるように縛られている。

「お前は?動くか?」

少しトパーズの身動きをする音が聞こえた。

「駄目だ。手足を縛られてる」

「俺もだ」

腕から何かが(したた)る。

地面に落ちた音がした。

多分、俺の血だろう。

「~~っ」

急に目の前が明るくなって一瞬目を細める。

「目が覚めたのね、よかった」

ラピスラズリがフフと笑いながら戸を潜ってきた。

「魔力の小さい者はあれで死んでしまうから」

「...何がよかっただ。お前がしたくせに」

「そう、ね...」

手が伸びて俺の顎を持ち上げた。

思わず身震いする。

「...ットパーズにも...っ同じ事をしたのか...」

「そうよ」

手で触れられただけなのに刃物を突き付けられている気分だ。

「こうして生き残ったのだから、少しは私を楽しませてくれそうね」

顎に絡んだ指が頬に移動する。

「何を...っ」

「ラピスラズリッ!!」

聞き覚えのある声が聞こえた。

この声...フローか...!?

「出てこい!!ラピスラズリ!!」

フゥとラピスラズリが溜息をついてドアを開ける。

すぐ外にフローがいるのが見えた。

ドアが閉まる。

ハッとして腕を見た。

バラの茎で縛られている。

その棘で腕を擦ってそこから血が流れていた。

「2人を返せ!!」

「何故?」

「お前は子供達は返した。約束は守った。しかし、あいつらは街の外の住人!!この街には関係のない奴らだ!!」

「...どうやって中に入ってきたの?」

ドアの向こうの話し声に聞き耳をたてる。

「あんな女だけの警備なんて」

剣を地面に突き立てた音が聞こえた。

「瞬殺だ」

「...武道の達人だったわね。剣を操るのも長けているってこと...」

少しの間沈黙があって外が光った。

この光は...ダイヤモンド...!!

「フロー!!逃げろ!!」

強く光った後、その光が治まってから慌てて体を動かす。

首にも茎が巻き付いていて少し擦った。

「...何をした?」

「帰りなさい。フロー・ライト」

「何故お前の命令に従わねばならん!!」

「...やはり私の言葉が聞けないのね」

「何を言ってる!!」

剣が大気を揺らす。

フローが剣の切っ先をラピスラズリに向けた。

「うっ...」

ドクンと心臓が縛られる。

「うぁ…っ」

「ジルコン」

トパーズがこっちを向いて声をかけた。

「フ…ローが…何か…」

苦しい。

まるで聖地のど真ん中に立っているみたいだ。

(むち)のしなる音がして無理矢理顔をあげる。

バキッと音をたててドアに何かがぶつかった。

ドアが外れて中に口から血を流したフローが倒れこんできた。

強かに肩をぶつける。

さらに心臓が縛られる。

心臓を掴もうともがいて体中が棘のせいで血だらけになった。

「ジルコン!!」

「う…」

フローが俺達に気付いて顔をあげる。

「2人共!!よかっ…」

そのフローの背に鞭が入った。

「ぐぁ…っ!!」

フローが激しく咳き込む。

フローの腕にバラの茎がまるで生きているかのように巻きついた。

「ジッジルコン!!この茎燃やせ!!お前なら出来るだろ…う…」

「............っ」

「ジルコン?どうしたんだ、おい!!」

どうしたって?何がだトパーズ。わからないぞ。

苦しい。心臓を掻き毟りたい。

あぁだけどどうしよう。体が動かない。

早く動いて2人を助けないと  俺はトパーズを危険な目に合わせられない

フローだって俺達のために来てくれたんだから

誰かの足音が聞こえる。

呼吸ができない。

フローそれ以上近づかないで  そのままの状態で近づかないで

そうじゃないと俺は───。

「ジルコン!!」

狂ってしまう。

服が裂けて胸の刻印が(あらわ)になる。

それを見て誰かが笑った。

誰かに刻印を触られる。

今刻印は熱を持ち心臓と同じように脈打っている。

頬に手が添えられ耳元でラピスラズリが囁いた。

「お前、呪われた(・・・・)()なんだね」

苦痛に耐えるのに必死な俺にその言葉は理解できない。

ただ───。

「痛みを取ってあげようか?すぐに楽になる」

この言葉だけは頭に響いた。

「楽...に...?」

トパーズが何か叫んでいる。

聞こえない。何だよトパーズ。

「そうよ。目を閉じて...」

言われるがままに目を閉じる。

「痛みが遠のいていく。時の流れに身を任せて...」

心臓の痛みが和らいでいく。

少しずつ体が軽くなる。

痛みはほぼ感じない───。

よろしくお願いします!

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